【中学受験】悩める母たちに、中学受験のスペシャリストがイロハから教えます!

★結果のいかんに関わらず、全員に「いい受験」というギフトが天からもたらされていると思っています。

皆さん、はじめまして。私、教育ジャーナリストをしております鳥居りんこと申します。主に「中学受験」や「思春期の子育て」などの取材に力を入れている者です。

著作としては「偏差値30からの中学受験」シリーズや「中学受験 わが子を合格させる父親道」(いずれも学研プラス)などがございますが、書籍デビューのきっかけは、2002年に我が子の受験体験記を書いたことでした。

中学受験というものに翻弄されていく自分自身の姿があまりにも滑稽で、面白く、そして哀しく、またある面では愛おしく感じていたもので、それを書き残しておきたかったのです。それ以降はご縁がございまして、ずっと「中学受験」というものを見続けておる次第です。


ところで、私は毎年、拙サイトを使って1月中旬あたりから中学受験の全日程が終了するまでの間、中学受験母たちへの応援キャンペーンを繰り広げております。

受験本番中ですから、心が折れそうになっている母からの緊急相談メールが入るのは当然です。しかし、それ以上に寄せて頂けるのは中学受験先輩母(最近では先輩父も多いです)と呼ばれる「中学受験卒業組」の保護者からの応援メッセージなのです。

例えば、こんな風に……

「我が家の受験本番も中々結果が出ずに苦しかったです。でも、どうか、お子さんを信じて、最後まで頑張り抜いてください!」

今年も、先輩母(父)の皆さんから「頑張れ!」というエールをその体験談と共に、沢山、送って頂きました。(ありがとうございます!)

「後輩母へのリレーアドバイスにして欲しい」という先輩母たちの温かいお気持ちが、毎年、本当に嬉しく、ありがたく・・・、気が付いたら、こうやって20年近くの歳月が流れているというわけです。


そんな私から見ても、今年の受験生家族は本当に大変だったと思います。コロナ禍で学校も塾も休校という前代未聞の事態を潜り抜けての受験だったわけですから、受験生本人もそうですが、特に母の心労はいかばかりだったかとお察しいたします。お疲れ様でした。

私は、この試練に立ち向かった親子には、結果のいかんに関わらず、全員に「いい受験」というギフトが天からもたらされていると思っております。これから皆さんは、お子さんが中学、高校と成長していく度に、何度でもこの「ギフト」をしみじみと思い返すことになるでしょう。どうぞ、残り6年となってしまった「子育て」を引き続き楽しんでくださいね。


さて、今回より“中学受験”をテーマに様々なトピックで語らせて頂くことになりました

私は、主に「いい受験とは何か?」という視点でお話させて頂こうと思っています。これから「中学受験をしてみようかな?」あるいは「既にスタートを切っています」というお母さんたちの参考になると嬉しいです。

★「中学受験ってした方がいいの?」

私の元に寄せられるご相談は多岐に渡りますが、その中でも「中学受験ってした方がいいですか?」って聞かれることは多いです。答えは個別事情が絡むので、人によっても違いますが、私は概ねこう思っています。

「うん、いいと思う! チャンスがあるなら、是非(^^♪)」ってね。

何故なら、中学受験って親にとっては「スルメ曲」みたいなものだと思うから。

スルメ曲とは、噛めば噛むほど味が出る音楽のことを指します。1粒で何度でも美味しいって言えばいいですかね?これは、人によっては何年どころの騒ぎじゃなくて、受かろうが、落ちようがそんなこと関係なく、一生楽しめる「母の甘美な体験」になるんですよね。

「中学受験」って不思議なんです。中学受験本番の日には街中ではよく、こんな光景が繰り広げられています。

中学受験生だと思しき子とすれ違う時に、通りすがりでしかない人たちが、先輩母というだけで、その背中にそっと“おまじない”をかけている。「どうか、あの子が志望校に合格しますように!」ってね。

これは、中学受験を経験した母には「あるある」な出来事なんですけど、見知らぬその子に、健気だった我が子と、あの時、最大限の力を振り絞って頑張っていた自分を重ね合わせてもいるんだと思います。


中学受験は「親子の受験」なので、母(父)は子どもと共に懸命にその日々を駆け抜けなければなりません。時には、道なき道を彷徨い歩いているかのような気分にもなるでしょう。母は色んな意味で傷だらけになります。

でも、こうも思います。

中学受験は親子の「最後の蜜月」。子どもだったあなたがそうだったように、中学生になると、お子さんは、自然とあなたから離れていきます。

この一生で、もう最後とも言える貴重な時期。家族が一丸となって、同じ目標を持ち、共に努力を重ねる経験が「スルメ曲」となっていく。この「家族」としての経験もまた、かけがえのないいいものだよなぁ・・・と先輩母のひとりである私は思うのであります。


この連載では、塾の選び方や、学校見学のポイントなど、「どうしたらいいの?」と悩んだ時に役に立つ「母のための中学受験」を語っていきます。もしよろしければ、お付き合いくださいね。

鳥居りんこ・・・作家、教育・介護ジャーナリスト

2003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。
その後シリーズ化され、悩める保護者から“中学受験のバイブル”と評され、中学受験を辛かった思い出ではなく、子どもとの絆を感じられ、子育てが楽しくなる内容に、心救われ涙する保護者が続出しました。

ブログ:湘南オバちゃんクラブ https://note.com/torinko

Facebook: 鳥居りんこ: https://www.facebook.com/rinko.torii

次回のテーマは「そもそも中学受験をするって、結局どういうこと?」。 3/25(木)配信予定です。

構成/加藤景子 イラスト/村澤綾香

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