【鈴木亮平さん】まずは質より量、もう1人の自分を作るetc…4つのフレーズで紐解く「仕事論」
The post 【鈴木亮平さん】まずは質より量、もう1人の自分を作るetc…4つのフレーズで紐解く「仕事論」 appeared first on CLASSY.[クラッシィ].

国内外で数多くの作品に出演し、期待に応え続ける仕事人ぶりで、CLASSY.世代の憧れでもある俳優の鈴木亮平さん。俳優としてキャリアを重ねる中で経験したプレッシャーや失敗との向き合い方――。その仕事論についてお聞きしました。
◆あわせて読みたい
4つのフレーズから探る、鈴木亮平さんの仕事論。

1.プレッシャーは場数で越える
プレッシャーを感じたら、「プレッシャーがある仕事とない仕事、どっちがいい?」と自分に問いかけます。そうすると、もっとやりがいのある仕事に挑戦したい、という自分の意思の再確認ができて、「このプレッシャーこそ、自分が欲しかったもの」と言い聞かせることもできる。でも、そんなに上手くいかないですけどね(笑)。特に、NHK連続テレビ小説『花子とアン』、NHK大河ドラマ『西郷どん』、映画『シティーハンター』の3作品は、プレッシャーで押し潰されるかと思いました。プレッシャーって大体、結果が出る前に感じるもの。だから、未経験のところに踏み込もうとすると絶対に出てきますよね。だけど、何度もプレッシャーを乗り越えると、回避はできなくとも予測はできる。「あ、これは知ってるやつ」とか「あのとき上手くいかなかったけど、なんとかなった」とか。結局、場数なんですよね。最近、仕事の極意として「質より量」という言葉を聞いて、本当にそうだな、と実感しました。質は後からついてくるから、とにかく量をこなすことが大切。それは、自分のこれまでのキャリアを振り返っても言えることです。
2.育成ゲーム気分で自分を育てる
失敗したときに人は成長すると思っています。だから、凹んでいる自分と、もうひとりの自分を置いて、「この失敗がなかったら、成長がないでしょ」と説得します。5年後の自分が「あのときの失敗が、すごくいい経験でしたね」と言えているようなイメージを持って、僕はなんとか乗り切っている感じです。落ち込んでいる自分を俯瞰できる、もうひとりの自分を作ることは心掛けていますね。あとは、育成ゲーム気分で、自分というプレイヤーを育てる感覚で自分自身を見つめてみる。「ここで失敗して、からの〜」みたいに(笑)。その「からの〜」が重要じゃないですか。自分で自分を育てるという視点も意識しています。
3.演技は自分の中からしか生まれない
映画『花まんま』で演じた加藤俊樹は、関西弁ということもあり、自分のネイディブな言葉に近いので、より自然体で役に向き合えました。大多数の人が、自分の恥ずかしいところや未熟な部分をあまり周りに見せないように生きていますが、僕たちの仕事はカメラの前でそれを見せることだと自覚しています。特に今回の役の場合は、悪い部分まで全部さらけ出してこそ、お客さんの心を動かせると思ったので、その壁を取っ払うことを意識していました。客観的に見て、加藤俊樹って感じ悪いですよね(笑)。ずっと追いかけていると、いかに妹想いであるかが分かりますが、自分の自慢ばかりだし、面倒臭い人にも思える。仕事も真面目にしているし、愛情もあるんだけれども、そんなにいいところばかりじゃない。そういうところは、自分とちょっと似ているかもしれません。結局、表現は自分からしか生まれないので、誰かを演じるとなると、半分は自分であると考えています。
4.階段は、コツコツ上がればのぼれる
23歳でデビューしたときは、周りに同い年のスターがたくさんいて、20代は同世代の眩い人たちを上に見てきました。コンプレックスもあったし、「どうしたら、あの人たちみたいになれるだろう」と、自分と比べていましたね。今も世界中の同業者と自分を比べることがあるので、偉そうなことは言えないのですが、階段ってコツコツ上がるとのぼれるんですよね。人と比べて立ち止まっていても仕方ないし、人と比べたからって早く到達できるわけじゃない。自分にできるベストのペースで、一段一段のぼっていくと、見ている人は見てくれています。そこを信じて、環境のせいにせずに自分を高めることが、着実に理想に近づく一歩になると思います。
PROFILE
◼︎鈴木亮平さん
1983年生まれ。兵庫県出身。近年の出演作にドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」「下剋上球児」、映画『孤狼の血 [咲牧1]LEVEL2』『シティーハンター』など。映画『エゴイスト』で第78回毎日映画コンクール男優主演賞ほか数々の賞を受賞。
IMFOMATION

主演映画『花まんま』が公開中
両親を早くに亡くし、俊樹(鈴木亮平)は妹・フミ子(有村架純)と二人きりの兄妹として生きてきた。フミ子の結婚が決まったことを機に、ようやく肩の荷が下りるはずだったが、フミ子のある“秘密”がよみがえり…。
©2025「花まんま」製作委員会
配給:東映
撮影/西崎博哉(MOUSTACHE) ヘアメイク/Kaco(ADDICT_CASE) スタイリング/丸山 晃 取材/坂本結香 編集/越知恭子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2025年6月号「鈴木亮平さんが、職場の先輩だったら…!」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。