【愛希れいか×宇月颯 スペシャル対談】師弟愛(⁉)で結ばれている2人が考える「ウェルビーイングなこと」

韓国ミュージカルの傑作『マリー・キュリー』日本初上演を記念してお届けしている、主演・愛希れいかさんと共演・宇月 颯さんのスペシャル対談。後編ではお二人が考える〝ウェルビーイング〟について、さらに宝塚月組時代に育まれたお二人の強い絆について語っていただきました。

――CLASSY.はウェルビー

――CLASSY.はウェルビーイングなライフスタイルを発信しています。考え方などメンタリティの面でお二人が意識されている〝ウェルビーイングなこと〟を教えてください。
宇月 私は「心身ともに元気に健康に!」という目標を立てています! 表に立つ立場として、皆さまに良いものをお届けするために自分が元気でいることが大事だと思っています。皆さまからもパワーをいただくことが多いので、お互いに良いものをシェアできたらいいなと思っています。
―愛希さんは、以前の取材で「どんなときでも挨拶は必ずする」と話ししてくださいました。最近ほかに心掛けていらっしゃることはありますか?
愛希 宝塚在団時代、みんなを引っ張っていく立場になったときに頑張りすぎてしまって、逆によくなかったと反省することが何度もあったんです。あまり気負いすぎてはいけないんだなと気づきました。自分らしく、自分のやるべきことをきちんとやることが、何よりもみんなのためになるんだなと。
宇月 わかる、わかる!
愛希 宝塚時代は、「頑張りすぎて周りに迷惑をかけて元も子もなくなる、それが私」みたいな感じでしたよね(笑)。としさん(宇月さんの愛称)が一番よくご存じだと思いますけど。
宇月 頑張っているのはよくわかったのですが、上手くいっていないなと思うこともありました。でも、ちゃぴ(愛希さんの愛称)は、注意されるよりも自分で気づいたほうが勉強になる子だと思ったので見守っていました。自分で解決したことで、周りからの理解も深まるとも思いましたし。
愛希 何度も失敗したので、さすがに学びました。甘えることも苦手だったんです、自分の弱みを見せるように感じてしまって。でも、甘えるということは相手を信頼しているからできることだと気づいたんです。信頼している気持ちを示すことで、相手からも信頼してもらえるということも知りました。
宇月 思うままに生きることは周りに迷惑がかかるからダメなこと、という風潮がありましたよね。でも、思うままに生きたほうが、自分だけでなく周りも楽なんじゃないかと思うんです。自分を表現することが相手に理解してもらえる第一歩になりますから。だから、相手にも思うままに接してもらいたいと思っています。
愛希 お仕事では初めてお会いする方が多いので、私もありのままに接することで皆さまとの理解を深めていければいいなと思いました!

――愛希さんは前回の対談やイン

――愛希さんは前回の対談やインスタグラムでも、宇月さんのことを〝師匠〟と呼んでいましたが、師匠と呼ぶに至ったエピソードをお聞かせいただけますか。
宇月 (笑)〝師匠〟。
愛希 私はもともと男役だったので、「としさんみたいな男役になりたい! としさんみたいに踊りたい!」と思ったのがきっかけです。
宇月 ありがたいですね。
愛希 なので、としさんに「お手伝いしたいです!」と言いに行ったんです。宝塚歌劇団には〝お手伝い〟という制度がありまして、下級生がお手伝いしたい上級生にお願いをして、許可が出たら〝お手伝い〟ができるんです。
宇月 許可が出ないのを聞いたことがないですけど (笑)。
愛希 聞いたことはないですけど、緊張しながら挨拶に行って許可が出たので嬉しかったです!
宇月 誰かに尊敬してもらえるなんて思っていなかったですし、初めてお手伝いについてもらったので私も嬉しかったです。でも、私が研5でまだ新人公演もこなさないといけない時期だからいっぱいいっぱいで、何もしてあげられなかったね。
愛希 そんなことないです! 私が娘役になってもお手伝いしていましたよね。舞台のことだけでなく、それ以外のこともとしさんには相談していました。私のことを理解してよく見ていてくださるので、私がもうダメだとなったときに「大丈夫か?」と声をかけてくださるんです。なので、私にとってはいろんな意味で師匠です! 師匠と弟子だと思っています(笑)。
宇月 私達はお互い体育会系だから、勢いがあったよね(笑)
愛希 「お願いします!!(大声)」という感じでした (笑)。でも、お水持ってくるのを忘れちゃって、「すみません!!(大声)」みたいな(笑)。
宇月 そんな感じだったね(笑)。でも、ちゃぴがどんどんスターになっていったので、「頑張れ」と応援しつつも「大丈夫か?」と心配でした。すごく努力する子だから技術はどんどん上手くなるけれど、心はすぐに成長できないですから。年齢とともに経験を積んでこそ心がついていくのに、と心配でした。突いたら倒れて壊れちゃうんじゃないかというときもありましたね。いつもは見守っていましたが、そんなときはさすがに声をかけました。
愛希 声をかけていただいて、とてもありがたかったです。
宇月 慕ってくれてお手伝いもしてくれたちゃぴの力になりたかったから、そう思ってもらえたなら私も嬉しいです。

――前回のインタビューで愛希さ

――前回のインタビューで愛希さんが「マリーは科学がないと生きていけない」とお話してくださいました。お二人にとって「これがないと生きていけない」ものは何ですか?
宇月 私達は、猫ですね!
愛希 にゃー
宇月 にゃー
愛希 できるだけ早く家に帰りたいです。としさんは宝塚時代から飼っていらして、いつも「猫がいるんで!」と帰っていましたよね(笑)。
宇月 できるだけ一緒にいたかったから。東京公演のときはいつも一緒に連れて来ていました。今は、家にいさせてあげることが大事だと思うので地方に行くときは連れて行かず、ペットシッターさんにお世話してもらっています。いかに猫にストレスを与えないかが大切なので! ちゃぴが猫を飼い始めたときは「猫友だ!」と嬉しかったです。愛猫と顔が似てきたんじゃない?
愛希 アメリカンショートヘアなのに日本人っぽい顔しているからですかね。似ていると言われると嬉しいです!
宇月 優しそうな穏やかな顔をした子だよね。って、猫のことを話し始めると止まらないのですが、大丈夫でしょうか?

――猫以外で「これがないと生き

――猫以外で「これがないと生きていけないもの」も教えてください!
宇月・愛希 猫以外ですか……。
宇月 私は一人の自由時間が大切です! 大勢でわいわいやるのがあまり得意ではないですし、一人で黙々とやりたいことをやる時間がないと生きていけないですね。
愛希 私は寝る時間! 寝ずに何かやるとか無理ですね。
宇月 私も無理! ちゃぴはどれくらい寝ている?
愛希 寝ようと思えば一日中寝ていられますが、8時間は寝たいです。
宇月 私も8時間は寝たいな。6時間だとヤバいなとなって、5時間になると危機感です(笑)。
愛希 寝られないのが一番辛い。集中力が下がってしまいます。
宇月 猫に会いにできるだけ早く帰り、できるだけ早く寝て、舞台に挑みましょう!
愛希 師匠、わかりました!!(大声)
宇月 (笑)

ミュージカル『マリー・キュリー』
‘18年に韓国で初演、’21年の韓国ミュージカルアワードで大賞をはじめ5冠を達成、マリー・キュリーの故郷であるポーランドでのガラコンサートも大盛況を収めた本作。ファクト (歴史的事実)と フィクション(虚構)を織り交ぜた〝ファクション・ミュージカル〟として日本初演! 【脚本】チョン・セウン 【作曲】チェ・ジョンユン【演出】鈴木裕美 【翻訳・訳詞】高橋亜子 【出演】愛希れいか 上山竜治 清水くるみ/ 能條愛未 宇月 颯 清水彩花 石川新太/ 屋良朝幸 ほか【東京公演】3月13日(月)~3月26日(日)天王洲 銀河劇場【大阪公演】4月20日(木)~4月23日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

愛希れいか
’09年宝塚歌劇団に95期として入団。男役として初舞台を踏むが娘役に転向、可憐な容姿とダンスの実力で注目を集める。’12年月組トップ娘役に就任。’18年『エリザベート』公演で主演後、退団。トップ娘役在任期間は歴代3位となる。退団後はミュージカル『エリザベート』、『泥人魚』、『マタ・ハリ』といった舞台作品から、NHK大河ドラマ『青天を衝け』などにも出演している。

宇月 颯
‘04宝塚歌劇団に90期生として入団。巧みでキレのあるダンスが評判を呼び、’10年『ジプシー男爵』で新人公演主演を務める。‘18年退団後は『笑う男』、『エリザベートTAKARAZUKA 25周年スペシャルガラ・コンサート』ほか、イベントや舞台などで幅広く活動。今年5月~6月にはGANMI×宝塚歌劇OG DANCE LIVE『2STEP』に出演。

撮影/杉本大希 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)