コロナ禍で負担急増!野々村友紀子さんに聞く「今どき夫婦の家事シェア事情」

日々追われる家事。「コロナ禍でさらに負担が増えた!」という妻たちの声がたくさん届いています。

夫が気づいていない数多くの家事をこなしているのになんだか報われない……、そんなイライラの原因と解決法を、野々村友紀子さんに伝授してもらいました!

教えてくれたのは

放送作家 野々村友紀子さん
1974年8月5日生まれ、大阪府出身。14歳と12歳の女の子の母。芸人として活動後、放送作家に転身。NSCの講師やシナリオ制作などを行う。現在は「夫が知らない家事」を羅列した著書が話題。夫は2丁拳銃の川谷修士氏。

イライラの原因は
お互いの家事への認識のズレ!

トイレットペーパーの芯の交換、消耗品の補充など「夫が知らない家事リスト」を提示し、主婦の共感を得た野々村友紀子さん。リストをつくったきっかけは、夫の川谷さんとの家事に関するケンカが多いことだったそう。

「家事についての話し合いを何回も行い、夫も頑張って皿洗いやゴミ捨てなどやってくれている……。なのになぜイライラするのだろうと考えたときに、お互いの感覚のズレに気づきました。
例えば『ごはんをつくる』って、調理だけではなく、献立を考え、冷蔵庫にあるものを考慮して買い物、テーブルを拭いてお皿を出してと、〝見えない家事〞が背景にたくさんある。それを全部やっていると本当に大変。だからすべての家事を書き出してみることにしたんです」

家事をリスト化したことで、夫も見えない家事があることを認識。先回りしてやってくれるようになり、ケンカの回数も激減したとか。

「家事の流れがわかり、夫もどこで自分が動けばいいか、わかるようになったんです。これを解決するのに、16年もかかったんですよ(笑)」

自分の未来のために
夫をホメて伸ばして育てろ!

アルコール消毒やマスク洗いなど、コロナ禍でさらに増えた家事。当然、野々村さん自身の負担も増え……。

「夫や子どもが家にいることで、ごはんづくりが多くなることから始まり、買い物の回数が増える、マスクを洗うなど、コロナ禍で家事負担は増えました。しかし夫は当初は気づいていなかったですね。察してもらうのではなく、手伝ってほしいときちんと伝えました。ためると爆発するので、怒るのではなくかわいらしくたまに言うようにしています(笑)」

夫婦の家事分担をうまく行うコツについて、
「感謝の気持ちをきちんと伝えて、未来の自分のために夫を育てる! 主婦が家事をすべてやるのが当たり前という考えを崩すことが大事。『家のことは二人のこと』という考えを、植えつけましょう(笑)。
夫が家事をしてくれれば自分がラクになります。そのために、時間はかかっても夫を育てましょう。でも最初から完璧にできていないと文句ばかり言うのはNG! 家事をしてくれたら、まずは『ありがとう』と感謝の気持ちを伝えること。ホメると喜んでくれて、今後もやろうという気持ちになってくれます。そこから少しずつプラスでやってほしいことを伝えてみてください」。

夫の教育にぴったりなのが、野々村さん発案の家事リスト(本誌12月号に掲載)。野々村さん自身は家事リスト全項目を最初から夫にたたきつけましたが、これはあまりおすすめできないそう。

「いきなり見せると、イヤな気持ちになる人もいるかもしれません。『主婦の間で話題なんだよ』など、さりげなく見せてみて。夫が得意そうな項目からお願いしてみるといいかも♪」

 

Mart読者の「家事負担」
実態を調査しました!

夫婦の実際の「家事分担」ってどんな感じなのでしょうか? コロナ禍で、みなさんの負担は増していませんか? Mart読者に聞いたリアルな実態に、野々村さんもびっくり!

Q1.コロナ禍で「家事負担」が増えたと思いますか?


夫にも「家事の増加を察してほしい」と野々村さん。「なかなか外食ができない、夫の飲み会が減ったなどで、食事をつくる回数が増加。手を抜ける日がなく、メニューを考えるのも、毎日だと本当にしんどいんです」

Q2.具体的に増えた家事の内容は?

  • ドアノブの消毒のほか、休校などで料理をする回数が増えた【ふくまま(41歳)大阪府在住】
  • エコバッグを毎回手洗い! 【わんた(41歳)北海道在住】
  • ゴミの量が増え、ゴミ出しが増えた【アエナ(37歳)千葉県在住】
  • 子どもの検温と健康管理表の記入【こんママ(38歳)千葉県在住】
  • 買い物したものの消毒【ほっぺ(43歳)東京都在住】

Q3.夫は何割、家事を負担していると思いますか?


「1割はひどい……。でも諦めて我慢していると、熟年離婚の原因にも。夫の家事負担が増えればストレスも減り、夫婦仲もうまくいくはず。具体的にお願いしたい家事を伝えて!」と野々村さん。

Q4.家事について夫と話し合ったことはありますか?


家事について夫と話し合ったことがない人が半数以上。ある日突然イライラが爆発!…なんてことのないように、今から夫婦の未来のために話し合いましょう!

 

教えて野々村さん!
Mart読者のリアルなお悩みQ&A

Q1.机の上の片づけが中途半端。夕飯の後片づけで、なぜかコップだけが机の上に残っていたりする。洗濯物のたたみ方が下手。【ぷりん(49歳)京都府在住】

⇒A.まずはホメて感謝。指摘はそれから。
「注意だけだと、相手もヤル気がダウン。感謝を伝えつつ、『コレもやってくれたら100点!』と持ち上げよう」(野々村さん)

Q2.手伝わないのに、私がする家事について細かいところを指摘してくる。【よっしー4211(37歳)愛媛県在住】

⇒A.「教えて」とおだててやってもらうべし!
「これはムカつく! でも怒りを抑えて、教えてと下手に出てみて。『私より上手ね』とホメて夫の担当に」(野々村さん)

Q3.パートなので家事をやることが当然だと思われている。【ごんちえ(29歳)大阪府在住】

⇒A.二人の家のこと! 前向きに相談を
「稼ぎや仕事時間を理由に、すべて押しつけるのはダメ。二人の家のことなのだから、友好的な話し合いを!」

Q4.ゴミ出しをお願いすると、「ゴミのにおいが手につくから嫌だ」と。家事のお願いをしても、好き嫌いが多く、困ります。【ぷっこ(53歳)神奈川県在住】

⇒A.得意そうな家事をお願いしてみて
「やかましいわ!と思うけど、諦めないで。どうしても無理なら、代わりに得意なことをやってもらおう」

 

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撮影/平林直己(BIEI) ヘア・メーク/松原美穂(Nestation) 取材・文/酒井明子 イラスト/Nobby 衣装協力/Loungedress 構成/Mart編集部

2020年12月号
コロナ禍の負担急増に野々村友紀子が物申す!
最新版「夫が知らない家事」リスト より