女優・白石聖さん「人との距離感を保つこと、興味がないものに無理に手を出さないことは、心地よく生きる私なりの処世術」特別インタビュー

「白い背景に白い服で髪の色が浮いて見えるので、縛ったほうがいいですか?」と提案してくれた白石さん。「カッコいい白石さんを撮影したい」という意図を汲んで主体的に取り組む姿勢は、インタビューでも伝わってきました。自分のペースを崩さずに仕事する方法は、私たちの参考にもなりそうです。

人との距離感を保つこと、興味のないことには無理に手を出さないこと。フラットでいることでWell-beingを保っています

シャツ¥49,500パンツ¥4

シャツ¥49,500パンツ¥49,500(べレック/タク&コー)シューズ¥103,400(ジミー チュウ)リング¥18,700(シャルロット ウーニング/フラッパーズ)ピアス¥23,100(メラキ)

その時々で風向きも変わるから、悩みすぎない

仕事で大きく挫折したことはまだないのですが、自分がやりたいこととのギャップに悩むことはあります。24歳の今だからできる等身大の役も演じたいですし、もうちょっと繊細な部分を表現する役にも出会いたいと思ったり。同世代の役者さんを見て「こういう役いいな」って比べてしまうこともあります。でも、悩んでも仕方ないので。今できることをやるしかない。その時々で風向きもあるからいただける仕事に感謝して、真摯に向き合うようにしています。

人に干渉しすぎないことでウェルビーイングを保っています

自分で自分の性格を分析すると、良くも悪くも人に興味がないタイプだと思います。だから大先輩に囲まれるような現場でも「飄々としてる」と言われることが多いです。もちろん仲がいい友人たちもいますが、グループ行動は苦手で学生の頃から人間関係は広く浅く派でした。特定の誰かとずっと仲がいいというよりは、いろんな人と満遍なく、干渉しすぎずに接していたかもしれません。中高時代から同級生たちはインスタをしていましたが、私はしていなくて。

インスタ映えという言葉が流行ったときも、写真を撮る習慣がない私は記録用にサクッと撮る感じで。パンケーキ食べに行っても一人だけ先に食べ始めちゃう、みたいな(笑)。写真を撮って映えて発信して、ということに興味がなかったですね。やっと公式インスタを始めたのは2年前。今も何が映えるのかわからないです(笑)。

人との距離感を保つこと、興味がないものに無理に手を出さないことは、心地よく生きる私なりの処世術かもしれません。

自分にはこまめにご褒美をあげるタイプです

私は意識しないと、〝仕事だけ〞になってしまうタイプなので、愛猫に癒されたり、定期的に友達と会う時間は大切にしています。『絶対正義』の頃は割と仕事だけのスタンスで、このまま続けると自分の引き出しがなくなりそうな気がしていました。自分がここまで熱中して作品に携われるのはうれしかったのですが、インプットとアウトプットのバランスが崩れているな、とも感じていて。芝居を通じてアウトプットばかりしていると乾いてしまうので、プライベートでは癒されるものや好きなものに触れるようにしています。

自分にご褒美もよくあげます。美味しいごはんを食べに行ったり、陶芸をしたり、今も新しい趣味を見つけるためにピラティスを始めようとしていたり…。自分の機嫌は自分で取れるように、常にいいなと思えるものを探しています。私の場合はご褒美を与えすぎな気もしますが(笑)、それで気持ちが上がったり、いいパフォーマンスが発揮できるならいいんじゃないかなと思っています。

白石 聖さん
1998年生まれ。神奈川県出身。2016年デビュー。その後、BSスカパー!「I”s」では、ヒロインを演じた。2019年にはフジテレビ「絶対正義」に出演。同作での演技が評価され、第15回「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」新人賞を受賞。近々では、NHK「大奥」、テレビ東京「とりあえずカンパイしませんか?」、フジテレビ「合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜」など数多くの作品で活躍。俳優業にとどまらず、ナレーションや美容雑誌のモデルも務める。

12歳から一緒に暮らす愛猫・モ

12歳から一緒に暮らす愛猫・モウちゃんが癒し
まだ生まれたての赤ちゃんだったモウちゃんと出会ったのは、12歳の頃。そこからずっと一緒で、人生の半分はともに過ごしているので、自分の生活の中に猫がいないのは想像できません。彼がいてくれるだけでヒーリング効果絶大なのですが、特にお腹を見せて寝ている姿は、愛らしくて癒されます。人懐こく好奇心旺盛な性格で、お気に入りのボールを投げると、咥えて持ってきてくれます。

撮影/酒井貴生〈aosora〉 ヘアメーク/高橋里帆〈HappyStar〉 スタイリング/早川すみれ 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc