菅野美穂さん「子育てに途中下車はない」全力で走るなかで決めているルール【映画『近畿地方のある場所について』に出演】

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俳優人生33年目を迎え、CLASSY.世代にとって〝働く女性〟の大先輩でもある、菅野美穂さん。公開中の映画『近畿地方のある場所について』ではオカルトライターの千紘役で、赤楚衛二さんと共演しています。今回は、アラサー世代の赤楚さんとの作品作りで新鮮だったこと、仕事と家庭を両立する中で大事にしていることを教えてもらいました。

Profile

1977年生まれ。埼玉県出身。1992年のデビュー以来、数多くのドラマや映画に出演。歌手としても活躍し、ジャンルを問わずに活躍。主な出演作は、2003年フジテレビ『大奥』、2007年日本テレビ『働きマン』、2021年日本テレビ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』、2023年テレビ朝日『ゆりあ先生の赤い糸』、2024年映画『ディア・ファミリー』など。私生活では、2人のお子さんのママ。

共演してわかった、穏やかな赤楚衛二さんの意外な一面

――映画『近畿地方のある場所について』では、行方不明になったオカルト雑誌の編集長を探す編集部員・小沢役の赤楚衛二さんと共演されています。CLASSY.読者と同世代でもある赤楚さんと一緒に作品に取り組まれて、新鮮だった部分はありますか?

赤楚さんは穏やかで優しくて、輪を大切にできる方、という印象を持ちました。きちんと現場に向き合っていて、監督の声に耳を傾けていらっしゃる態度も誠実。昔は、「台本は疑ってかかれ」っていう風潮があって、現場で議論を巻き起こしたほうが、作品にかけるエネルギーがあると見なされる一面もありました。

でも今は、そういう時代ではないですね。プロフェッショナルが考えて決定稿に仕上がっているのだから、俳優はそのセリフをどう表現するかを模索する。「このセリフ、言えないな」って思ってもまずは、発してみることが大事。今の若い方を見ていると、そういう姿勢を感じるし、受け入れ力も受け止め力も高い。柔軟なスタンスのほうが、自分にはない価値観がどんどん入ってくるんだろうな、と思いながら接していました。

――モキュメンタリーと劇映画が融合した本作ですが、劇映画パートは菅野さんと赤楚さんを中心に物語が展開していきます。徐々に2人のキャラクターが変化していくところも大きな見どころと思いますが、赤楚さんとの撮影中のやりとりで印象に残っていることはありますか?

赤楚さんは穏やかで訥々としていらっしゃるんですけど、筋トレ好きという面が意外でした。「今の俳優さんは、なんでジムに通うんだろう?」と疑問でしたが、プロテインを飲んでいたり、サウナ好きが多い現状を見ると、身体を動かすことが、忙しい中でのストレス解消やリフレッシュに繋がるのかもしれないですね。

仕事に追われて、絞り切った雑巾のようにカラカラになっていました

――菅野さんご自身も、20代から30代の頃、たくさんの作品に出演され続けていたと思います。目まぐるしい毎日の中で、キャリアや結婚にどう向き合っていましたか?

私は、母が30歳のときに産まれているので、自分が未婚のまま30歳を迎えたときは、びっくりしました(笑)。でも、当時は自分には仕事しかないと思っていたし、結婚も考えられなかった。キャリアについては、経験が増えて、自由になってきたと思いつつも、一方で絞り切った雑巾のようにカラカラだなと感じていたのも事実。台本をいただけて恵まれているけれど、休みたい。もっと準備時間があったら、違う演技ができたかも。そんな葛藤もありました。でも、より自由になっていく楽しさと、絞っても一滴も出ない苦しさ、両方抱えながらもがいたことで、自分のキャパが広がったと思っています。

育児して感じたのは「仕事を手放さないほうがいい」ということ

――お子さんが産まれてから、仕事観に変化はありましたか?

時間が限られてしまうので、必然的に仕事の量も限られました。そのぶん、ひとつひとつの仕事にしっかり対峙したいのに上手くコントロールできず、ヒリヒリしていましたね。子どもが寝た後にセリフを覚えようと思っても、なかなか寝てくれなくて、いつまで経っても覚えられない、みたいに、以前とは違う焦りもありました。でもその中で「焦っても続けたい仕事なんだ」と、再認識することもできた。

読者のみなさんの中には、既に結婚されている方も、この先の結婚や出産を考えている方もいらっしゃると思います。自分が経験して思うのは、育児が終わった後も人生は続くから、仕事を手放さないほうがいい、ということ。産後は体力が落ちている中、子どもに手がかかるし、必死で働いて保育園代を払っている感覚にもなりますが、今振り返ると、その時期って限定されるんですよね。その状況は、いずれ変わっていくから大丈夫。だから、やりたいことを選ぶ人生も大事なのかな。「やってする後悔よりも、しない後悔の方が残る」って言うじゃないですか。結婚や出産に縛られる気持ちもわかるし、私もやらない後悔は残るから、年長者としてそういう考え方はアリだと思います。とはいえ、子育てに途中下車はないから、今でもSLみたいに煙を撒き散らしながら、全力で走っている感じです(笑)。

――キャリアとご家庭を両立する中で、ご自身で決めているルールはありますか?

できるだけ、子どもが寝る時間には家にいようと思っています。でも、『近畿地方のある場所について』の撮影中は、夜も不在になることもあったし、習い事の時間が遅くなるとか、子どもの成長に伴って環境も変化します。仕事と家庭の両立には、柔軟さや臨機応変さが求められるから、そのときにできることのベストを尽くして、瞬間瞬間の積み重ねを大事にしています。

information

映画『近畿地方のある場所について』公開中
2023年1月、Web小説サイト「カクヨム」に第1話が投稿され、SNSを中心に話題を集めた、「近畿地方のある場所について」。「行方不明の友人を探しています」から始まる原作は、累計2300万PVを超えるヒットを記録し、8月には単行本化。発行部数70万部を突破するベストセラーがついに実写映画に。菅野美穂さん演じるオカルトライターの千紘と、赤楚衛二さん演じる雑誌編集者の小沢が不気味な謎を追うストーリーは、衝撃展開の連続。

タイトル:『近畿地方のある場所について』
原作:背筋「近畿地方のある場所について」(KADOKAWA)
出演:菅野美穂、赤楚衛二
監督:白石晃士
脚本:大石哲也 白石晃士
脚本協力:背筋
音楽:ゲイリー芦屋 重盛康平
主題歌:椎名林檎「白日のもと」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
配給:ワーナー・ブラザース映画
オフィシャル:公式サイト KINKI-MOVIE.JP/公式X @kinki₋movie
ハッシュタグ:#近畿地方のある場所について
コピーライト:©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会

ジャケット¥107,800 パンツ¥35,200<ともにアンスクリア> シャツ¥53,900〈セブリン〉 ベルト¥28,600※参考価格〈アトリエ アンボワーズ〉 シューズ¥64,900〈ペリーコ〉(すべてアマン) イヤカフ¥77,000イヤリング¥187,000リング〈左手人差し指〉¥341,000リング〈左手薬指〉¥264,000リング〈右手〉¥297,000 (すべてトーカティブ/トーカティブ 表参道)

【ショップリスト】
アマン 03-6805-0527 トーカティブ 表参道 03-6416-0559

撮影/河内彩 スタイリング/青木千加子 取材/坂本結香 編集/越知恭子