【大阪・関西万博】便利な時代にこそ、リアルな声を。【カルティエのウーマンズ パビリオン】が照らす対話の力

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4月13日に開幕した「EXPO2025大阪・関西万博」。その会場内にあるウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier では、6月9日から22日までの2週間「SHAPING THE WORLD TOGETHER」をテーマに、カルティエ インターナショナル主催の「WA ダイアローグ」が開催されました。一男一女の母でもあるSTORYライターが、6月16日に行われた2セッションに参加。これまで関心が薄かったテーマも、一気に身近な問題として捉えられるように。人とつながるリアルイベントの力を、改めて実感する貴重な体験となりました。

「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」とは

「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」は、EXPO2025大阪・関西万博に設置された、“ジェンダー平等”と“持続可能性”をテーマにしたパビリオンで、カルティエと内閣府、経済産業省と博覧会協会が共同で出展している。

ウーマンズ パビリオンの中にある「WA」スペースでは、連日イベントが開催され、世界各国から集まったリーダーや活動家、専門家たちが、ジェンダーや地球の未来について語り合い、参加者と一緒に考える場です。“和(WA)=調和・つながり”の精神を大切にしながら、リアルな声にふれ、共感し、行動のヒントを得られる時間として注目を集めています。

「娘にはどう伝える?」父親の悩みに、私自身も立ち止まった瞬間

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まず最初に参加したのは、タレントのSHELLYさんと、慶應義塾大学教授で大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンプロデューサーでもある宮田裕章氏による対談。「ジェンダーバイアスを打破する:アートとメディアで平等な社会をデザイン」をテーマにセッションが繰り広げられました。

宮田氏は、ジェンダーバイアスにおいても「言葉だけで共感するのは難しい場合もあり、それが時に笑いであったり、美しさであったり、アートを通して共感することが万博の意義」と語り、アートがもたらす共感の力について触れました。また、SHELLYさんは子育てにおいて大切にしているものとして「共感力」と「想像力」を挙げ、相手の立場に立って考える姿勢の重要性を語りました。

セッション全体を通して、違和感のあるものに対して排斥するのではなく、他者と向き合い、多様性を受け入れることの大切さが語られ、“共感力”と“想像力”がよりよい社会づくりの鍵であることが浮き彫りになりました。

対談後の参加者による質疑応答の時間。ある参加男性の、「3人の子どもの父親ですが、息子には性教育の話ができても、娘にはどう伝えてよいかわからず悩んでいる」という、率直でリアルな問いかけがありました。その場にいた誰もが、自分ごととして考え始め、その空気管を肌で感じられました。我が家にも息子と娘がいますが、娘に対しては夫がどうしても気を遣いがちで、デリケートな話題は“母親である私が担うもの”という役割分担が、知らず知らずのうちに当たり前になっていたのだと改めて実感しました。帰宅後、早速家族でこのことについて話し合う時間を持つことができ、小さな一歩かもしれませんが、確実に意識の変化につながったと感じています。

イギリスの孤独担当大臣、ジンバブエの“フレンドシップベンチ”に見る、世界の“孤独”対策

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二つ目に参加した対談のテーマは「人間関係の本質:つながりがもたらす永続的な価値とは」でした。ウーマンズ パビリオン内の展示 「YOUR HAND」に登場する作家のJJ・ボラ氏による詩の朗読で始まり、JJ・ボラ氏と「THREE WOMEN」のショートフィルムを手掛けた映画監督の河瀨直美氏が、 その半生と創作活動の中で、いかに人とのつながりを培ってきたのかを振り返りました。社会での孤独感は日本に限らず世界でも問題視されています。イギリスでは世界で初めて孤立担当大臣を設置、ジンバブエではフレンドシップベンチを設け、対面で話すことの大切さを推奨するなど、社会での孤独感が深まるにつれ、リアルな人と人とのつながりの必要性がこれまで以上に切実なものになってきているということを痛感したセッションでした。

心をほどくきっかけは、意外と小さな“つながりの種”から

異なるテーマで繰り広げられた2セッションですが、どちらにも共通して感じたのは“つながる”ことの大切さ。共働きの家庭が増え、親子間や夫婦間での会話が減ったり、SNSが普及したことで便利になった反面、リアルに言葉を交わすことが希薄になったと感じている方も少なくないはず。ただ、今回のセッションを通じて、「つながりの種」は意外とあちこちに在るということ。それに気づいて拾うのか、あるいは気づいてはいるけど見過ごしてしまうかによって、大きく変わってくるということです。ほんの少しの行動——たとえば、不安や悩みを誰かと共有する——だけで、心が軽くなることがあります。そうした「ワンアクション」が、思いのほか大きな意味を持つと実感できた時間になりました。

取材/田中幸恵

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