「幕間=まくま?」「予て=よて?」読めると知的に見える漢字5つ
普段からよく使う言葉であっても、漢字表記になると意外と読めないケースは少なくありません。
しかし、読み方を知らない人が多い漢字こそ、スラスラ読めるようになっておきたいもの。読み方を知っているだけで、周囲から「物知りな人」「賢そう」といったイメージを抱かれることもあるのです。今回は、そんな“読めると知的に見える漢字”をピックアップしました。
いくつ読めるか、ぜひチャレンジしてくださいね。
1.「似非」
「似非」という言葉は、読んで字のごとく「似ているが本物ではないこと」を意味する言葉です。
主に「似非医者」「似非追従」などのように、名詞について使うことが多くあります。
そんな「似非」の正しい読み方は……
「えせ」です。
思わず「にひ」と読んでしまわないよう、注意しましょう。
2.凋落
現在では「落ちぶれること」を意味する言葉として使われている「凋落」。
元々「凋」には「だらりと垂れ下がるさま」という意味を含んでいて、草木が葉に張りを失い、しぼんで落ちることから上記の意味で使われるようになったそうです。
「凋落」を「ほうらく」「しゅうらく」と読むのは間違いですよ。
そんな「凋落」の正しい読み方は……
「ちょうらく」です。
ちなみに「凋落」の「凋」の左側は“さんずい”ではなく“にすい”なので、書く時に間違えないようご注意を。
3.「幕間」
現在では「幕間」を「まくま」と読む人が多く、「まくま」でも意味が通じるとされています。
しかし本来の正しい読み方を知っておくと、より知的な印象に見えるでしょう。
ヒントは「間」の読み方です。「幕」はそのまま「まく」と読みますよ。
正解は……
「まくあい」と読みます。
ちなみに「幕間」のほかに「間」を「あい」と読む言葉には「間着(あいぎ)」「間の手(あいのて)」などがあるので、併せて覚えておくと良いでしょう。
4.「予て」
「予定(よてい)」「予行(よこう)」など「予(よ)」という読み方で使われることが多いためか、つい「よて」と読んでしまう人が多数!
しかし、「よて」ではありませんよ。
「予て」の正しい読み方は……
「かねて」です。
ちなみに「予め」は「あらかじめ」と読み、元々は「予て(かねて)」と同じ意味で使われていました。
漢文訓読文では「あらかじめ」、和文の場合は「かねて」と使い分けをされていたそうです。
それが現代になると「あらかじめ」は時制に関係なく使われ、一方の「かねて」は主に過去のことを表す時の言葉として使われるようになったそうですよ。
5.「違う」
「違う」は「ちがう」と読みますが、ここではもう一つの読み方も覚えておきましょう。
たとえば「約束『が』違う」の場合はそのまま「ちがう」と読みますが、「約束『を』違う」になると、もう一つの読み方をするのです。
何となくピンと来た方もいるでしょうか?
「違う」のもう一つの読み方は……
「たがう」です。
「ちがう」と「たがう」で言葉の意味は変わりませんが、どちらかというと「たがう」の方が「ちがう」よりも硬いニュアンスになります。
どちらの読み方をするのか迷った時は、文脈から判断すると良いでしょう。
いかがでしたか? 今回ご紹介した漢字の中には、普段あまりなじみのない漢字もあったかもしれません。それだけに、スラスラ読めると周囲には「よく知っているなぁ!」と、好印象を与えることも。
ぜひこの機会に正しい読み方を覚えてくださいね。
参考文献
山口謡司『知らないと恥をかく漢字』幻冬舎
文/大内千明 画像/Shutterstock(Olivier Le Moal、Nattakorn_Maneerat、 Mario Lisovski、Dragon Images、Dean Drobot)