元プロサッカー選手・大久保嘉人さんの妻、莉瑛さんが4人の男の子を育てる中で感じていることとは

少子化時代と言われて久しい今日。そんな中で、たくさんの子どもたちに囲まれて、元気に楽しく大家族を切り盛りしている母がいます。苦労も大変さもありながら、家族も自分も大切に生きる彼女たちの、ライフスタイルや心の持ち方について取材してきました。

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大久保莉瑛さん 40歳・神奈川県在住
ベトレーセサッカースクール運営

 

私が大病した時の男子たちの
団結力には、とても励まされました

莉瑛さんが、元サッカー選手・大久保嘉人さんと、高校時代からの交際を経て結婚したのは’04年、21歳のとき。

「彼がスペインのチームに移籍したのをきっかけに結婚し、その後すぐ長男を出産しました。昔から子どもが大好き。長男ほどかわいい子は生まれないのではないかと思い、第2子は少し間を空けたのですが、2人目が生まれてみるとまたかわいい。ひとりにかける愛情が減るのではなく、倍に増えるんだと実感して、3男を出産しました」。

次はぜひ女の子をと妊娠しましたが、胞状奇胎で流産。合併症があり、抗がん剤治療が必要になりました。「夫に連絡すると、練習後、坊主頭で帰ってきたんです」。治療の副作用で莉瑛さんの髪が抜けると聞いた嘉人さんは、少しでも励ましになるようにと髪を刈ったのです。子どもたちにも坊主にしようと誘い、お風呂場でカット大会が始まりました。

「スーパーのビニール袋を首に巻いて順番に。その姿が本当にかわいくて、おかしくて、みんなで笑い転げました。おかげで頑張れたし、嫌な思い出でなく、いい思い出として残ったのはありがたかったです」。

その1年後、無事第4子を出産。「妊娠を告げると、妹だ!って大盛り上がり。ところが、また男の子だとわかって全員大爆笑でした」。

’22年、大阪のチームへの嘉人さんの移籍が決まりました。「夫はすごく寂しがりやで、静岡のチームにいたときも、長時間かけて家まで帰ってきていました。子どもたちも、パパがひとり暮らしは絶対に無理と心配して。家族で引っ越したいところですが、子どもの学校やサッカーもあるので付いていくわけにもいかず。そんなときに、『僕が行くよ』って手を挙げたのが3男でした」。

家では一切家事をしない嘉人さんでしたが、大阪で3男と2人暮らしになると、早朝からキャラ弁を作ったり、洗濯したりと、仕事も家事も子育ても相当頑張ってくれたそうです。

「でも、横浜に帰ってきたら、全然手伝ってくれないんですよ。『アイスを食べた』『食べない』みたいなことで、子どもと本気でケンカをするし。5人兄弟状態に逆戻りです」。女の子がほしい気持ちもありますが「個々の成長に合わせて向き合いたいと思うと手が回らない。迷い中です」

息子が4人!

大久保家の5兄弟!?「人に言われると夫はムキになって怒ります(笑)」
抗がん剤治療の前に、全員で坊主になってくれたとき。
わが子を通わせたい理想のサッカーチームを作りたくて、九州でスクールを運営中です。
男子4人の子育ては真剣勝負。いつも怒鳴っているという莉瑛さん。
性格を見極めて向き合い、食事も好みに合わせて作り分け、サッカーチームも各自に合うところにと気を配っています。

 

<編集後記>菩薩のように愛に満ちた肝っ玉母さんでした

合のお米を1日2回土鍋で炊き、サッカーの練習に合わせて全員違う時間に夕食を用意。家族への愛があふれ出ていました。長男は春にサッカー留学を控えているそう。「口に出して伝えたいことがあるけれど、なかなかちゃんと向き合えるタイミングがなくて」と。こんなお母さんに育てられた子どもたちは本当に幸せだなって思いました!(ライター 秋元恵美)

撮影/BOCO  取材/秋元恵美 ※情報は2024年3号掲載時のものです。

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