中村アンさん(37)熱演中の“キレる妻”役に、友人たちからの反応は…?【ドラマ『こんばんは、朝山家です。』裏話】
The post 中村アンさん(37)熱演中の“キレる妻”役に、友人たちからの反応は…?【ドラマ『こんばんは、朝山家です。』裏話】 appeared first on CLASSY.[クラッシィ].

俳優として活躍し、自然体でヘルシーな魅力が多くの女性の憧れの的となっている、中村アンさん。しかし、放送中のドラマ『こんばんは、朝山家です。』では、ふだんの落ち着いた大人の女性のイメージとは違い、「残念な夫」への怒りをぶちまける「キレる妻」役を熱演しています。そんな中村さんに、撮影中のエピソードや、本作を通して感じた家族観について聞いてきました。
Profile
1987年9月17日生まれ。東京都出身。09年ごろから、モデルやタレントとして多方面で活躍。15年、『5→9〜私に恋したお坊さん〜』で連続ドラマに初めてレギュラー出演したことをきっかけに、本格的に俳優としてのキャリアをスタート。18年に『ラブリラン』でドラマ初主演。主な出演作は『SUITS/スーツ』『グランメゾン東京』など。
尊敬できる部分があれば、残念なところも受け入れられる

――朝山朝子役で出演中のドラマ『こんばんは、朝山家です。』では、夫・賢太に怒りをぶつけて罵倒するようなシーンも多いですが、演じられてみていかがでしたか?
怒りの感情は、しっかり気持ちが乗っていないと表現できないので、すごく難しかったです。しかも、積み重なったモヤモヤが爆発するシーンもあれば、ささいな言葉にカチンとくるパターンもあって。朝子さんは、食い気味で怒る人なので、相手の芝居を受け切らずに、テンポとリズムを保ちながら、ぐっと感情を込めるというのが、一筋縄ではいかなかったですね。
――そうだったんですね。でも、見ていて気持ちいいくらいの“キレっぷり”だと思います。“キレる妻”と“残念な夫”の関係性も面白いです。
“キレる妻”って、すごいパワーワードですよね(笑)。ただ、朝山家では、朝子さんが感情を爆発させるのが、決してネガティブなことではなくて。それで、いろいろなことに折り合いがつくので、家族という1つのチームとして、絆が保たれているんだと思います。
――ちなみに、中村さんご自身は、賢太のような“残念な夫”について、どう思われますか?
頼られたり、支えになったりすることは、私も嫌いではないです。尊敬できる部分があれば、残念なところがあっても、受け入れられると思います。朝子には、「好きで結婚したんだから」という覚悟があるのかもしれませんが、それを貫くのはすごくカッコいいですよね。
ただ、賢太には脚本家としての才能があるからこそ、朝子も「この人に映画監督の夢を叶えさせてあげたい」と思い、サポートに回っているんですよね。本当に“ポンコツ”な人だったら、きっと支えきれないと思います(笑)。お互いに思い合える関係でいられるなら、私も自然と支えたくなると思います。
“キレる妻”の演技は意外にも、友人たちから“ハマってるね”との評判
――そんな中村さんは、朝子のように自分の感情を発散できるタイプですか?
朝子さんもそうなんですけど、やっぱり相手によりますよね。人間は、いろいろな一面を使い分けるものですから。私も、“中村アン”としてお仕事しているときは、正直ちょっと猫を被っていることもあるかもしれません(笑)。もしかしたら、華やかでラグジュアリーなイメージを持ってくださる方もいるかもしれませんが、親しい人たちからは、今回のキレる演技についても「素の感じも入ってたでしょ?」なんて言われたりもしました(笑)。
――たしかに、中村さんには、朝子のようにキレ散らかすイメージはないですね(笑)。
気心が知れた人たちの前では、言葉がちょっと辛口になることもあります(笑)。でも、お仕事の現場では、思ったことをストレートに言えなかったり、どう伝えようか悩んだりすることもあって。だから、朝子さんが賢太を思い切り罵倒することもあれば、落ち着いた仕事モードのときがあることも、自然に表現できました。
子どもに干渉しないタイプだった母から感じた深い愛情

――本作は、監督・脚本の足立紳さんと晃子さんご夫婦の連載日記が原案となっていますが、朝子のモデルである晃子さんから、何かアドバイスはありましたか?
今回、1番不安だったのが、独身で子どものいない私には「お母さんの気持ちがわからない」ということでした。それを晃子さんに相談したら、「アンさんの不安な気持ちのままで大丈夫。私も“お母さんらしさ”なんてわからないから」と言っていただけて。その言葉が自分のなかにすとんと落ちる感覚がありました。晃子さんが現場にいらっしゃると、雰囲気がすごく明るくなって、ひまわりみたいな人なんですよ。役作りには、晃子さんご自身のイメージからヒントをもらったりもしていました。
――ご自身のお母様には、相談をしたり、アドバイスを受けたりしましたか?
うちの母は、あまり子どもに干渉しないタイプなんです。子どものころから「自分の頭で考えて行動しなさい」という教育方針だったので。だから私も、これまで仕事の相談はしたことないですね。でも今回、朝子さんを演じるなかで、「うちの母は、どんな気持ちだったんだろう?」と気になって。子どものころのアルバムを久しぶりに見返してみたんです。うちは3人兄弟なんですけど、母が1人ずつに作ってくれていて。それを見ていたら「すごく深い愛情で、育ててもらっていたんだな」と改めて感じました。
――とても素敵なエピソードですね。実際に、お母さんとして子役の方々と演技をしてみて、いかがでしたか?
子どもってすごいパワーがありますよね。思い切りボールをぶつけてくれるので、一緒にお芝居するのがすごく楽しかったです。息子の晴太役の(嶋田)鉄太くんが、実際に私のことを「かあちゃん」と呼び始めてくれて。私も撮影期間中は、少しでもお母さんの気持ちが理解できるように、子供たちの写真を待ち受けにしていたんです。そうしたら、もうどんどん愛おしくなっちゃって。子育てって絶対に大変でしょうけど、子どもってすごく可愛いんだろうなと思いました。
「家族」とは、ありのままの自分でいられて、1番の味方になってくれる存在
――改めて、中村さんにとって「家族」とはどんな存在ですか?
疲れたときに思い出すような、自分の支えになる存在ですかね。今回、改めて感じたのは、家族にはいろいろな形があっていいということです。血の繋がりがなくても、一緒に暮らしていたら家族と言っていいと思うし、朝山家のように、たくさん言葉を交わして、感情をぶつけ合ってもいいし、そうじゃなくてもいい。ありのままでいられて、それでも絶対に1番の味方でいてくれるのが、家族というものなんじゃないかなと思います。
information
ドラマ『こんばんは、朝山家です。』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:15〜放送中。国民的ドラマを手掛ける脚本家の夫・賢太(小澤征悦)は、家事も子育ても中途半端な“残念な夫”。妻の朝子(中村アン)は、そんな賢太を経済的にも精神的にも支えてきたが、イライラが止まらず“キレる妻”と化している。しかし朝子は、賢太の長年の夢である映画監督デビューを叶えるため、家庭と仕事を切り盛りしながら営業活動に勤しんでいく。
撮影/島津美紗 取材/近藤世菜 編集/越知恭子