渡辺満里奈さん、「私」が「私」でいるための一人時間の過ごし方
昨年、夫・名倉潤さんに突然訪れた体と心の病———。
本誌2月号で、それを共に乗り越えた話を真っすぐに語ってくれた渡辺満里奈さん。そこにあったのは、同世代として同じ時代を生きた、あのアリドル時代の〝満里奈ちゃん〟とは異なる、一人の強き大人の女性の姿でした。
何があろうともぶれずに自分らしくいること、満里奈さんがそんな自分軸を持っていられるのは、「人と自分との心地よい距離感」にあるようです。
今回は満里奈さんに自分との時間、女友達との時間について伺いました。6・7月合併号本誌より一部抜粋してご紹介します。
~自分との時間~
ブラウス¥57,000 パンツ¥64,000(ともにトリー バーチ/トリー バーチ ジャパン) 赤パンプス¥79,000(セルジオ ロッシ) ネックレスは満里奈さんの私物。
■一人時間のささやかな秘密が、「私」が「私」でいられる秘訣
我が家の場合、夫がほとんど家にいるから、一人時間というと、子供が学校に行き、夫が仕事へと出かけるほんの隙間時間。あっという間にみんな帰ってきちゃうから、カフェに行くような暇もなく、家でしばしのんびり。
そんな時は、じっくり新聞を読んだり、YouTubeで「時事放談」を観たりと、社会と向き合う時間を作っています。今いただいているテレビのコメンテーターのお仕事も、暮らしの中で感じることを大切にし、こういった時間の積み重ねが必要です。それで、自分が空っぽにならないよう、知識をちょっとだけ積み上げています。
そして、最近ハマっているのが、マスク作り。ミシンに向かっているとつい夢中になって、時間が過ぎるのを忘れてしまいます。もう何枚作ったことでしょう……。
YouTubeを流しながら、ミシンをかけて、好きな時間にお昼を食べる。15時くらいに、すごく辛いラーメンを食べて、「ヒーッ!」なんて、一人汗を流していると、それがすごく贅沢な時間に感じられて。
この、ちょっとの秘密の一人時間があるから、「私」が「私」でいられるのかもなと思います。
一人時間に没頭して作ったマスク。ミシンに向かっていると、とにかく楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまします。
~女友達との時間~
■会えない時間にもらった女友達からの〝温かな思い〟
このステイホーム期間中、思いがけず素敵な贈り物が届きました。一つは、料理研究家の井上絵美さんからの「おうちごはん応援セット」。
おうちで過ごすのは好きだから、そんなに苦ではないと思っていたけれど、先の見えない不安にふと切なさが押し寄せてくる時もあって。そんな時、姉のような存在の絵美さんからの優しさに触れ、もう泣けてしまって……。
出会った頃からいつも気にかけてくださり、私にとって絵美さんは、太陽のように明るくて頼りになる存在。そんな絵美さんからの、温かい贈り物に、たくさんの元気と勇気をもらいました。
そして、園芸家の深町貴子さんからは、大輪のダリアが届きました。深町さんとは、テレビの園芸番組でご一緒して、今回のコロナ禍の影響で農家の方々が出荷に窮して、たくさんのダリアを処分しなくてはならなくなったのを知り、その一部を送ってくださったんです。もう、ビックリするくらいたくさんの大輪のダリアに、家の中が一気に明るく華やかになりました。そして、「変わらない日常を家族で過ごせますように」というメッセージに、またホロリ。
そして、微力ながら私も誰かを元気にしたい、そんなふうに思えたんです。
絵美さん、深町さん、共に人生の先輩だけど、仲良くしていただき刺激をもらう存在。今はずっと家にいて、一緒に美味しいものを囲んでお話しすることはできないけれど、何かあった時にパッと顔が浮かぶ関係があるのが嬉しい。
仕事の展望を真剣に考えてくれる同世代の仕事スタッフや、オンライン飲み会でワイワイと話せるママ友……。どこにいようと心は近くにある、そんな女友達がいることが幸せ。会えない時間の中、それを改めて知ることとなりました。
料理家井上絵美さんの人気料理教室エミーズの人気レシピを家で作りやすいようアレンジし、選りすぐりの食材がセットになった「おうちごはん応援セット」。
園芸家の深町貴子さんから届いた大輪のダリア。ピンクにイエローにオレンジと、ふと不安が影を落とすコロナ禍に一気に家の中が明るく華やいで。
PROFILE
わたなべまりな
1970年東京生まれ。1986年CX「夕焼けニャンニャン」のおニャン子クラブで芸能活動開始。2005年35歳で結婚、’07年に長男、’10年に長女を出産し、現在2児の母。
撮影/西崎博哉<MOUSTACHE> (満里奈さん)ヘア&メーク・スタイリング/三上津香沙 取材・文/河合由樹 構成/永吉徳子