【仲野太賀さん特別インタビュー】子どもの頃から憧れていた「大人計画」の舞台に初出演!
宮藤官九郎さんが〝今やりたいこと〟をストレートに表現する、大人計画の『ウーマンリブ』シリーズ。’20年に上演予定だったもののコロナ禍により中止を余儀なくされた『もうがまんできない』が満を持して上演決定! 新たにキャストとして加わった仲野太賀さんがCLASSY.ONLINEに初登場、2回にわたりインタビューをお届けします。
――今回の舞台のお話がきたとき「ちびりそうになった」とコメントされていましたが(笑)、率直な感想をお聞かせください。
「やっときた!」と、とても嬉しかったです! 宮藤官九郎さん脚本の映像作品には何度か出させていただいているのですが、舞台は初めてだったので。「大人計画の舞台に出るぞ!」と、小さい頃の自分にも言いたいです! 小さい頃から大人計画に憧れていたので、夢が叶いました。
――いつ頃から大人計画に接していたのですか?
小学生の時に『木更津キャッツアイ』にどハマりしてからです。好きになる作品はどれも宮藤さん脚本で、そこにはいつも大人計画の俳優さんがたくさん出ていたので憧れていました。あの頃は視聴者として純粋に面白いな、カッコいいなと思っているだけでしたが、お芝居を始めてからは大人計画の皆さんのすごさをどんどん突きつけられているので、それも含めて舞台に出演できることに感無量です!
――今回出演される『もうがまんできない』は’20年の初演はコロナ禍のため無観客配信上演に。今回、新メンバーとして参加するにあたり、初演の映像はご覧になりましたか?
観ていないです。出演が決まったので、なおさら観ないほうがいいなと思いました。僕の役は柄本 佑さんが演じていたのですが、影響を受けたくなかったんです。真似をしようと思っても佑さんのようにはできないですし、まっさらなほうが役を作りやすいなと。それに、宮藤さんは演者に合わせて脚本を書かれる方なので、内容も結構変わるみたいです。「まだ台本も覚えなくていいよ」と言われているので、まったく手を付けていません(笑)。
――芸人役で突っ込み担当ということですが、参考にしたい芸人さんはいますか?
誰かしらは参考にするかもしれませんが、その人にとらわれたくないので具体的に思いつく方はいないですね。永山絢斗さんが相方のボケ担当なのですが、永山さんのボケをひたすら拾って素敵なコラボレーションを繰り広げたいです。
――舞台から降りても役を引きずるタイプでしょうか?
違いますね。ひたすら突っ込んでしまうとか…ないです(笑)。昔は役を引きずるタイプかなと思った時期もありましたが…そんなことはなかったです。
――ドラマや映画に引っ張りだこですが舞台もコンスタントに出演されています。舞台ならではの面白さや好きなところを教えてください。
まずはお客様のリアクションを感じられること! お客さんの前でお芝居ができるのは舞台だけですから。そして、本番中は自分が役者であるのを実感できること。カメラの前だと淡々と時間が流れていきますが、舞台だと生きている感じがするんです。一つの作品に向き合える時間が長いのも好きですね。稽古期間があって本番が始まって、同じ芝居を繰り返せるのは、磨きをかけられるのは贅沢な時間だなと思っています。
――舞台では緊張されますか?
心地よい緊張感は持っていますが、そんなに緊張しないです。「台詞飛ばないかな?」みたいなものをちょっとしたスリルみたいに楽しめるほうです。でも、気を抜くと緊張感がなくなってしまうタイプなので、ある程度の緊張感は保たないと!と思っています。
――演じるときに一番大切にされていることは何でしょうか。
自分に嘘がない状態でいたいなと思っています。演じることは違和感だらけだと思うんです。マイクもついているし、メークもしているし、自分の好みとは違う衣装を着たり、台詞は自分の言葉ではないし…。そんななかでも演じるうえでは自分の気持ちには嘘がなく、違和感がないようにしたいと思っています。心の中は、役の気持ちになるようにしていますね。
――現場ではどんな立ち位置になることが多いですか? 可愛がられるタイプですか?
いつも立ち位置は普通です(笑)。特別「俺、可愛がられてるなー」と思うことはないですし、「お前、しょうがねー奴だなぁ」と先輩にいじられることもないですね(笑)。今回は大人計画の先輩方の胸を借りて、甘えられるところは甘えて頑張りたいと思っています!
――可愛がられる、いじられキャラかと思っていました。
そう見えますか? 実はあまり先輩と飲みに行ったりすることもなくて。今回は積極的にコミュニケーションをとって、舞台中に皆さんと食事ができたらいいなと思っています。
-皆さまとのお食事以外に東京・大阪での1カ月半の公演中に楽しみにしていることはありますか?
久々に生活リズムが安定するので、稽古期間中は自炊でもしようかなと思っています。
――最後に、仲野さんの「もうがまんできない」ことは何ですか?
寒いのは、がまんできません! 暖房機器の問題なのか自分の部屋が寒すぎるので、ダウンを着て生活しています(笑)。<※取材は2月>
ウーマンリブ vol.15『もうがまんできない』
宮藤官九郎の〝今やりたいこど〟をストレートに表現する『ウーマンリブ』シリーズ』。コロナで断念した幻の公演が新キャストを迎え、満を持して上演決定。阿部サダヲをはじめとする続投メンバーに、仲野太賀、永山絢斗、皆川猿時が新たに参加。作・演出/宮藤官九郎 出演・阿部サダヲ、仲野太賀、永山絢斗汁、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙、少路勇介、中井千聖、宮藤官九郎 企画・製作/大人計画(有)モチロン 【東京】4月14日(金)~5月14日(日)本多劇場 5月18日(木)~5月31日(水)サンケイホールブリーゼ
仲野太賀
‘93年生まれ。東京都出身。’06年俳優デビュー。‘21年、映画『すばらしき世界』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞などを受賞。近年の主な出演作は映画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』『静かな雨』『生きちゃった』『泣く子はいねぇが』『あの頃。』、ドラマ『コントが始まる』『#家族募集します』などがあり、‘22年はドラマ『捨われた男』『初恋の悪魔』『ジャパニーズスタイル』で主演を務める。
<仲野さん着用衣装>ジャケット¥52,800Tシャツ¥31,900パンツ¥57,200(すべてタイガ タカハシ 問合せ先
撮影/平井敬冶 ヘアメーク/高橋将氣 スタイリング/石井 大 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)