無償の”オンライン保育園”がコロナ禍のママに寄り添います
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンラインコミュニケーションが急速に広まるも「なんだか怪しい」「よくわからない」などの理由から、いまだSTORY世代の多くは、オンラインの世界にハードルの高さを感じている様子。でも思いきって画面の向こうを覗いたら、想像以上に素敵な景色が広がっていることも! 今回は、ひと足先に一歩踏み出し、新たな楽しみや人生を見つけた方々のお話です。
小竹 めぐみさん(39歳・京都市在住) こどもみらい探求社代表
小笠原 舞さん(37歳・神戸市在住) こどもみらい探求社代表
「おやこ保育園」をオンライン化
心の余裕がなくなりがちなママたちが
自分らしさを取り戻し繫がり合う機会を提供
心の余裕がなくなりがちなママたちが
自分らしさを取り戻し繫がり合う機会を提供
小竹めぐみさんと小笠原舞さんが子どもに関わる取り組みを始めたのは’10年。「保育士として園に勤めていたのですが、子どもがその子らしくのびのび育つためには、大人、家族、もっと言えば、社会がよりよくなればいいんだ! と強く思っていました。そこで、『子どものためによりよい社会・未来 について考えませんか?』とツイッターで呼びかけたところ、保育士だけでなく、医師や弁護士、教育関係の企業など、さまざまな方が参加してくれま した」。
任意団体からスタートし、’13年には、会社を設立。子どもの専門家としての知見を活かし、商品や都市開発、研修、イベント企画などのコンサルタント業務を開始しました。「変化の激しい時代の中で、仕事上、じかに親子に触れ、生の声を聞くことはとても重要です。また、私たち自身、親子と関わることで、パワーをたくさんいただいていたんです。そこで、自分たちの理想のプログラムを作ってみようと『おやこ保育園』を開設しました」。
内容は、前半は子ども、後半は大人が主役の時間の2部構成で、全10回の習い事です。「前半は大人が固定観念をはずして、子どもを自由に遊ばせると 個性がぐんぐん伸びることに気づき、関わり方を学んでもらうというもの。後半は、親同士が、毎回出される子育てに関するテーマをもとに、悩みや疑 問を話し合うことで、自分なりの『正解』を見つけてもらう内容です」。
子育てを楽しめるようになった!と卒園生から口コミが広がり、クラスは東京と関西の2カ所に拡大。キャンセル待ちの大盛況に。「ところがコロナで、 直接集まることが難しくなり、悩んだ末、オンライン化に踏み切りました。 心配はありましたが、やってみると、通園の負担が減り、他県や海外から参 加してくれる方も出るなど、メリット が多かったのです。何よりよかったの は、自宅からの参加だとリラックスで き、お互いの家が見える分、親密度も高まったことです」。
同時に、クラウドファンディングを立ち上げ、オンライン無償化も実現。「コロナ禍で心に余裕がなくなる親子は増えるだろうと思いました。無料ならよりさまざまな方が参加できます。親御さんを支えることで、産後鬱や虐待などを防ぐ防波堤になれればと。金銭的に苦しくなるのは覚悟のうえで始めましたが、現在は、賛同者や卒園者からの寄付でなんとか継続できています。また、子どもの未来をともに考える『こどもみらいラボ』というネットワークを作り、参加者と対話の場を設けたり、おやこ保育園をはじめとした弊社の仕事に携わってもらったり、業種を超えた学び合いを楽しんでいます。コロナで自粛というけれど、実は、0歳児ママは、コロナでなくても自粛生活です。でも、オンラインなら、自宅にいながら、多くの人と繫がって話ができる。分かち合うことで、気持ちが浄化したり、ストレス解消できたりする。オンライン化のおかげで『おやこ保育園』が各家庭の日常の中により溶け込んでくれた かなと感じています」。
撮影/前川政明 取材/秋元恵美 ※情報は2022年2月号掲載時のものです。
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