「もしかしてロマンス詐欺?」長年性交渉のなかった50歳女性が体験したSNSでの出会い
日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。大手デパート勤務の奈々未さん(仮名・50歳)は、長く同棲していた年上の男性と死別してから15年間、性交渉どころかデートもない日々を過ごしてきました。ところがある日、SNSに「ロマンス詐欺か?」と疑うようなDMが届いたことをきっかけに、思いがけず長年のレスに終止符を打ったといいます。
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■年上上司との不倫、そして早すぎる別れ

奈々未さんは、20歳年上の正志さん(仮名)と、アラサーの頃から事実婚状態で暮らしていました。
「彼は新卒で入社した時の直属の上司。当時の私から見る彼はセンスのいい大人の男性でした。最初のうちは同期の彼氏の相談もできる兄のような存在でしたが、いつのまにか好きになってしまって。最初は不倫でした。『妻とうまくいっていないんだ』なんていう口説き文句はだいたい嘘なんでしょうが、彼は本当に破局寸前だったんです」。
正志さんには奈々未さんより少し年上の妻がいましたが、仕事で渡米しており別居状態。子供もおらず、奈々未さんとの不倫が始まって2年後に離婚しました。奈々未さんは周囲の反対を押し切って同棲を続けました。
「母は『自分と同世代の義理の息子なんてありえない。しかも娘のような年の子と不倫だなんて最悪』と猛反対。父も同調していました。でも交際が長くなると孫を望む父は少し軟化しました。ただ妊活をしても子供は授かりませんでした」。
しかしようやく事実婚に落ち着いた頃、正志さんの胃がんが発覚。半年間の在宅療養を経て奈々未さんに見守られながら息を引き取ったのが15年前です。
■10年の「おひとりさま」期間
遺言状があったため遺産の一部を受け取り、経済的に困ることはありませんでしたが、心理的にはつらい日々が続きました。
「悲しみに沈むなか休暇を取って傷心旅行ができたのは、有給休暇がしっかりとれるホワイト企業に新卒から勤めていたおかげでした」。
中高一貫の女子校出身の奈々未さんは、同級生たちに支えられて少しずつ立ち直ります。猫を飼い、父の通院の送迎や高齢者施設探しなどを担いながら、忙しい日々を過ごしました。
「セックスレスの悩みなんて、彼氏すらいない50歳には脳裏によぎることもない話でした。男性に誘われることがあっても不倫ばかりで、若くもないのにリスクを冒してまで付き合う気にはなれませんでした」。
■SNSに届いた「怪しいDM」の正体

そんなある日、SNSに一通のDMが届きます。
「写真館で撮ったような爽やかなプロフィール写真の同世代男性から『知り合いかも?と出てきて驚きました。僕を覚えていますか? 啓太です』と。『これ、ロマンス詐欺では?』と疑いましたね」。
共通の友人が複数名いたため確認すると、なんと中学時代に数回デートしたことのある相手。「和菓子屋の息子の啓くん」だったのです。
「友人に『詐欺親父と繋がってるけど大丈夫?』と聞いたら、『元彼じゃん』と言われて(笑)。実際は元彼ではなく、当時ちょっと博物館に通った程度のボーイフレンド。懐かしさと驚きでいっぱいでした」。
■バツ2の彼と、50歳からの恋愛

SNSをきっかけに再会した啓太さんは、鉄道会社の研究職。バツ2という経歴に少し戸惑ったものの、食事を重ねるうちに「初恋だったんだ。付き合ってください」と告白されて交際へと発展しました。
「50で独身の私と、50でバツ2の彼。クセが強そうな組み合わせですよね。でも、彼の性格は15歳の頃から変わってなくて、こだわりが強く、人に説明するのが大好き。否定する時は、論破するみたいに上からバッサリ。人によっては『モラハラっぽい』と感じるかもですが、私は『あーはいはい』と流してしまうのが得意なので全然平気。めんどくさいけど悪気がないタイプなんです」。
現在はそれぞれの家に住みながら、週末婚のような形で交際を続けているそうです。性交渉についても「長年誰ともそういうことがなかったので彼ともレスでもいいかなと思っていたけれど、普通にある」と話します。
「中学時代、彼と博物館に行った時に送り迎えしてくれたのは母でした。あのとき母は『名門男子校のお友達なんて素敵』と嬉しそうで……。今の交際が母にバレたら、逆に『早く結婚しなさい』とせっつかれそうです。でも、もう妊活をするわけでもないですし、しばらくはこのペースで過ごしていきたいですね」。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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