春めく季節は読書の季節♡ 春の匂いがする言葉たち
読書の秋もいいけれど、読書の春だっていいじゃない。生ぬるい夜風に吹かれながら読書をして、言葉とともに春の気配を感じましょう。今回は本が大好きすぎて1日限りの古本屋を開業した「本・ひとしずく」のあやさんに春にぴったりの本を選んでもらいました。
1.挿絵のカラートーンが春らしい
『Presents』 絵・松尾たいこ 小説・角田光代/双葉文庫
人生でめぐり合う「プレゼント」シーンを小説と絵で切り取った12の短編集です。
私たちは「モノ」だけでなく、「記憶」や「料理」、「涙」といったたくさんのプレゼントを受け取り、そして贈りながら生きているんだなと、読んでいてとてもしあわせな気持ちになる本です。
2.桜満開のラストシーンが美しい
『新しい死神の飼い方』知念 実希人著/光文社文庫
※画像はイメージです
犬の姿を借りて地上へ派遣された死神が主人公。未練を残して死んだ人が地縛霊となってしまうのを避けるため、その人が生きている間に未練から魂を解放してあげることが死神の仕事。人間に寄り添い、人間を救っていく死神はもはや天使なのではないでしょうか。ミステリー要素もあるので、謎解きをしながら読み進めるのもおすすめです。
3.タイトルはショパンが愛したお菓子の名前
『すみれの花の砂糖漬け』江國香織/新潮社
※画像はイメージです
江國香織さんの書き下ろし、初の詩集です。江國さんの詩は、ひらがなの使い方が独特。流れるようにこころに入ってきて、さいごの言葉でちょっと取り残されるような、
つれない感じがなんともいえず、もっと読みたいと思ってしまいます。
教えてくれたのは……
本・ひとしずく
あやさん
本と本屋が好きすぎて、愛知県瀬戸市で昨年の11月に10日間限定、今年の2月に1日限りの古本屋「本・ひとしずく」を開業。小説や雑誌、写真集など幅広い読書レビューが人気を博している。
instagram @hitoshizuku_books
Edit・Text_Saki Inoue