青木裕子さん「読み聞かせはあえて淡々と読むことも」

撮影/須藤敬一

2度の小学校受験を経て、この春、下のお子さんも小学校に入学。子育ての階段を一つのぼった青木裕子さんが、実体験からママたちにエールを送ってくれました!子育てについて、しっかりと深く向き合い、いつも全力で取り組む姿に励まされる!という読者も多い青木裕子さん。習い事、読み聞かせなど、気になる子育て事情も聞かせてくれました。

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――いつも一生懸命子育てに取り組んでいる印象の青木さんですが、自分の中で「かまへん!」マインドで乗り切ることってありますか?

もしかしたら今までのかまへんエピソードとは真逆をいってしまうかもしれないのですが、私から言えるのは、「今は子育てに一生懸命だってかまへん!」です。最近は、子育てしながらもお仕事もしっかりされている方が増えてきて、私ももうちょっと何かと両立させた方がいいのかな?なんて思うこともあります。でも、どうしても気持ちが子育て優先になってしまって、周りを見て焦ってしまうことも。幸い、私の周りには子育て好きなママもたくさんいて、「子どものために一生懸命になれるこんな時期があってもいいよね!」って言えることに救われています。働いてキラキラしている人って素敵に見えるし、働いている方に向けたメッセージが世の中に溢れているけど、子育てを優先している母親が肩身が狭いと感じているのは少し悲しい。私のように手を抜けない性格とか、考えすぎちゃう性格で(仕事との両立が難しくて)もいい!って言ってもらいたいです(笑)。生き方はそれぞれでいいですよね!
そしてもう一つは「自分の子がほかの子より何かができなくてもかまへん!」。このメンタルはとっても大切だと思います。「あの子、漢字まで読めるんだって!」と耳にすると、やっぱり一瞬焦ったりするけど、そんなに振り回されなくてもいいのかなって。やっぱりやっておけば良かったって思うときが来るのかもしれないですけど(笑)、現時点では我が家はそこに関しては「かまへん!」です。

 

――その考えに至るまでに青木さんが感銘を受けた本や育児法などがあったら教えてください。

本もそうですが、今はネットでさまざまな記事を読むこともできますし、小学校受験のときにも、いろんな方の教育論などを聞かせてもらう機会に恵まれました。その中でも、京都大学教授であり認知科学者の明和政子先生が発信される内容がすごく好きです。なかでも『ヒトの発達の謎を解く―胎児期から人類の未来まで』(ちくま新書)という本がおもしろいです。先生は、子育て論というよりは、ヒトや子どもの発達などについて研究されて、親だけでなく社会で子育てすることなどを提唱している方で、とても影響を受けました。
あとは、幼稚園の先生やママ友とも教育について話すことが多いです。自分も良いと思った情報はシェアしたいと思いますし、いろんな方の意見も聞きたいと思っています。たとえば、私は英語教育にはあまり興味がなかったのですが、教えてもらって楽しそう!と思ったことでサマースクールに参加したことがありました。私は自分の人生しか生きてないから、なにか解決しようと思っても私の経験でしか判断できない。いろんな人の意見を聞くと発見も多いので、絶対これが正しい!と思わず、特に子育てに関しては食わず嫌いにならないように意識しています。

――青木さんがおうちで本の読み聞かせをするときに気を付けていることはありますか?

読み聞かせって、考え方や工夫の方法がすごくたくさんありますよね。小さいときは集中させるために抑揚をつけたり、声色を変えたりしましたが、そうすると逆に親の感情が乗りすぎちゃう気がします。「ここは嬉しいところだよ」「これは悲しいね」って。せっかく毎日読み聞かせるんだったら、毎回違う読み方で工夫をするのも良いかなと思っていて、あえて淡々と読んで子どもが感じるままに任せてみるとか、私もいろいろ試してみています。あとは、文章を端折らないことは気を付けています。子どもがまだ知らないであろう言葉を、わかりやすい言葉に変えたくなる気持ちもわかりますが、あえてそのまま読みます。読み聞かせは、本の内容をわかりやすく伝えるだけが目的じゃないと思うんです。音の楽しさだったり、新しい表現に出合ったり、そういうところも含めて絵本だと思っています。最近は子どもたちの年齢が上がってきたので、絵本を読み聞かせるというよりは、『エルマーのぼうけん』などを、数回に分けて読んだりもしています。

――淡々と読むってありなんですね! 話が変わるのですが、お子さんの習い事はどうやって決めましたか?お兄ちゃんはサッカーをしていると伺いましたが、パパの影響ですか?

最初は、たしかにパパの影響もあったのかもしれません。でもあくまで習い事の一つで、水泳もやっていたし、他のこともやっていました。それがいつの間にか本人がサッカーにハマって、今は週4通っています。次男は同じくらいのペースで空手をやっています。次男もサッカーを見に行って体験もしたし、長男も空手の体験をしたんですが、それぞれ好みが違ったようで、最終的に本人がやりたいと言ったことをやらせています。私、正直あまりサッカーは詳しくないんです(笑)。夫がサッカー好きなのは知られているけど、選手なわけではないので、サッカーに向いている遺伝子ってわけではないでしょうし、注目だけされてしまったりしたら……と心配もあります。だけどやっぱり本人がやりたいというので、だったら応援しよう!と思っています。パパと一緒に行くと「あのパス良かったよ!」とか、具体的に褒めてくれるようで、それは嬉しいみたいですね。

 

――自分で見つけて「これがやりたい!」って言ってくれるのは、親としても嬉しいですよね!

嬉しいですね。なにか一つに打ち込んでほしいという思いは前からあったから、好きなことができたのは嬉しいんですが、その半面、複雑な気持ちや葛藤もあります。やるからには一生懸命練習してほしいという気持ちとは裏腹に「こればっかりやっていて大丈夫かな?」と思ったりもして。息子も「コツコツ練習するのが意外と好き!」と言ったと思ったら、練習を嫌がる日もあり、私がイラッとしてしまい「だったらやめればいいじゃない」なんてことになる日も……。それに低学年で打ち込むことを一つに絞ってしまうのは早すぎないかな?という思いもあって、「違うスポーツも見てみたら?」と聞いたら、「野球もやりたい!」だそうです(笑)。でもユニフォームや道具を揃えたのに土日に試合が重なって、やっぱり無理だからやめるともなりかねないので、試合などはないところを探して、いろんな経験をさせてあげられたらと思っています。

――習い事をはじめ、子育てや教育についてはパパも同じ意見で、同じモチベーションなんですか?

正直……今でもやっぱりちょっと不満はありますよ、心の中には。夫は子育てに関して能動的に動くタイプではないのですが、誘えば来ます(笑)。自分から「こういうことを子どもと一緒にやりたい」とかはないので、なんでだろう?寂しいな……と思った時期もあるけど、今は「まあ、そういう人もいるんだな」って思えるようになってきましたね。長男の受験前に、いろんな体験したりしよう!という家族の目標みたいなものができたのですが、実際は私が動かないとこの家は誰も動かない!と気付きました。それからは期待しすぎないようにしていますね。去年1年間畑を借りていたのですが、畑に行くという日にパパが白いスニーカーを履いてきたことがあって。あまり気にしないようにしましたが「あぁ。頑張る気はないんだなぁ」って思っちゃったりはしましたね(笑)。

――とはいえ、相手に求めてしまったり期待してしまったりしませんか?どうやって自分の気持ちに折り合いをつけたのですか?

私が大きい車を運転できるようになって、自分で二人の子どもを連れてどこへでも行けるようになった頃から、“夫の車待ち”がなくなり、行きたい場所へ、行きたいときに、息子たちと私だけでも行くようになり、「もし行けるならパパも行く?」というスタンスに変えました。そうしたらストレスがかなり減りましたね。

 

――青木さんは、ストレスが溜まったときは、どうやって発散しますか?

キックボクシングに週1で通っています!ストレス発散とトレーニングの二つの目的で。以前はピラティスに通っていた時期もあったのですが、元々運動神経があんまり良くないからか、「もうちょっとここに力を入れて」と言われても、いまいちピンとこなくて……(笑)。キックボクシングは「バン!」って当たった瞬間に「超気持ちいい!!!」と思えるので、私にはわかりやすいです。先生にも「身長があるからすごい強いパンチが出せるよー!」なんて言われたりして、別にそこを目指しているわけじゃないんですけど(笑)って思いながらも、週1は続いています。あとはお酒も飲みます!

 

――最後に、青木さんの今後の目標があったら教えてください。

次男も小学校に入学して時間ができたので、その時間に何をしようかなと考えているところです。お金を使って何かをするより、できればお金を得られることのほうが良いかなとか(笑)。ママ友とこのパートは時間の融通が利くらしいよ!なんて話をしたりもしています。パートで働くことも考えつつ、今までの経験を活かしてやってみたいこともでてきました。二人の小学校受験を経験して、こういうシステムがあったらいいな、と感じることがあったので、それを形にできたらと思ったりもしています。お受験に対して私に偏見や誤解があったように、ものすごく情報の格差があると感じたので、小学校受験というものがもっと開かれたらいいな、と。小学校受験をきっかけに、四季を感じたり、行事に親子で取り組んだりすることは、すごく良い時間になります。そんなお手伝いができたらいいなって今はぼんやり思っています。

profile

あおきゆうこ 慶應義塾大学卒業後、TBSにアナウンサーとして入社。2012年退社し、フリーアナウンサーに。2013年お笑い芸人のナインティナイン矢部浩之氏と結婚、2014年長男、2016年次男を出産。現在はVERYモデルとしても活躍中。

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