「ママ、不純異性交遊って?」ピンチこそチャンスだ!【性教育】
VERYweb読者の皆様、こんにちは。
とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事・のじまなみです。
性教育で大事なことは【子どもが性教育を学べる環境を持つこと】と、【大人の当たり前を変えること】なんですが、この2つを変えることはまだまだ日本の遅れた性教育の中では容易なことではありません。
ですが、私も年中から中2まで3人の娘を育てる母として思うことは
『本気でやっていてよかった性教育……!!!』!!!ということ。
子育て経験が長くなればなるほど、ヒンヤリ!ドキリ!な場面にいくつも出会っており、
この2つは早急な改革が必要だと本気で言いたいのです。
例えば、ある日の保育園の送迎時、目の前に路駐していた2トントラックの後ろに貼ってあったステッカーにくぎ付けになった私。
そこには、ショッキングピンクの文字で
『Hとビールは生がスキ!』と、
どどーーーんと書かれておりました(笑)。
ひらがなも、カタカナも読めるようになってきた我が家の5歳末娘。
保育園の目の前! 横には小学校もあり、朝の8時になんてこったい!
さすがに、読まれちゃ困る!と思いましたが、嫌悪感よりも、何でしょう、神様からの問題提起だなと思ったほどです(笑)。
はたまたここ最近でいうと、5年生の次女がレストランでいきなり『不純異性交遊って何?』と聞いてきたこともありました。
余りの唐突さに、食事を吹き出しそうになりましたが、質問の出どころは、今、子どもたちに大人気のTikTok。
小学生から大人まで、音楽やファッション、流行語など、時代の最先端を作っているこのツールをもちろん我が家の娘も大好きです。
その中で流れる音楽の1フレーズに、この『不純異性交遊』という言葉があったようです。
ここを、インターネット先生ではなく、私に聞いてきてくれたことに、私自身、胸をホッとなでおろしました。まず、数百万以上あるネットの情報内で、5年生の娘が正解を探し当てることはとうてい難しい。つい、調べる中で、アダルトなサイトのほうに目移りしてしまうことがあったとしても、それは当然のことだな、と思っていて。
だからこそ『聞いてきてくれてありがとう』と、娘にはきちんとつたえました。
もちろん、不純異性交遊とは何ぞやということも伝えましたが、やはり、次女もその意味を知るや否や、ものすごく気まずそうな苦笑いをしていたので、意味が分かっていなくて聞いたんだな、ということがその表情から理解できたという次第です(笑)。
はたまた、長女は小学校高学年の時、塾に通学中に露出狂にあっていますが、きちんと近くの店に逃げ込み、大人に判断を仰ぐことができました。
よく、性教育を伝えるタイミングが分からないとご相談をいただいますが、性教育の場合、チャンスはピンチの顔をしてやってきます。
大人がドッキリとした時が性教育のチャンスなんです。
前回もお伝えしましたが、大人がドキリとする時ほど『いい質問だね!』と答えてあげてくださいね!
質問の答えをどうしよう……と内心焦る時は、
「ちょっとママも分からないから、調べておく!」と正直に伝えるのも一つの手です。
ただし、この言葉をはぐらかすことに使わないでください。
子ども達はいつ教えてくれるのかずっと待っているものなので!
教えてくれないならインターネット先生で、と調べられたら元も子もありません。
イラスト/おぐらなおみ 出典:『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)
「この前こう質問してきてくれたの、覚えてる?」と、回答を準備できたら伝えていきましょう!
次回は『遅れすぎだよ!日本の性教育!』をお伝えします。
▶︎第2回「子どもの“性の話”を避けると二度と相談してくれなくなる本当の理由【性教育】」
▶︎第1回「【性教育】は3歳から!小学生からではもう遅い理由」
◉のじまなみさん
性教育アドバイザー。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師としてのキャリアを経て、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】」を設立。夫と3人の娘の5人家族。著書『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)『男子は、みんな宇宙人! 世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)がヒット中。
『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』のじまなみ/著 おぐらなおみ/イラスト(辰巳出版)¥1,400