【coxco代表・西側愛弓さん②】知識ゼロからアパレルブランド設立。西側さんのルーツとは?[連載・私らしい働き方]
キャリアの選択が多様化し、より自由に選択できる今。
「自分らしい働き方」を追い求め、実現させている憧れの自立女子たちに、ご自身のキャリアの実体験を語ってもらうWEB連載。
記念はすべき第一回目は、JJ誌面やJJnetに度々登場している神戸出身の起業家、社会課題と向き合うアパレルブランド「coxco(ココ)」代表の西側愛弓さんにインタビュー。その模様を前・後編に分けてお届けします。
後編となる今回は、知識ゼロからアパレルブランドを設立した西側さんのルーツに迫ります!
Q.西側さんがアパレルに興味を持ったきっかけとは?
JJ編集部:アパレルとは無縁だった人生から一転、ブランドを立ち上げることを決意した西側さん。その行動力はどこで身についたと思いますか?
西側さん:大学一年生の時、ストリートスナップを撮るために海外を一人旅していました。その頃から行動力が身につき、挑戦する性格になったと思います。
JJ編集部:ストリートスナップを撮りにいこうと思ったきっかけを教えてください。
西側さん:高校生の時、JJでおしゃPが流行っていて、当時EMODAの松本恵奈さんやMURUAの荻原桃子さんが大活躍されていたんです。その頃から私もいつか自分のブランドを立ち上げたいという憧れを強く抱くようになりました。大学在学中に自分を変える大きな挑戦をしてみたいという気持ちがあり、ファッションや雑誌が好きだったので、海外にスナップを撮りに行きました。
JJ編集部:自分はこれだと思ってから、すぐに行動に移せるのが凄いです。
西側さん:それまで何かに挑戦した経験がなく、プライドも何もなかったからこそ飛び込めたのだと思います。周りから失敗したらどうするの? と言われることもありました。でも、それまでずっと逃げてきたので、とりあえずやってみようと思えたんです。
JJ編集部:ご両親は心配されたのでは?
西側さん:かなり心配だったようです。3人兄妹の末っ子ということもあり、過保護に育てられたように思います。大学生の時も門限がありましたし(笑)。両親には旅をしたいとずっと説得していたのですが、何を言っても駄目と言われるので、最終的には先に航空券を買って、強引に「もう行ってくる!」みたいな感じでした。それが18歳の時です。
Q.強行突破で行った海外スナップの旅。人生を変えたその9日間とは?
JJ編集部:その時はどのくらいの期間行きましたか?
西側さん:9日間、ニューヨークに行きました。でも、その9日間で人生が変わったと思います。楽観的なタイプだったので、初めての一人海外旅行もスナップ撮影もなんとかなると思っていたのですが、想像以上に言葉の壁に苦しんだり、差別的なこともあったりして挫折も経験しました。
JJ編集部:初めてのスナップ撮影はどうでしたか?
西側さん:極寒の2月に行ってしまったので、街に人が全然いなくて、撮影は難航しました。たまたま訪れたブルックリンの美術館でファッションの祭典をしていたのですが、それに合わせて来ていた現地のストリートスナップのフォトグラファーさんに、「私もスナップを撮りに来たんだけど、やり方がわからないからを隣につかせてほしい」とカタコトの英語で伝えたら、カメラの使い方から親切に教えてくれました。その時に言葉が通じなくてもいいんだ、もっと楽しんでやればいいと気づきました。いろんな人に助けてもらって、自分の夢にも近づけた本当に濃い9日間。後々、ある人から“ペイ・フォワード”という自分の受けた恩恵を周りの人に返すという意味の言葉教えてもらいました。そのとき、私もここで受けた優しさをいろんな人に返そうと思ったんです。今やっているNPOの活動をしようと思えたきっかけの一つでもあります。
JJ編集部:将来は海外など〇〇に住みたいという願望はありますか?
西側さん:あまり住所をここって決めたくないんです。だから、“旅をしながら暮らす”じゃないですけど、いろんなところに住みたいという願望はあります。言わば、地球で暮らすみたいな(笑)。自分で自由に仕事しているからこそできる生き方なのかなとも思います。
Q.coxcoをやっていて嬉しかったことは?
JJ編集部:今までブランドをやっていく中で嬉しかった瞬間を教えてください。
西側さん:2つあって、1つ目はお客様がcoxcoの服を買うまでの素敵なエピソードを共有させてもらった時です。あるお客様がSNSでタグ付けしてくださって知ったのですが、欲しかった商品が迷っているうちに売れてしまってショックでいたら、実は彼氏さんが買っていてくれたみたいで。それが彼氏さんとの思い出の品になり、さらにサステナブルに興味がなかった彼氏さんがcoxcoを知るきっかけにもなったというお話を聞いた時は嬉しかったです。2つ目は工場や生地屋さんの想いを直接聞かせてもらった時。その素敵な想いをお客様に届ける仕事でもあるので、いろんな人の愛が形になっているんだなと思いました。ものづくりをしたから気づくことのできた幸せです。
前後編とお届けしてきた西側愛弓さんのインタビューはいかがでしたか? 知識ゼロでもやる気があれば誰でもアパレルブランドを立ち上げられる時代。ブランド立ち上げに少しでも興味を持っている方の参考になりますように。
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