東日本大震災を被災して実感した「女性特有の悩みの解決」の必要性
東日本大震災から10年以上経った今も、地震や台風、豪雨、豪雪、噴火などによる自然災害は絶えません。「備えあれば憂いなし」とは言いますが、何をどう備えればいいのか、どのように意識を高めていけばいいのか。防災・減災の使命感にあふれる女性たちを取材してきました。
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本間麻衣さん(44歳・東京都在住)(株)ファンクション代表取締役
備えの大切さを実感した3.11
「女性特有の悩みも解決したい」という
想いからレスキューランジェリーを開発
「女性特有の悩みも解決したい」という
想いからレスキューランジェリーを開発
「私、何も備えていなかったんです」東日本大震災発生当時、3人のお子さんとマンションの14階に住んでいた本間麻衣さん。震災後は、都内でもコンビニやスーパーからお米、パン、カップ麺などの食料品や飲み物、おむつなどの生活用品がすべて棚から姿を消し、本間さんは子ども連れでスーパーを何軒もはしご。必要なものが手に入りにくい状態はなかなか解消されず、“備えることの大切さ”を実感したといいます。
また、震災後の報道で「下着がなくて困った」「性犯罪にあった」など女性特有の問題を目にしたことがきっかけで、レスキューランジェリーの開発に着手しました。
ブラトップ、ショーツ、布ナプキン、洗剤、バッグの5点がセットとなった「レスキューランジェリー」。災害などの非常時に使用することを想定すると、気になるのは臭いです。アウトドア商品は速乾性重視で、ポリエステル素材を使うことが多いのですが、本間さんは「肌が弱い人もみんな着られるものじゃないと意味がない」と考え、天然素材で脱臭効果のある竹布を使用。色は女性らしさが強調されず、汚れも目立ちにくいグレーにしました。洗剤は洗浄力が高く環境に優しいものを探し、バッグは内側に防水加工を施し、洗濯のみならずバケツや氷嚢がわりに使えるほか、洗った下着を目隠しして干せる多機能なものを製作。
宮城県気仙沼市で被災された方にお話を伺い改良も行いました。「人に見られないよう、盗まれないよう洗濯物を干すのはひと苦労。でも花粉から洗濯物がガードできるよう布で囲われた角ハンガーが役立ったと聞いて、レスキューランジェリーバッグにもマチをつけたんです」。干すことだけではなく、自分で洗濯できることの重要さも、茨城県常総市の水害の際に痛感します。「ボランティアの方に洗濯をお願いすることができたとしても、自分や家族の下着だけは、見られたり、触られたりすることに抵抗があるという方が多くいます。そのため、簡単に下着や小物を洗えるバッグの開発は、間違いじゃなかったと感じた瞬間でもありました」。
災害への備えを考えるとき「自助・共助・公助」の3つに分けられますが、下着についてはもちろん自分自身で備える「自助」。本間さんは洗い替えができるよう、女性は最低限1セット備えておいてほしいと話します。「何となくシルバーの防災バッグを置いておくのではなく、住んでいる地域の自治体が備えているものを把握し、それに基づいて自分が本当に必要なものを揃えておくのがベスト。下着についても考えてもらえたら嬉しいです」。
「着心地もいいので、普段から実際に使ってみてほしい」と本間さん。
商品はこちらから。
http://fanction-inc.jp/
撮影/BOCO 取材/篠原亜由美 ※情報は2022年4月号掲載時のものです。
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