もう鎮痛剤に頼らない!「頭痛」を根本から改善する方法を漢方薬剤師が解説

「頭が痛くてつらい」「頭痛薬が手放せない」という女性は、かなり多いのではないでしょうか。実際、「日本女性の3人に1人は週に1回以上頭痛がある」といわれています。
頭痛があると、学校や仕事、家事など、何をするにもつらいですよね。今回は、頭痛の種類とそれに合わせた漢方薬をご紹介します。

頭痛にはタイプがある! 症状と傾向をチェック

頭痛にはいくつか種類があり、それによって原因や対処法が異なります。主なものを3つご紹介しますので、自分の頭痛がどのタイプなのか、見極めてみましょう。

下記のA~Dのチェックリストから当てはまるものがあなたの頭痛タイプです。

A

  • 頭の片側(片頭痛全体の60%)、もしくは両側(片頭痛全体の40%)が痛む
  • 脈打つような痛みがある
  • 吐き気やめまいを伴うこともある
  • 頭痛が起こる前にギザギザの光が見えることがある
  • 痛みが強く、4~72時間と長く続く
  • 冷やすとよくなることが多い

B

  • 締め付けられるような痛みがある
  • 症状が長引くと7日以上続くこともある
  • 温めると症状がよくなることが多い

C

  • 月に10回以上鎮痛薬を飲む

D

  • 台風や雨の日など気圧が下がると頭痛になる

Aが当てはまる人→片頭痛
Bが当てはまる人→緊張型頭痛
Cが当てはまる人→薬物乱用頭痛
Dが当てはまる人→低気圧頭痛

タイプ別・おすすめの対処法と漢方薬の種類

1.片頭痛

男性よりも女性に多い片頭痛。なんと女性の13%に片頭痛があるというデータもあるようです。酷い人では、ほとんど毎日のように片頭痛を感じてしまうことも。

現在、片頭痛の治療はとても進歩しており、しっかりと病院で治療をおこなえば、つらい痛みをかなり抑えることができる可能性があります。
「片頭痛かも?」と思った人は、病院の受診も検討してみてください。

片頭痛におすすめの漢方薬は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

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2.緊張型頭痛

緊張型頭痛は、肩や首まわりの筋肉が緊張状態になることで起こる頭痛です。

肩こりや精神的ストレス、姿勢の悪さによるストレートネックなどが原因として挙げられます。緊張型頭痛が慢性的に続くこともあり、なかには2日に1回以上のペースで頭痛を感じる場合も。

緊張型頭痛には、筋肉をほぐしたり、温めたりするセルフケアも効果的です。また、片頭痛と緊張型頭痛が合併している人も少なくありません。その時々で、どちらが原因の頭痛なのかを見極めて対処できるとよいでしょう。

緊張型頭痛におすすめの漢方薬は釣藤散(ちょうとうさん)


釣藤散は、筋肉の緊張を緩め血管を拡張させるので、緊張型頭痛の改善が期待できます。血圧が高めであったり、めまいや肩こりがあったりする人におすすめです。

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3.薬物乱用頭痛

鎮痛薬の使い過ぎで頭痛が起こることをご存じですか?頭痛のたびに鎮痛薬を飲むという人は少なくないと思います。じつは、1日の上限量を守っていたとしても、週に何回も鎮痛薬を使っていると、使い過ぎになってしまうのです。

具体的に、月に10回以上鎮痛薬を飲む人は、薬物乱用頭痛の可能性があります。
それだけつらい頭痛だということですから、頭痛の原因をはっきりさせて予防薬を飲むなど対策をとりましょう。

4.低気圧頭痛

たとえば台風や雨の日など気圧が下がることで起きる頭痛で気象病のひとつとされています。気圧の変化が耳の奥にある「内耳」を刺激し、交感神経を過剰に働かせてしまい、頭が痛くなるというメカニズムです。

低気圧頭痛におすすめの漢方薬は五苓散(ごれいさん)

気圧が下がることで起きる低気圧頭痛は、漢方医学では体内の水の滞りが原因と考えます。五苓散は水分代謝を改善することで低気圧頭痛の軽減が期待できます。

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からだのトータルケアが頭痛改善につながることも

頭痛には、天候の変化・ホルモンバランス・五感への強い刺激・ストレスなど、非常にたくさんの要因があります。さまざまな要因が複雑に絡み合って生じるため、原因の特定が難しいことも少なくありません。

漢方薬をのむ際には、自分の頭痛のタイプに合ったものを選んで、からだ全体のメンテナンスにつなげていきましょう。
とはいえ、自分の体質を見極めるのはなかなか難しいですよね。そこでお勧めしたいのが、どの漢方薬が自分に合っているのかを知るために、漢方に精通した薬剤師や医師の力を借りることです。最近では、オンライン上で漢方の相談ができるサービスもでてきています。

漢方に詳しい薬剤師が、AIを活用しながら個人に合う漢方薬を見極め、自宅まで郵送してくれる「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
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自分の頭痛タイプに合った漢方薬で痛みを抑えよう

今回は、頭痛のタイプ別に効果的な漢方薬をご紹介しました。

頭痛には、片頭痛や緊張型頭痛、薬物乱用頭痛などの種類があり、それぞれ性質が異なります。つらい頭痛の頻度や程度を抑えるためには、タイプに合った漢方薬を使うことが大切です。

自分にぴったりの漢方薬を選ぶために、専門家に相談することも検討してみてください。

<この記事を書いた薬剤師>

薬剤師 中山 歩実
大学病院、市立病院での勤務を経て、長期療養型の病院へ転職。なかなか改善しない症状に対し漢方を使ったサポートを実施している。さまざまな病気の段階の方と接する中で、正しい医療情報を得ることの難しさを痛感し、ライター活動を開始。がんや感染症、生活習慣病など幅広い疾患や薬についての記事制作を担当。「誰もが自分のからだを労れる社会」を目指し、あんしん漢方などでわかりやすい情報を発信している。

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