女優・香椎由宇さんが考える自立した子育て「親子ゲンカも、お母さん店じまいで強制終了」

「子育てにおいては、いまだにジタバタしているんです」。何でも即断即決で自己解決型だと自負する女優・香椎由宇さんも、子育てにおいては思い悩みスパイラルに陥ることも。日常生活の中で子育てに悩んだ時の発散法や、ふとした隙間時間を自分のために有意義に過ごすちょっとした秘訣を教えていただきました。(全3回の3回目)

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お話を伺ったのは……女優・香椎由宇さん(36歳)

《プロフィール》

1987年2月16日生まれ、神奈川県出身。小学6年間をシンガポールで過ごした帰国子女。映画『リンダ リンダ リンダ』、ドラマ「ウォーターボーイズ」「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」「有閑倶楽部」など、多数の話題作に出演。2022年4月にドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」で約8年半ぶりに連続ドラマにレギュラー出演。

やらなきゃいけないことを書いた付箋で冷蔵庫はびっしり!

子供が生まれてからは育児最優先になりました。当たり前ですが、仕事の仕方や時間の配分はガラッと変わりましたね。好きな時間に台本を読むことはもちろん、そもそも自分の時間というものがなくなってきているのが現状です。

結婚生活と同じで、育児においてもルールは全くないですね。もう毎日が行き当たりばったり!一時期、体にいいからと思って料理できのこばかり使ってしまい、今や息子たちはきのこ嫌いに。ブツブツ言うものだから「黙って食べなさい!」とちょっと注意しました(笑)。もはや完璧になんてできないって、わかっていますから。「今日は納豆ご飯でもいい?」って日もあるし、「あ、牛乳買い忘れた!」なんてしょっちゅうです。

あまりにも忙しくてどんどん忘れていっちゃうので、「やらなきゃいけないこと」は付箋に書いてベタベタ冷蔵庫に貼っています。もう、びっしり!その付箋とは別に「やりたいこと」はノートに書いているんです。「やらなきゃいけないこと」と「やりたいこと」ってモチベーションが全然違いますよね。やらなきゃいけないことの激動の中で、ふと自由な時間がぽっとできた時、「私、何をやりたかったんだっけ?」と、意外と思い出せないことがありませんか?結構そういうことがあるので、それに備えて書いているんですよ。
内容と言えば、美容院、ネイル、ヘッドマッサージ…とかですね。何でもないことのように思えるけれど、実はどれもすごく贅沢なことだと思います。だって、お店がやっている時間に自分の予定を入れられるんですから!そうやって、いつやってくるかわからない自由な時間を楽しみにしつつ、やらなきゃいけないことと折り合いをつけています。結構オススメですよ。

「お母さん、閉店!」息子たちとの喧嘩は強制終了しちゃいます

家のことや育児で自分の時間がなくても、私はさほど苦ではないですね。私の最優先は1も2もなく、睡眠。睡眠時間さえ確保されていればOK!何でも寝て忘れちゃうので、やりたいことができなくても「ま、いっか」と思えるんです。おおらか?そうですね、もしかしたらそうかもしれません(笑)。

息子たちと喧嘩が始まりそうになる時も「もう寝ます。お母さん終了です。閉店!」って、店じまいを堂々と宣言。朝起きればスッキリしちゃうので「おはよ!」と、私はいつも通りに接しているんですが、息子たちはなんだか「う、うん…」とバツが悪そうにしています。普段から「うわ、そういうのダサい!カッコ悪いよ!」と容赦なく言っているので、感情的になったことを翌日に持ち越していることに、幼いながらにカッコ悪さを感じているんでしょうね。

息子たちとは「友達親子」ではなく、お互いに対等でありたい

当たり前なことではありますが、子供と私は別人格だなと思います。何気なく言ったことでも「え、そう受け取るんだ!」と驚くこともしばしば。息子たちから学ぶことも本当に多いんです。現代の音楽だったり情報だったり言語だったり。突然、13歳の長男に「草」と言われた時には内心「ええっ!?」とびっくりしましたが、それは表情には出さず「ああ、はいはい草ね。知ってますけど?」と、しれっと対応しました(笑)。

私自身が子供の時から芸能の仕事をしていたせいか、子供扱いされるのがすごく嫌だったんです。ちゃんと対等に扱ってほしいという気持ちが強かった。だからこそ、自分が子育てをしている今、息子たちの意思は尊重したいなと思っています。過干渉だったり、いわゆる友達親子のようなベタベタした関係ではなくて、ちゃんと引くべき線は引くというか。
でも、私のやり方が息子たちに本当に合っているのかはわかりません。もしかしたら、もっと子供扱いしてあげたほうがいいのかもしれない。意思を尊重して「今ここで失敗しておいてほしい」って思いながらも、親としては失敗してほしくない、だけどここで失敗しておかないと…というループにはよく陥ります。

長男と将来のことを話すことがあるんですが「お母さんはどうしてほしいの?」と訊かれたことがあって。「結論は自分の責任で出してちょうだい」と言いつつ、もうちょっと何かアドバイスすべき?と思ったり。子育てって本当に難しいなと思います。将来、「これで良かったんだ」と思えればいいですけれど、それがいつになるのか、息子たちが成人した頃なのかどうか…先はまだまだ見えないですね。

何が正解かはわからないけれど、ひとつだけ確たる思いがあります。それは、しかるべき時にちゃんと子供を「送り出し」できる親でありたい、ということ。息子たちにはなるべく早く自立して、責任を持って行動できる大人になってほしいと願っています。私が若い頃のように「家を早く出たい!」って言ったら?もう、どうぞ、どうぞ!と言ってあげたいですね。

《衣装クレジット》

ニット¥50,600(プント ドーロ/ブランドニュース)ピアス¥60,500〈片耳〉(MASANA)イヤカフ¥33,000(ドゥエドンネ)リング¥231,000(ベルシオラ)

《お問い合わせ先》

ブランドニュース(プント ドーロ) ☎03-3797-3673
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撮影/福永俊樹 ヘア・メーク/坂本志穂 スタイリスト/後藤仁子 取材/キッカワ皆樹 編集/永見理

美ST