【会見レポ】Snow Man ラウールさんの海外モデル活動に密着したドキュメンタリーが放送開始!

The post 【会見レポ】Snow Man ラウールさんの海外モデル活動に密着したドキュメンタリーが放送開始! appeared first on CLASSY.[クラッシィ].

大人気アイドルグループ・Snow Manのメンバーとして多方面で活躍する一方、昨年ミラノ・パリコレクションのランウェイに出演し、モデル活動にも大きな注目を集めたラウールさん。アイドルとして成功を収める一方、モデルとしては現地での事務所探しなどゼロからの挑戦を始め見事“世界最高のランウェイ”に立った彼。そこに辿り着くまでの苦労と軌跡をリアルに映し出す、ドキュメンタリー『RAUL:ON THE RUNWAY』が9月13日(土)、朝10時よりPrime Videoにて配信されることが決定!先日行われた取材会では、ラウールさんがその胸の内を語りました。

『RAUL:ON THE RUNWAY』9月13日(土)朝10時よりPrime Videoで独占配信スタート

「ラウールは大きな挑戦を始めた。Snow Manのメンバーとしてデビューして4年、それは世界最高のランウェイに立つこと。ミラノ・パリコレクションの舞台だ。そこは一握りのトップモデルしか立てない場所。その挑戦は全てグループのため。日本ではトップアイドルとして誰もが知る存在だが、現地ではその実績は通用しない。厳しい体調管理やポートフォリオの作成、ウォーキングの練習など、一人準備を続けたものの、ブランドのオーディションを受け続けては落ちる日々…。時に心が折れそうな時もあった。だが、自分が納得するまでは終われない。その思いがラウールを突き動かした。ミラノ、パリコレクションへの挑戦までの、1年半の記録」

『RAUL:ON THE RUNWAY』取材会レポート

ライトグレーのポロニット×ライトブルーデニムに、キラキラとしたチェーンベルトとエナメルのレースアップシューズを合わせた、ミニマルかつ洗練されたスタイリングで登壇したラウールさん。シンプルな装いを抜群のスタイルで見事に着こなす姿に存在感を漂わせながらも、「みなさんお集まりいただきありがとうございます。ちょっとこっぱずかしいのですが…」と照れた様子で取材に応じました。

――まずはモデルに挑戦しようと思ったきっかけから教えてください
会社の人に「やってみたら?」と声を掛けてもらったのがきっかけで、自分自身で興味を持ったというわけではないのですが、やってみたら楽しかったのと自分が結構負けず嫌いなので、それが高じてもう少し頑張ってみようという感じでした。

――様々なモデル職の中でも、“パリのランウェイ”を目標にした理由は?
まずは、“負けず嫌いだから”ということ。あとは、日本での撮影はアイドルをしているということもあり、「かっこいいね」と周りにちやほやされることがあって恥ずかしかったんです。それを本当に言ってくれているのか、お世辞なのかわからなくて。なので、“自分は本場でもできるのか試したい”というのがあった。もう一つは、ファンやメンバーが冗談半分、本気半分で「パリとか歩いてそう」と言ってくれることがあって、そういった言葉にも影響されたというのはありますね。

――ランウェイまでの道のりをドキュメンタリーに収めようと思ったきっかけは?
ランウェイを目指すにあたり、「カメラを回しておいた方がいいんじゃない?」とスタッフさんが伝えてくれて、「回しておきましょう」と。最初は配信先も決めていなくてモチベーションもなかったんです。カメラがずっとあって休まらないな、と乗り気ではなく、自分のことをアピールするのも恥ずかしいな、とかずっと思っていて。でもすべてを終え、1年半やってみたら、配信したほうがいいのかなと思えてきて。それは、自分のように活動を頑張っている日本人モデルの方がたくさんいらっしゃって、モデル活動で出会った日本人モデルの方たちが自分の地位の低さに苦しい思いを持っているというのを知ったから。自分はアイドルをやっているし、もしかしたら「“こういう世界があるんだ”というのを世の中に少しでも知ってもらえることができるかも」と思ったのは、すごくモチベーションになりました。また、期間を取るプロジェクトなので、1カ月間ずっとパリに滞在しなければならず、日本での仕事をいくつか休んでしまった時は胸が痛かった。そのようなことはしないようにしなければ、と思っていたので、そういった部分でも“自分が何をしていたのか”を説明するべきなのかなと思いました。

――先ほどおっしゃっていた“日本人のファッション業界における立場”ということに関して、ラウールさん自身が業界の中に入り、現地で挑戦することで気付いたこともたくさんあったのでしょうか?
そうですね。思ったよりもリスペクトされるような職業じゃないな、と。YouTubeなどでランウェイのモデルさんを観て「かっこいいな」「すごいな」と思っていたのですが、いざ現地へ行ってみると自分が人として見られてないような瞬間も時々あったりして。でも自分にとってはそれが新鮮で、とてもいい経験だったんです。“これまでできなかった経験をできた”という嬉しさのようなものもありました。ただ、一瞬苦しいような時期もあったし、周りにそれを抱えている人もたくさんいました。

――『RAUL:ON THE RUNWAY』の密着期間が1年ではなく、1年半になった理由は?
元々は約1年の予定だったのですが、思うように結果がでなくて。やはり期間を決めてしまうとなかなか結果が出づらいので、一旦(予定よりも延長して)撮影を続けて欲しいとお願いして。それでも色々な限界があったので「あと1回だけ」と先々月、6月くらいにラストの挑戦をして、それまでが収まっているという状況ですね。

――現地で一番つらかった出来事は?
うーん…。僕、方向音痴なので道に迷いすぎて辛かったです(笑)。いつも海外で電波をキャッチするのが下手でポケットWi-Fiを持ち歩いていたのですが、歩いているうちに充電がきれてしまって。方向音痴の人がスマホの地図をなくすとやばいんですよ(笑)。それが大変でした。

――現地では1人で行動されたとのことで、日本とはかなり環境が違ったのではないでしょうか?
そうですね。日本だったら涼しい車をマネージャーさんが用意して下さるけど、そうも行かないので。でも僕は16歳でデビューしてしまったので、普通の10代20代の人よりも割と甘やかされてきたというか、あまり苦しまないできたというのがコンプレックスで。モデル活動で苦労したことをアピールしたいわけではないのですが、この1年半でそういう経験がしてみたかったというのもありました。

――文化の違いがあったり、人として扱われなかったことがあったとおっしゃっていましたが、言葉や日常の違いを感じたのでしょうか?
“アジア人が欧米の方と一緒に仕事していく難しさ”というのを、本当に身を持って感じました。そこに関してちゃんと怒りも覚えたことで頑張れたし、それで世界を知れたというのはいい経験でした。

――初めての挑戦に密着される中で、ドキュメンタリーでは細やかにその時々の心情を聞かれていたと思いますが、いかがでしたか?
結構キツかった時もありましたが、撮影に携わってくれた人がすごく優しくて。基本的にオーディションを受けると、実は母数も多いのですが9割以上不合格で。悔しいじゃないですか。でもカメラがあるとキツイな、悔しいなという顔ができない。アイドルやっているからか、カメラを意識してしまって。ただ、それでも捉えられている姿はあると思います。

――現地で嬉しかったこと、楽しかったことはどんな光景を思い浮かべますか?
身体を見せる仕事なのでずっとカラダ造りをしていて。“終わったら美味しいごはん食べよう”と思っていたので、終えてごはんを食べられた時がいちばん嬉しかったですね。

――一段落した時に、どういうものを食べた時が一番幸せでしたか?
わぁ、いい質問!(笑)でも「やっぱり日本人だなぁ」と思ったのは“お寿司”。パリで仲良くなった日本人のお寿司屋さんがいて、そこによく行っていました。

――今回の活動で、価値観や人生観でラウールさんの中でどんな変化がありましたか?
小学生でアイドルの事務所に所属して、10代でデビューして…と導かれるがままに来てしまったので、僕にとってこの活動は“就職活動”みたいなものだったんです。事務所に入るとかオーディションを受けるとか、そういった経験をできてよかった。これまでは地元の友だちに会った時に正直共感できないこともお互いにあったのですが、この前久しぶりに友だちに会った時に、その友だちの就活の話に共感できた瞬間があったのが嬉しかった。「あ、そうだよね」と思えたことも、パリコレをやってなかったら聞き流しちゃっていたというか、聞くのが苦しいと感じていたと思う。でも、友だちの話に全力で頷けたし、自分のやり方やその子のやり方とかを聞き合って、面白いなぁと、いい時間になりましたね。

――色々な複雑な想いを感じながらも、実際にランウェイを歩いた直後の心境は?
ずっと虚勢を張りながらも、本当の自信もどこかにあって。海外では、謙虚な姿勢があまり意味がない現場ばかりだったので、ガンガン「行けます自分!」と、嘘でも本当でもそういった態度でした。なので、終わった瞬間は「でしょ?」みたいな(笑)。でも帰って冷静になってみたら、「あぁ、いい経験だったなぁ」って。

――元々壁を乗り越える、挑戦するのがお好きなラウールさんですが、今回はかなり高い壁だったと思います。今後の活動に、今回の経験から持ち帰るものもあったと思いますが?
あったと思います。モデル活動では、全部自分の頭の中で考えて作っていかねばならず、誰かに教えてもらうということがなかったのですが、結局は(アイドル活動においても)いつもそうなんだよな、と思って。どの仕事をするにしても、なんとなくはスタッフさんに「こういう流れで」とか「こういうパフォーマンスをして下さい」という指示はしてもらいますが、結局のところ、自分でかみ砕いて自分で結果を出すということだと思うので、それを当たり前にしようと思うようになりました。

記者からの質疑応答

――アイドル活動での映画やドラマなど、芝居に関して“役になりきる”という印象のあるラウールさんですが、モデル活動で得た経験値がこの1、2年のお芝居に活かされたこともありましたか?
それに関しては初めて考えましたね…。でも、そういう側面もあるのかも。たしかに、モデル活動の1年間半で印象的だったのは、初めて自分のことで悔しくて涙が出たという経験。幼少期以来初めての悔し涙でした。ドキュメンタリーには映ってはいないのですが、そういった経験はもしかしたらどこかに生きているのかもしれないです。

――パリコレに挑戦する前、初めて歩かれたランウェイはYOHJI YAMAMOTOでしたが、そのきっかけは?
会社の人に背中を押された形ではありましたが、当時はモデル事務所にも入ってなかったので「とにかくオーディションを受けさせて下さい」と直でコンタクトをとって。コロナ禍だったので、たまたま日本でファッションショーをやることになり、日本でオーディションを受けさせてもらって、という流れでした。

――その際フロントロウのメディア関係者に対し“魅せる”という部分で、エンターテイメント性を兼ね備えたランウェイが印象的でした。アイドル経験からの自分なりの表現だったのでしょうか?
あの経験は僕もすごく思い出深いです。耀司さんが「何か動きをつけてみたら?」と言って下さって、一晩中リハ-サル室に籠って本番と同じような音楽をかけて、色々な動きを試して。「これだ!」というのを本番当日に見せにいったら「こうしたらどうか?」と言葉を返してくれて。日本を代表するデザイナーさんとそういう会話をできたことが嬉しかったです。

フォトセッションの様子

笑顔で各媒体のカメラに応えていたラウールさん。後ろのスクリーンに映し出された『RAUL:ON THE RUNWAY』に手を添えたり、“動きのあるポーズを”というリクエストに応え、腕をゆらゆらと動かすようなポーズをしてみたり。Prime Videoの小さなボックスを持っての撮影では、ボックスを頭に載せ、長い脚を曲げたりと、茶目っ気たっぷりな姿でカメラマンたちを笑顔にさせていました。

最後に、ドキュメンタリーを観る人へメッセージをお願いされたラウールさんは

「(Snow Manのラウールを応援してくれている皆さんにとっては)あまり馴染みのない世界のドキュメンタリーになると思うので、単純に興味がパッと出てくるのかはわからないなと自分でも思っていて。でも自分の中では“少しでもこの世界のことを知ってもらえたら”という気持ちがあるので、どんなきっかけでもいいので、ちょっとでも気になったら休みの日などに観てくれたら嬉しいなと思っています。よろしくお願いします」

と謙虚に語り、おどけたようなポージングで記者たちを笑わせると舞台を後にしました。質問に対し、時折記憶を辿るように深く考え込みながら答えていたラウールさん。その姿からは、現地での様々な経験や複雑な心境があったことが伝わってくるようでした。そんな等身大の彼が収まった『RAUL:ON THE RUNWAY』は、9月13日(土)朝10時よりPrime Videoで独占配信スタート。ぜひお見逃しなく。

舞台袖でのおちゃめな裏話も♡

取材会が始まる5分ほど前、会場ではカメラのホワイトバランスを調整するため、コピー用紙を手にしたスタッフが舞台に上がっていました。その様子を舞台袖から見ていたラウールさんが「自分でホワイトバランスを取りたいな」と言っていた、と司会者が明かすと、本人も「そうなんです。それで僕が(スタッフの代わりに)舞台に登場してきたら面白かったかな?って、迷ってたんです」と語り、会場の笑いを誘う場面も。気取らない一面をのぞかせ、アイドルらしい愛嬌も感じさせるラウールさんなのでした。

撮影/和佐田美奈子 取材・文/中村美貴 編集/CLASSY.編集部