杉浦太陽さん(43)妻・辻希美さんと険悪期も…夫婦関係を変えた「3日間」

世間が驚いた2007年の結婚発表から今年で結婚17年目を迎えた杉浦太陽さん。妻・辻希美さんとのYouTubeチャンネル「たぁのんちゃんネル」では妻の好きなところをスムーズに答え、インタビューでは「生まれ変わってもまた妻と結婚したい」と堂々と宣言するなど、その仲睦まじい姿はまさに理想の夫婦。そんな仲良し夫婦でも実は過去には険悪な時期があったそう。そこで、険悪期の乗り越え方、現在の夫婦円満の秘訣を聞きました。

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杉浦太陽さんプロフィール

1981年生まれ、43歳。大阪府出身。1998年「おそるべしっっ!!音無可憐さん」で俳優デビュー。2001年「ウルトラマンコスモス」で主演をつとめ一躍注目を浴びる。以後俳優として多数の映画やドラマに出演。プライベートでは2007年、元「モーニング娘。」でタレントの辻希美さんと結婚。2016年には「いい夫婦パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。現在は16歳から5歳の1女3男のパパ。家族との日常をブログ、インスタグラム、YouTubeでも発信している。NHK Eテレ『趣味の園芸 やさいの時間』、TBS『ひるおび』、TOKYO FM『杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより』、TOKYO FM『TOKYOこどもTIMES』、KBS京都『SUNNY TIME』、MBS『7Chefs』などにレギュラー出演中

キャピキャピの新婚時代から険悪期に

――仲良し夫婦のイメージがありますが、新婚の頃はどのような感じでしたか?

新婚時代はやはり2人とも若かったので、キャピキャピしていました。僕が6歳年上なので、常に僕がいろいろ教えて引っ張っていく感じで。妻は中学生の時に芸能界デビューしているので、スーパーでの買い物の仕方や電車の切符の買い方、バスの乗り方など、生活の基本的なことも教えていました。結婚当初から妻は妊娠していて、不安定になることもあったので、育児雑誌を二人で読んで情報を収集したり、妊婦検診にも必ず一緒に行ったり、僕が守らなくてはと思っていましたね。

子どもが生まれてからは、育児を手伝いながらも家族を養おうと、がむしゃらに仕事をしていました。僕も妻も昭和生まれなので、僕が外で仕事をして、妻が家事をやるというスタイルに違和感はありませんでした。妻は仕事はやめてもいいと思っていたみたいです。でも、結婚して3、4年目くらい、長男と次男が産まれる前後に夫婦の間ですれ違いが生まれて、険悪な状態になっていきました。

――夫婦間が険悪になってしまった理由は?

僕が子どもにばかり目を向けていて、妻のことを見ていなかったのが一番大きい原因です。例えば子どもが熱を出していて、僕が仕事に出かけなくてはいけない時に、子どもには「大丈夫か、愛してるよ、早く帰ってくるね、行ってきます」と言葉をかけるのですが、妻には何も言わなくて、あとからメールで「私には何もないの?」と言われたことがありました。今日帰りたくないなって時もありましたね。

だんだん家庭内に常にアクリル板があるような、気まずい雰囲気になっていました。子どもには話しかけるけど、妻には話しかけない。子どもを通して話をする感じで、夫婦の会話はほとんどなくなって、どんどんすれ違っていきました。妻はその頃、僕のことをもう名前ではなく「ねぇ」と呼ぶようになっていましたし、目を合わせることもなくなっていました。

妻自身も、どうしたらいいのかわからなかった

――そこからどうやって夫婦関係を修復したのですか?

いつまでもこの状態が続くのはよくないと思って、思い切って妻に「俺、昔のように話をしたい、新婚の時のように戻りたい」と伝えました。そうしたら妻は「育児や家事でいっぱいいっぱいになっていて、どうしたらいいのかわからない」と。

そこで、義父母に子どもたちのお世話をお願いして2人だけで京都に2泊3日の旅行に行きました。当時、世間は「子どもを置いて夫婦だけで旅行に行くなんて」という風潮でしたが、そんなことはもうどうでもいいと。子どものことは義父母にすべてお願いして、とにかく2人だけで3日間ずっと一緒に過ごして、お互い気持ちを伝えたら、また新婚の時のような2人に戻れました。この3日が夫婦のターニングポイントだったと思います。

そこからは妻は子どもファーストで、僕は子どもより妻を大切にする「妻ファースト」を心がけています。そうすると妻が思っていることがわかるようになって、育児も協力してスムーズにできるようになったんです。夫婦仲が上手くいくと育児も上手くいくということに気がつきました。

――子どもを預かってくれた、辻さんのご両親には感謝ですね。

そうですね。子どもを預かって2人だけで旅行に行かせてくれた義父母には本当に感謝しています。今も僕は仕事で家を空けることが多いので、近くに義父母がいて手伝ってもらえる環境はすごくありがたいです。僕の理想のお父さんは、「サザエさん」のマスオさん。サザエさん一家は子育てにおいて最高だと思いますよ。サザエさんから見たら、自分のお父さんお母さんがいて、兄弟がいて、息子は遊んでもらえて、夫は自分の両親と仲よくしてくれる(笑)。夫婦だけではなくてみんなで協力して子育てをしている感じがいいなと。

うちは4人も子どもがいるけれど、妻が一人で大変な時も、実の両親になら遠慮なくお願いできますしね。令和の時代でも夫はマスオさんのように義父母と仲良くすることが妻のためにも大切だと思います。

夫婦で厳密にルールを決めるとストレスになる

――夫婦の間でルールはあるのですか?

夫婦の中で厳密なルールは決めていません。ルールを決めるとそれがストレスになるし、破るとケンカになるので(笑)。飲みに行って遅くまで帰らないとか、電気をつけっぱなしにしないとか、家に帰ってきたときに「疲れた」と言わないとか、「妻の嫌なことは何なのか」という取り扱い説明書ができました。それを読んで、嫌がることはしないだけです。そうするだけで仲良くしていられるので、仲良しの秘訣は意外とシンプルなことなのかもしれないですね。

妻から言われて衝撃だったのは、「女性はホルモンのバランスで、機嫌がいい日は1か月で1週間しかない」ということでした。なので、妻が機嫌が悪くなる時はできるだけ近づかないで、話しかけられるのを待つことにしています。そうするとケンカにならないのでお互いに平和です。あとうちは、何があっても寝室を分けないで一緒に寝ています。これも仲良しの秘訣かもしれません。ちょっとケンカをして、僕がリビングで寝ようとしても30分後には妻が起きてきて寝室に連れ戻されます。一緒にいないとひずみが大きくなってしまうので。険悪期を経験して、傷が深くなる前に話し合うのが大事だとわかって「傷は浅いうちに治す」とお互い心がけています。最近は些細なケンカしかしなくなったのですが、娘から「パパとママのケンカはくだらなすぎる」と言われました(笑)。今は取説があるので大きいケンカはしなくなりましたね。

結婚17年目の今、一番仲が良いのはこうやって、いろんな経験をしてきたことでお互いを理解し合えたからだと思います。

子育てが終わったら燃え尽き症候群になりそう

――子育てが終わって夫婦二人になったら何がしたいですか。

結婚してすぐにパパ、ママになって2人だけの時間が少なかったので、夫婦共通の趣味の釣りに行ったり、旅行に行きたいです。でもずっと子育てをしているので、正直子育てが終わると燃え尽き症候群になりそうで怖い(笑)。子育てが楽しいので、一番下の子どもには永遠に大きくならないで、いつまでも子どもでいてほしいと思ってしまいます。でも下の子の子育てが終わる頃には、もしかしたら長女が結婚して子どもを産んでいて、僕たちはおじいちゃん、おばあちゃんになっているかもしれないですよね。孫と遊んで、仕事して趣味も謳歌して…という生活も楽しいかな。あと結婚してからずっと家族優先で生活していたので、友達とゆっくり旅行に行くのも夢です。地方のホテルに2泊くらい行けたら最高です。

変わらないガンコ夫には、「昭和の価値観」が効く!?

――STORY読者からは、杉浦さんのような夫が欲しいけれど、夫がなかなか変わってくれないという話を聞きます。そんな夫に対してママたちはどうしたらいいと思いますか?

ママたちにできるのは、無視かブチ切れるかですかね(笑)。本人が気づかないとだめですよね。僕も家に帰りたくない時期もあったのですが、妻が何かするのではなくて、自分で家庭での存在意義を作るようにして帰りたくなるようにしました。パパが帰ってきてテレビばかり見ていたら邪魔ですよ。でも、子どもと遊んだり、勉強をみたり、パパがいて頼りになると思ってもらえたら、自分の存在意義ができて、早く家に帰りたいと思うようになりました。

以前、僕の友達の奥さんから「結婚しても夫がワンマンで変わってくれない」と相談されたことがあって。僕も結婚していろいろな経験をしたので、夫の方に「家族はチームだから、ワンマンじゃダメだ。妻をお前が守ってあげろよ」と話しました。そうしたら、夫の価値観が変わって今は家族をすごく大切にして夫婦も円満ですよ。男友達に言ってもらうのも一つの手かと思います。

家事や育児をやる事=イクメンではなくて、まず「妻を大事にすること」。そうすると家庭も育児も上手くいくようになります。男が女を守るなんて昭和の考え方かもしれませんが、一周回って令和でも同じかもしれませんね。変わってくれないパパには昭和の価値観で訴えてみるのもいいかもしれませんよ(笑)。

――杉浦さんにとって、辻さんはどんな存在ですか?

なんだろう…パートナー?芸人さんでいう相方?どっちかがいないと成立しない存在です。仕事が終わったらすぐに連絡をしますし、いて当たり前というか、いてくれないと駄目な存在です。2人でよく「今がピークだよね」と話しています。新婚の時より17年経った今の方が、子どもも増えて忙しくて大変なことも増えましたが、毎日充実しています。夫婦仲も年々良くなっていて幸せです。もちろん10年後も「今がピークだね」と言っていられるようにしたいですね。

撮影/沼尾翔平  ヘア・メイク/松山麻由美 スタイリスト/松純 取材/山崎智子

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