【東京アートパトロール】FREESTYLE2020 大野智 作品展
5年ぶり3度目にして過去最大級の個展
先週はちょっとマニアックに「もの派」の展覧会を取り上げてみましたが、今週のパトロールはメジャー感最大級、嵐のリーダー大野くんの展覧会です。
嵐の活動を並行して、ずっとアート制作に取り組んできた大野くん。
最初の個展は2008年、過去10年に渡って創作したアート作品をまとめた作品集『FREESTYLE』の発表とともに東京表参道ヒルズで開催。その後も2015年中国・上海で『FREESTYLE in Shanghai 2015 楽在其中』、2015年に東京、2016年に大阪で『FREESTYLEⅡ』を開催、今回は5年ぶり3度目の過去の集大成となる大規模な個展です。
会場を入って最初に目にとびこんでくるのが今回の展覧会のために新たに制作された『グリーンヘッド』のフィギアと、嵐シングル『カイト』のジャケットに使われた絵画です。
会場エントランスに立つ大野智
©FREESTYLE 2020 SATOSHI OHNO EXHIBITION
この他にも会場には旧作の絵画約40点、過去の『FREESTYLE』展でも紹介されたフィギアや写真、立体作品などが並びます。
大野くんの「目」を通じて見える風景
新作は20数点で、なかでも大野くんの真骨頂と言われているのが巨大な細密画。2273mm×1620mmの巨大なキャンバスにはさまざまなモチーフが描かれ、無限の世界が広がっています。この作品は2020年の春に約2週間で描き上げたというので、自粛期間に取り組んでいたのでしょうか。
熱心なファンの間では早くも、この絵の細部に大野くんからのメッセージが書かれているのでは? と、話題になっているようです。
私は絵の中に描かれている多数の「目」を見たら、ここまで細密に物が見える、描ける人が、何万人もの観客の前に立った時に見える景色の重さを感じて、なんだかちょっとだけ切なくなりました。
ご本人いわく
「やっぱり好きなんだろうねぇ、細密画が(笑)。まず全体を埋めていって。そこから最後、極細ペンでひたすら隙間を埋めていったんだけど。それは楽しかった」(【作品集】内インタビューより抜粋)
描くには膨大なエネルギーを使うであろうに、あっさり『楽しかった』って言ってしまうなんて。。。
《巨大細密画(FS2020新作)》
©FREESTYLE 2020 SATOSHI OHNO EXHIBITION
さらに、大野くんの絵画の特徴のひとつである「顔」にフォーカスした絵画も見どころです。
《みっちゃん(FSⅡ)》
©FREESTYLE 2020 SATOSHI OHNO EXHIBITION
こちらは『FREESTYLEⅡ』(2015年)でも展示された作品。当時、油絵に開眼し、ドラマ撮影や嵐としての活動と並行しながら少しずつ色を塗り重ね、絵の具を乾かし、また重ねて……という工程を何日もかけて行ない、丁寧に描いたそう。
顔って花や風景と比べて描くのがすごく難しいと思うですが、構図といい、色の塗り混み方といい、すばらしい。ご自身が誰よりも多く写真の被写体となっていることが、作品にも影響あるのかもしれないと感じました。
ネットのグッズ販売なら今からでも間に合います!
私は大野くんの展覧会に足を運ぶのは初めてでしたが、圧倒されましたよ。歌って、踊れて、司会も、演技もできる国民的アイドルをこなしながら、これだけの作品を作り出す熱量、超人です!
展覧会のチケットはすでに完売のようですが、今回の展覧会に限って、ネットで作品集やグッズが手に入るようになっています。通常なら行列必須のグッズ販売なので、ぜひチェックを。Tシャツなどはデイリーに使えそうな、サイズ感とデザインです。
【DATA】
FREESTYLE 2020 大野智 作品展
〜2020年11月8日(日)
六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
Text:安西繁美
女性誌やカタログで主にファッション、食関係、アートの企画を担当する編集・ライター。流行には程よく流されるタイプで、食いしん坊、ワインと旅行好き。東京日本橋出身、よって下町気質。家族や友人に美大出身が多いのに私は画力ゼロ。描けないけど書けるようになれたらいいなと。推しはオザケンです。