スーパーサイズミー・西本たけるさん「お笑いを始めたのは、朝の情報番組のMCになりたかったから」!?
インスタグラムやTikTokでバズり中のネタ「私服のセンスが中2で止まってる彼氏」シリーズなどで知られるお笑い芸人・西本たけるさん(スーパーサイズ・ミー)。大河ドラマへの出演を経て、今見据えているものは? 等身大の今の気持ちを教えてもらいました。
◆前回のインタビューはこちら
「この仕事で絶対に成功したい」気負いすぎてうまくいかなかった仕事とは?
-西本さんがお仕事に取り組む上で大事にしているという“無理しない”姿勢。そのスタンスに行き着くまでにどのような過程があったのでしょうか?
どうしても目上の人やお笑い界のレジェンドみたいな方々が目の前にいると、よく見られようとしちゃうんですよ。特にお笑いの世界って、よく見られなきゃいけないし、面白いって思われなきゃいけないから、めちゃくちゃ肩に力が入るんです。でもそれが結局、空回りのきっかけになっちゃっていて。それに気付いて、「無理はやめよう」って思いました。
具体的には、今年の頭に『ガキ使』に出させてもらったんですけど、舞台袖でめちゃくちゃ緊張してるなって思ったんです。「このまま出るのヤバイな」と思いながらも、その気持ちのまま出演しちゃって。オンエアを見たら案の定ガチガチで(笑)。友達からも「吐きそうになってたね!(笑)」みたいな連絡がめっちゃきて。ダウンタウンさんは優しいので、僕を見てめちゃくちゃ緊張しているなって思ったとしても、それを笑いに変えてくださるんですけど。でもその時、自分自身では「やっぱり無理してるとダメだな」って強く感じたんですよね。「この仕事で、この目の前のチャンスで絶対に成功したい」って気負うのもよくないなって。
「あれしたい」「これしたい」ではなく、目の前のことを着実に進めていきたい
-気負いすぎないほうが、チャンスが広がっていく感じですか?
それこそ大河で売れよう!とか、危険ですよね(笑)。いただいたことはありがたいから全力で迷惑かけないようにやるけど、「この仕事で頂点まで登ってやる!」って思いすぎないようにしてます。お笑いの世界に入って1年目から5年目くらいまでは、どこにチャンスが転がってるかわからないから、全てのことに力が入りすぎていて。今目の前にあるこのチャンスで成り上がってやろうって思いすぎてましたね。
それでチャンスが広がるかどうかは正直わからないんですけど、僕の性格上、気張るとダメだってのがわかったので、そうしないようにしていこうと決めました。大河ドラマに出演させていただいたことで「次またドラマ来るんじゃない?」とか「これからは役者で行くの?」とか言っていただくこともあるんですけど、僕自身は「次あれしたい! 次これしたい!」とは全然思っていなくて。トリオでネタに集中しながら、やれることをやっていこう、っていうスタンスなんです。
朝の情報番組のMCになりたくて…お笑い芸人を目指した意外な理由
-では、西本さんが憧れている人や、目標にしている人はいますか?
憧れている人や目指している人、いっぱいいます。目指していることでいうと、これ言うとよく笑われるんですけど…僕は朝の情報番組のMCをやりたくて芸人になったんですよ。加藤(浩次)さんと川島(明)さんみたいに。なので、毎日平日の朝一番に「おはようございます」ってテレビで言えている自分がいたら、それがゴールだなって気持ちでやってます。
-お笑いよりも、朝の情報番組が目標なんですね。
学生の頃からイベントの司会やMCみたいなことを結構やってたんです。だから、毎朝平日にいろいろなゲストを迎えつつ、番組を成り立たせている朝の情報番組のMCってすごいなって感じていて。自分の中で頂点はそこだな、チャレンジしたいなって思っています。そこに向かっていくひとつの道として、お笑いをやっているんですよね。まわりの芸人たちは、僕らの世代だと爆笑オンエアバトルとかレッドカーペットとかを見て芸人を目指したって人がほとんどなのに、僕は全然違っていて。今はキングオブコントで優勝したいって強く思って日々ネタ作りに励んでますけど、結局は朝の情報番組のMCに向かうための手段なのかもしれないです(笑)。先輩方には「そんなやつおらへんわ!」って笑われてますけどね。
ガラガラの会場でもモチベーションは変えない。そこに込めた思いとは?
-朝の顔を目指す西本さんが、自分も周りもハッピーに毎日を過ごすために心がけていることはありますか?
自分のことを悪くいう人とは距離をとるようにするようにしていますね。これは褒めてくれる人ばかりで周りを固めたいということではなくて、時間が大切だからこそ、自分の気分を害することを減らしたほうがいいっていうことです。その分自分も、発言に気をつけたりとか、周りの人を不快にさせないように心がけています。あとは、現場やお客さんの数のような周囲の要素で、自分のやる気を左右しないこと。劇場でライブをやっていると、パンパンに人の入った大きい会場もあれば、ガラガラの小さい会場の時もあって。でも、どんな状況でもお客さんが僕たちを見るためにお金を支払ってくれていることは変わらないから、そこでモチベーションを左右しないように意識しています。そういう周りへの思いやりが、ゆくゆくは自分に返ってくるかなって思ったりもしますね。
あとは…僕、周りからもよく言われるんですけど、めちゃくちゃ明るいんですよ。よしもとの社員さんにも「西本さんって芸人さんなのに明るいですね」って言われていて。お笑い界って「明るいやつは面白くない」っていう昔からのジンクスみたいなのがあるので、自分自身の性格が明るいことにコンプレックスを感じたりもしていたんです。でも、最近はそれを気にしないようにしていて。気にしない! これも結構大事なことだなって感じています。
PROFILE
西本たける(にしもとたける)●1991年1月15日生まれ、神奈川県出身。吉本興業所属。キングオブコント2022にて準々決勝へ進出したお笑いトリオ「スーパーサイズ・ミー」のメンバー。毎週木曜日22:00からインスタライブを放送中。
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撮影/千葉タイチ 取材・構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)