山口真由さん(41)保育園からの呼び出し電話に常にドキドキ「職場でも保育園でも、すみませんと謝ってばかりで」

不妊治療を経験して39歳で出産された山口さん。仕事をしながらの不妊治療は大変なこともあったとか。現在は1児のママとして育児に奮闘中。仕事と育児のバランスについてお聞きしました。

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山口真由さんplofile

1983年生まれ、北海道出身。東京大学に入学し在学中3年生で司法試験に合格。4年生の時には国家公務員1種試験に合格。大学卒業後、2006年財務省に入省。2008年に財務省を退官後は弁護士として大手法律事務所に勤務。その後ハーバード大学ロースクールに留学。2017年ニューヨーク州弁護士登録。2020年東京大学大学院博士課程修了。現在は信州大学特任教授に就任。テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」などコメンテーターとしても活躍。

待合室で抱いた「自分には価値がない」という想い

STORY編集部ーー妊活を経て、39歳のときにご出産されていますが、そのご経験についてお聞かせいただけますか。

私は不妊治療がすごく長くて、なかなか子どもを授かれませんでした。仕事をしながら治療をしていたので、仕事のスケジュールにも影響したこともあって大変でした。この日にクリニックに来てくださいと言われても、講演が入っていてこの時間には空港に行かなくてはいけないんですとか。そうすると「この周期は流しますか」と言われてメンタルが落ちてしまうこともありました。

病院の待合室でまっているときも20代の方がいると若い方がきっと妊娠率が高いから自分は価値がないと思うようになって辛くなることもありました。そんな時に私は仕事をしていたのでメンタルを保てたのかもしれません。仕事なら「自分の価値がある」と思うことができていたので、治療に集中しすぎないでいられたのだと思います。

仕事があるからこそ保てている、育児中の心のバランス

ーー子育てを経験されて、考え方や価値観に変化はありましたか?

ものすごく変わりました。もともと子どもはあまり好きではなかったのですが、産んでみたらすごく可愛いと思うようになりました。ただ、よく仕事の復帰が早かったねと言われるのですが、私の場合は仕事をしている方が子育てとのバランスがとれると思っています。

一緒に遊んでいるのも楽しいのですが、保育園に送って仕事を始めてコーヒーを飲んでいるときにほっとします。私の場合、大人と話す時間も大事だなと思います。すごいキャリアを持った友人がいるのですが、彼女は子どもが3歳になるまでは、全ての成長を自分で見届けたいと言って言って育休を取っています。それもすごく尊敬しています。育児が始まってみないとわからなかったのですが、私の場合は仕事もしている方が向いていると感じました。子育て一本に向き合えるかどうかは、向き不向きがあるのだと思います。

はじめは子どもにご飯を食べさせていると栄養が偏ってないか気になったり、この時間までに靴下を履かせなくてはとか、この時間までにお風呂に入れなきゃとか私がピリピリしていたのですが、そのうち子どももピリピリしてきてしまって…。ちゃんとできていなくても「まぁ別にいいかぁ」と思うようになったらすごく楽になりました。子育てをしていると、いつ子どもが病気になって保育園から呼び出されるかドキドキしています。生放送や会議の時はすぐに行けない時もあるので、職場でも「すみません」、保育園でも「すみません」と謝ってばかりです。これまで以上に母親である自分がが病気にならないように気をけつるようになりましたね。

ーー子育てをされる中で、日々心掛けていらっしゃることはございますか?

私が小さい頃は母が生活のリズムを絶対崩さないというのをやってくれていました。ご飯を食べる時間、寝る時間が決まっていたので心身ともに健康に育ったのだと思っています。受験はある程度の体力が必要だと思うので大事なことですよね。あとは母は自身が自分が決めたルールを基本的に動かさなくて、例えば再配達を頼んだら何があっても絶対にその時間に帰っていようとする人なんです。なので、私もご飯が終ったら必ず勉強するとルールを決めてやっていたのですが、母に影響されていたかもしれません。

親から勉強をしなさいと言われたことはないんです。自分が受けた模試を母も一緒にやって「私の方が真由より点数がいいんだけど」と言われると、悔しくて勉強しなさいと言われるより奮起できました。うちの子はまだ小さいのですが、母が自分にしてくれたように生活リズムを一定に保つというのはやっています。

また、全てをひとりで抱え込むのではなく、子どもに合う環境や、信頼できる人を選んだら、預けるというのも必要だと思います。親はプレイヤーじゃなくてマネージャー的な視点でいるのも大事かなと。高学歴のママは自分がこれくらいできるから、子どももこれくらいできるはずだと思って子どもを追い詰めてしまっているのをよく見ます。受験が親の代理戦争になっていたりもしますよね。子どもは自分とは別の人格なんだということを忘れないようにしないといけないなと思っています。

 

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撮影/浜村菜月 メイク/杉野かな スタイリスト/ポーランド美香 取材/山崎智子

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