内田恭子さん自宅の“ある場所”をプチ改造「子ども達へのクリスマスプレゼント」

知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NaVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその〝審美眼と価値観〟を知るエッセイ連載。今回はお子様達へのクリスマスプレゼントのお話です。

内田恭子さんの

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この原稿を書いている今は2022年の暮れ。クリスマスも終わり、あと少しバタバタとしてから年末年始なところです。あー、ようやくクリスマスが終わった。今の正直な感想笑。そう、今回のクリスマスは本当に大変でした。始まりは私の突拍子もない思いつきから。そして大概のバタバタはよくここから始まるのです。

 

我が家の次男は夏頃からもうクリスマスプレゼントの話をしだします。「やっぱりゲームかな」「でもあんまりゲームばっかりよくないよね」「ONE PIECEの全巻は?」「あ、でも高いかな」なんて私の顔色をチラチラ見ながらの様子伺い。うーん。子どものプレゼントって悩みますよね。スポーツ一筋の長男。レゴ、生き物、創作、ゲームと幅広い趣味の次男。羨ましいくらいに物欲がない長男と、欲望の塊の次男。二人のプレゼント選び悩むんだよなあ。しかもいつもネットでポチりとしている自分もなんだかなあ。そうだ!今度のクリスマスはただの物ではなく何かスペシャルなものにしたい!

 

そう閃いてしまった私。そうやっていつもやることを増やして自分の首を絞める。分かっているんだけどね。思いついたらワクワクが止まらなくて、やらないと気が済まない性格なのです。そこで私が目をつけたのが階段下クローゼット。そこを改造して子どもたちの秘密基地にしたら楽しいじゃない!やだ、私天才。私の頭から電球がピコンピコンと5つは飛び出したと思うくらいのナイスアイデア。はい、ここからワクワクが止まらない。

ところでそのクローゼット。年に一度そこを開けるか開けないくらいの場所。夫が我が家のいらなくなったものをとりあえずそこに入れる、という場所。もはや何が入っているのかの記憶がない開かずの間を恐々と覗いて見る。あるわあるわ、たんまりあるわ。木馬、トランポリン、なぜってくらい大きい雪だるまの人形、壊れたワインクーラー、ハンガー100本、ライオンの乗り物、チャイルドシート、会社の書類等等。「恭ちゃんパン屋になるの?」と夫に聞かれた、一度も使っていないパンの発酵機が出てきた時には大笑い。なぜ買ったんだ。それらを全部運び出すのに半日。いるものといらないものに分けて処分するのに丸々2日。

さらにそこから掃除をして、壁紙を貼り(間に合わなくて知り合いにお願いした)、スポーツと海賊とそれぞれの好きなテーマに沿ってグッズを集め、ライトや飾り物で賑やかし、勢いでハンモックを吊るし(安全上これも知り合いにやってもらった)、仕上げはヨギボーをドンとおく(23日まで届かなくてドキドキしたけれど)。およそ1カ月の工程が終了。というわけで、なんとかギリギリでクリスマスプレゼントが完成!いやいや、上出来すぎるでしょ。

クリスマスの朝にそこを初めて見た子ども達。キラキラのいい顔をしていましたよ。私のワクワクがキュンに変わった瞬間でした。ネットでポチりもいいけれど、子どもたちの喜ぶ顔を想像しながら、バタバタと自分たちのアイデアと手で用意するのもまたとてもいい時間でした。疲れたけれどそれ以上に楽しかったプレゼント用意。クリスマスの朝ご飯を早速秘密基地に持ち込んで楽しそうに食べている子ども達を見て、ほろりとしたクリスマスの朝。

Profile

内田恭子さん

1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。12歳と9歳の2児のママ。

モデル・文/内田恭子 編集/羽城麻子