原田知世さん「不安の40代を経て、経験を積んだ50代って楽しい!」【インタビュー後編】
この3月に40周年アルバム「fruitful days」を発売した原田知世さんにインタビュー。後編は、ずっと歌手として女優として活躍を続ける原田さんに、これまでの経験から、今も生き生きと輝いていられる理由を教えていただきました。
原田知世さん
1983年、映画『時をかける少女』でスクリーンにデビュー。俳優と歌手の両方で第一線で活躍を続け、テレビ東京ドラマ24「スナック キズツキ」や映画「あなたの番です 劇場版」に主演し、大きな注目を集める。3月23日にデビュー40周年記念オリジナルアルバム『fruitful days』を発売。彼女の音楽キャリアにおいて重要なアーティストや初タッグとなる豪華作家陣が楽曲を提供。「シンシア」「守ってあげたい」の2曲の新カバーも収録。新しさの中に懐かしさが同居する、現在の原田知世さんならではの世界が広がっています
—若い頃からずっと続けていることや趣味はありますか?
「10代の頃からずっと続けていることや、趣味がないままこれまできましたが、最近はゴルフにハマっています。最近までゴルフとは無縁だろうなと思っていたのですが、50歳になったとき、年上の女性の友人から「ゴルフは楽しいわよ。男女一緒にできるし年齢に関係ないし、旅する楽しみも増えるから、ぜったいやったらいい」と勧められて始めました。まず、半年間はずっとコツコツと練習場でボールを打って、その後ようやくラウンドデビューしました。年齢を重ねるとできなくなることが増えてくるのに、ゴルフのおかげで「できることが増えるんだな」と思えるようになりました。自分にまだ伸びしろがあるってとても自信になります。
ゴルフの第一打目って、目の前に自然が広がっていて、人から見られて打つので緊張しますが、色んなプレッシャーがあるからこそメンタルが鍛えられるとも思います。これはライブの一曲目の第一声や映画やドラマの撮影初日の最初のセリフを出す時に似ています。緊張感の中、これがうまくいくと流れに乗って落ち着いて入っていける。ゴルフがメンタルの鍛錬になって仕事にも良い影響を与えてくれていると思います」
—原田さんがゴルフをしているイメージが湧きません(笑)。でも自然の中で過ごすっていいですよね。原田さんの40代ってどんな10年でしたか?
「40代には、「on-doc(オンドク)」という歌と朗読のイベントを伊藤ゴローさんと二人で始めました。会場はコンサートホールやライブハウスではなく、美術館やカフェだったので、現地で力を貸して下さる方々との出会いもあったり、ファンの方と近くで交流したり、新鮮な気持ちで楽しめました。
40代後半は見えない何かに不安を感じていました。でも50代に入ったら不思議と不安がなくなりました。誰もが通る道だから、自分だけのことじゃないと思うと気持ちが楽になりました」
—とてもHappyな50代を過ごされていらっしゃいますね。ぜひ、これから50代を迎えるSTORY世代へアドバイスをお願いします。
「若いころは、仕事の前に細かいことが気になって不安になることが多かったんです。不安になって落ち込んだり、これでよかったのかな、できていたのかなと後悔することもありました。でも、経験を積んで40代を過ぎたころから、まだやってもいないことを不安に思う時間がもったいない、終わってしまったことは変わらない、振り返ってもしょうがないと思えるようになりました。無駄な時間を過ごさずに、次にどうするか考えたほうがいいという前向きに考えるように変化しました。心に余裕ができてきたのかもしれません。
私の仕事ってオフの日でもセリフを覚えたりしてオン・オフの切り替えが難しくて、結局集中できずだらだらと過ごしてしまうこともあります。でも、セリフを覚えるのはこの時間までって、きちんと区切るようにしてみたら集中力が高まり、すっと言葉が頭に入ってくるようになりました。こんなふうに考えるようになれたのも年齢を重ねたおかげかもしれません。唯一後悔していることは、ゴルフを40代から始めていなかったこと。もっと早く始めていればもっとうまくなれていたのにと思います(笑)」
—ありがとうございました!45周年、50周年も楽しみにしています。
『fruitful days』/原田知世デビュー40周年記念オリジナル・アルバム
Verve/Universal Music 初回限定盤(SHM-CD+DVD) ¥4,070 (税込) 通常盤(SHM-CD) ¥3,300 (税込)
川谷絵音 (indigo la End、ゲスの極み乙女。、ジェニーハイ etc.) のサウンド・プロデュースによる先行シングル「ヴァイオレット」に加え、THE BEATNIKS (高橋幸宏&鈴木慶一)、高野 寛、 伊藤ゴロー、辻村豪文 (キセル)、高橋久美子、網守将平とい
う、原田知世の音楽キャリア において重要なアーティストや今回初タッグとなる豪華作家陣が新曲を提供。 加えて「守ってあげたい」と「シンシア」という往年のファンには堪らない 2 曲の新カヴァーも収録。 新しさの中に懐かしさが同居する、現在の原田知世ならではの豊潤なサウンドに仕上がっています。 アルバム・プロデュースは15 年にわたり音楽活動のパートナーを務めるギタリスト/作曲家の伊藤ゴローが担当。
https://www.universal-music.co.jp/harada-tomoyo/
撮影/杉本大希 ヘアメーク&スタイリスト/藤川智美(Figue) 取材/見学裕己子