「守るものがあると、人生はさらに豊かになるのかも」中村アンさん(37)の結婚観とは

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女性の人生に、たくさんの選択肢がある今、大切なのは自分らしい生き方を見つけることではないでしょうか。中村アンさん(37)も「自分の意思で進めば、必ず道ができる」と語ります。これまでは、仕事一筋で結婚に興味がなかったという中村さんですが、放送中のドラマ『こんばんは、朝山家です。』をはじめ、母親役を演じる機会が増えたことで、少しずつ価値観に変化が訪れたといいます。ポジティブなオーラを放つ中村さんに、大切にしている仕事観や現在の結婚観について語っていただきました。

Profile

1987年9月17日生まれ。東京都出身。09年ごろから、モデルやタレントとして多方面で活躍。15年、『5→9〜私に恋したお坊さん〜』で連続ドラマに初めてレギュラー出演したことをきっかけに、本格的に俳優としてのキャリアをスタート。18年に『ラブリラン』でドラマ初主演。主な出演作は『SUITS/スーツ』『グランメゾン東京』など。

28歳から俳優の道へ「ここ5年くらいで、ようやくお芝居が楽しくなってきました」

――中村さんは、ちょうどCLASSY.世代だった28歳のころに、俳優としてのキャリアをスタートさせていますよね。このタイミングで新しい挑戦を始めたのはなぜだったのでしょうか?

チャンスをいただいたので、その波に乗ってみようと思ったからです。正直、お芝居についてはわからないことだらけで、すぐには「楽しい」とか「面白い」とは思えなかったんですが、この先の長いキャリアのなかで頑張っていこうと決めました。このスタンスは今でも変わっていなくて、いつでも新しいことに飛び込める心構えでいようと思っています。

――それでは、「これからも、ずっと俳優を続けていこう」と決意したのは、いつだったんでしょうか?

30歳の節目のとき、これからの人生について、どんな道を歩んでいこうか漠然と考えていたような気はします。でも、しっかり覚悟ができたのは、ここ5年くらいですね。お芝居を楽しいと思えるようになったんです。それまでは、必死にしがみついているという感じだったので。

アラサーのころは仕事一筋で、最近ようやく「結婚」や「出産」がリアルなものに

――何事も、そつなくこなされている印象があったので、“しがみついてきた”というのが意外です。

私から仕事をとったら、何者でもなくなってしまうと思っていました。結婚していたり、子どもがいたりして、ほかに守るものがあれば、また違ったのかもしれないですけどね。でも、仕事で積み重ねてきたものは、間違いなく自分の軸になっていると思います。

――中村さんにも、「仕事」と「結婚」について、悩んだり葛藤したりした時期があったんでしょうか?

正直、これまではあまり「結婚」というものを意識してこなかったんです。何より、自分のやりたいことを最優先にしてきたので。仕事も本当に楽しかったし、おかげで悔いなく生きてこられたと思います。ただ最近になって、「結婚」や「出産」についても少しずつ現実的に考えるようになってきました。やっぱり女性の場合、出産にはある程度のタイミングも関わってくると思うので、20代のころよりも、将来のことをちゃんと考えるようになった気がします。

――年齢を重ねるなかで、中村さんの「結婚観」にも変化があったということですね。

お母さん役をやらせていただくと、「自分以外に守るものがあると、人生はさらに豊かになるんだろうな」と思います。今の自分には、家族で食卓を囲む機会もないので、そういうシーンはとても楽しいですね。今回のドラマでも、娘と息子役の2人が本当に愛おしくて。子どもはすごいパワーを持っているし、改めて「お母さんって素敵だな」と思えました。子育てをすることで、新しく触れ合える世界も、面白そうだなと感じています。ただ今は、焦らずに、自分を大切にしながら、いろいろな可能性を楽しみたいと思っています。

「結婚」も「仕事」も、自分の意思で決めるべき。人生は存分に楽しんだほうがいい

――選択肢はたくさんありますもんね。「仕事」や「結婚」について悩むCLASSY.世代に、何かアドバイスはありますか?

悩んだときこそ、自分の意思で決めることが大切だと思います。私も、自分で選んだ道じゃないと頑張れないタイプなので。結婚してみて、ダメだったら別れればいいし、仕事を頑張りたいなら、全力で突き詰めればいいし。もちろん、自分がやりたいなら、両方を取ってもいいじゃないですか。とにかく勇気を出して、飛び込んでみればいいと思います。たとえ思い通りにいかないことがあっても、それもきっと次につながる経験になると思います

――中村さんのお話を聞いていると、とてもポジティブな気持ちになってきますね

せっかく生きているんだから、人生は思いきり楽しんだほうがいいと思うんです。それに、覚悟を決めると、人は強くなれますから。悩みすぎて辛いときは、その選択肢じゃないのかもしれないし。自由に選べるからこそ迷ってしまうんでしょうけど、自分の意思で決めて後悔のないように進めば、自分なりの道は必ずできてくると思います。

洋服も髪型も体型も、自分が1番好きな自分を見つけることが大切

――そんな中村さんが、37歳のいま、1番大切にしている価値観は、どんなものでしょうか?

「自分で決めたことを、最後までやり通す」ということですね。この価値観はずっとブレずに持ち続けています。待っているだけでは何も掴めないので「自分で決めて自分で動く」ということは、常に意識してきました。それから「何事にもチャレンジしてみること」も大切にしています。ささいなことですけど、洋服や髪型も気になったものはトライしてみるし、体型も、頑張って絞るときもあれば、あえて頑張りすぎずに自然に身を委ねるときもあって。いろいろな経験を通して、自分自身が1番好きだと思える自分を見つけることが、大切なのかなと思います。

――中村さんには、強い意思や自分の芯があって、すごくカッコいいと思います。

実は、覚悟を決めるまで、けっこう時間がかかっちゃうほうなんですけどね。すぐに意思が固まることもありますが、少しでも迷いがあるときは、自分と向き合って、しっかり悩んでから結論を出したいタイプです。たとえば、2年前、舞台に初挑戦したときも、ほかの作品を見に行ったり、制作の方々にお会いしたり、自分なりに不安を解消してから、お返事をさせていただきました。無理だと感じたら断るというのも、自分の意思だと思いますしね。

年齢を重ねたからこそ挑戦的になれる。「大丈夫」と言い聞かせて

――ブレない中村さんですが、年齢を重ねるなかで、変化してきたことはありますか?

周りの人の意見を素直に受け止められるようになってきました。これまでは、自分の意思が強いぶん、誰かに頼ることが苦手だったんです。ずっとチアリーディングをやっていたので、根性論みたいなものが染み付いていて(笑)。でも、年齢を重ねるうちに、それだけだと苦しくなってきたんです。体力や気持ちが、思うようについてこないなと感じることもあって。演じるということは、自分の内面と向き合うことでもあるので、今でもつい一人で抱え込んでしまうことがあります。

――ちなみに、どんな方に相談されているんでしょうか?

年上の女性とお話しすることが多いです。私が今抱えている悩みを超えてきた方々なので、1つひとつのアドバイスがとても参考になります。仕事に熱が入りすぎて苦しくなったときには、弱音を吐き出させてもらうこともあって。頼りがいのある人生の先輩方です。

――中村さんは今後、どんなふうに年齢を重ねていきたいと思っていますか?

「昔のほうがよかった」ではなく、常に「今の自分が1番好きだな」と思える歳の重ね方ができたらと思っています。これまで、いろいろな経験をしてきたことで、「大丈夫」という強い気持ちを持って、若いころよりも挑戦的になれるような気もしますしね。これからも、年齢にとらわれすぎない生き方をしていきたいです。

information

ドラマ『こんばんは、朝山家です。』

ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:15〜放送中。国民的ドラマを手掛ける脚本家の夫・賢太(小澤征悦)は、家事も子育ても中途半端な“残念な夫”。妻の朝子(中村アン)は、そんな賢太を経済的にも精神的にも支えてきたが、イライラが止まらず“キレる妻”と化している。しかし朝子は、賢太の長年の夢である映画監督デビューを叶えるため、家庭と仕事を切り盛りしながら営業活動に勤しんでいく。

撮影/島津美紗 取材/近藤世菜 編集/越知恭子