「可愛い」より「ストレスフリー」。40代が本当に着たい服とは

毎日が多スクな私たちに必要なのは、頑張らなくても整う“心地よさ”と“洒落感”。日々にちょっぴり余白が生まれるだけで心と体が軽やかになる。モデル・畑野ひろ子さん、スタイリスト・竹村はま子さん、そしてSTORYライター佐藤絵美子、小泉春香が「今の私たちに必要な服」についてリアルに語りました。

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撮影/須江隆治(See)

大人になると、選びの基準は「可愛さ」<「ストレスフリー」

畑野
あらためてストレスフリーを考えると、私の中では„洗えるか“ということが大事かも。服を買う時、必ず「これ、家で洗えますか?」って確認して、洗えない時点でいったん保留になるし、気軽に買う感じではなくなる。

佐藤
最近は特に暑い時期が長いっていうのもありますよね。

小泉
この服だと暑すぎる?これだと寒い?ってよくわからない日も多い。

はま子
だからスリーブレスのように長い期間着られる物を選ぶよね。

畑野
あと、きつい服もストレス。

はま子
そんな服、着ないでしょ(笑)。窮屈ってことではなく着心地?

畑野
そう! 着た瞬間、「あ、気持ちいい」ってなると、その感覚がずっと体に残る。着てる間に忘れてしまうけど、また着た時にその感覚を味わえる。そういうのって大切。上質感とか。若い頃は全然気にしてなかったけどね。

小泉
若い時は「可愛い」がすべてでしたよね。無理してでも着てた。

畑野
そう、昔は「オシャレは我慢」って。それが当たり前だったけど、今はもう時代の流れ的にも年齢的にもその価値観はないなって。〝コンフォート〞を求めるようになった。

はま子
快適さでいうと、私は肌が敏感だから肌触り命。どんなに可愛いニットでもチクチクした時点で却下。あと、もう絶対着ないのは重い服。

佐藤
〝重さ〞って実は結構大きなストレスですよね。

はま子
冬の暖房が強い場所とかでコートを手持ちした瞬間、「鉛か?」ってなる時がある(笑)。

佐藤
そういう服って、どんなに好きでも着なくなりますよね。

小泉
そう、だから私は軽くてオシャレだったら買ってよしって自分に許可を出しています。肩が凝らないからマッサージ代が浮く。その分を〝マッサージ貯金〞していいものを買う(笑)。

はま子
自分に優しい服を着るために投資するってすごく大事だと思う。気持ちにもゆとりが出る。

佐藤
私はライターになってからカジュアルを取り入れるようになったんですが、昔なら普通に着てたスウェットでも、今は「イタく見えないかな?」って気にすること自体がストレスなんです。カジュアルなものこそ大人はちゃんと選ばないと難しいなって。

畑野
ラインパンツとかね。去年生地違いのサードのラインパンツを買ってヘビロテして、今季のはよりさらっとして穿きやすいから絶対使えるなって思ってまた買ったの。

はま子
ひろちゃんは本当にカジュアル上手だよね。

畑野
カジュアルが間違いないブランドが自分の中ではっきりしているからかも。ハイクやサードとか。一点投入で〝大人カジュアル〞が決まるから信頼してるんだよね。

はま子
自分の信頼ブランドを作るのも得策かもね。探す手間も省けてタイパになる。それこそストレスフリー。

畑野
好きなものが絞られてくる年齢でもあるから余計に頼れるブランドを持つって安心かもね。

小泉
そう、ここだったら失敗しないっていうところで買うようになった。

佐藤
この年齢であまり迷走したくないよね。安心ブランドもあった方がいいけど、コレを着るだけで、何を合わせてもキマるし映えるっていう服も必要不可欠。選ぶストレスから解放されるし、オシャレの自信にもつながるのかなって。

小泉
確かに、〝ちょっとの映え〞って40代に必要な気がする。全部シンプルだと間が持たない。

佐藤
体型とか顔立ちが洒落てればいいけど、映えで何とか解決したくなる。

小泉
〝目くらまし〞だよね(笑)。

佐藤
年齢とか、気候とか、多スクとか、ちょっとしたストレスって実は日常的に感じているのかもしれなくて、それってオシャレとつながっている。

はま子
そうよね。何が自分にとってストレスか、そこに向き合ってこそオシャレがより楽しめるのかも。ストレスフリーなオシャレ、それがこれからの時代の正解なのかもね。

シアーニット¥39,600(エイトン/エイトン青山)肩掛けニット¥62,700(バイ・マレーネ・ビルガー/ショールーム ロイト)パンツ¥49,500(シー/エスストア)アイウェア¥50,600(パイン/フォレストパイン・デザインラボ)
※情報は2025年10月号掲載時のものです。

 

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