【元ラグビー日本代表・廣瀬俊朗の「パパはオモロい!」】④その土地でしかできないことを子どもたちに感じ取ってもらうのが家族旅行の楽しみ
日々、私たちが子どものことで悩んだり、迷ったり、もがいたりしている一方で、パパたちはどんなことを考えているのでしょう?
子育ての父親参画が増えてきたと言われる今、パパは子どもと、どうやって絆を深めていくのか。
元ラグビー日本代表キャプテン・廣瀬俊朗さんに、毎日の子育ての様子を語っていただきます。一男一女のパパとして、家庭の中でのキャプテンシーの発揮の仕方とは?
【廣瀬俊朗の「パパはオモロい!」】③今は仕事も大事な時期。だから家族が揃う朝食時間を大切にしています
廣瀬俊朗
1981年生まれ。大阪府出身。慶應義塾大学、東芝ブレイブルーパス、日本代表とキャプテンを歴任。現役引退後はドラマ「ノーサイド・ゲーム」出演や、現在『news zero』木曜パートナーなど、幅広く活躍中。11歳長女と8歳長男の父。
普段は子どもたちとコミュニケーションを取る時間が少ないという話を前回しました。
そこで最近は、仕事で出張するときに子どもたちを連れて行くようにしています。家族との時間も作れるワーケーションですね。僕自身が、どうやったらうまく両立できるようになるか、要領が良くなってきたように思います。
去年は北海道での仕事があり、その日程に合わせて家族で一緒に北海道へ。
仕事の後は延泊して、定山渓や小樽、余市を巡りました。
娘は「乗馬がしたい」、妻は「美味しいごはんが食べたい!」、とそれぞれニーズが違うのですが、息子にいたっては「何もしたくない」と(笑)。
でも、息子は大自然が好きなので、ほったらかしにしておいても大丈夫でした。やっぱり北海道は、住んでいる神奈川の自然とはスケールが違う。それだけでも十分に楽しんでくれたようです。
そして僕自身が行きたかったのは余市のワイナリー「ドメーヌ タカヒコ」。
オーナーの曽我さんに直接お会いして、ワイン作りのこだわりや工夫について、いろいろ教えてもらいました。やはり、その場所で実際に話を聞くと、感銘を受けます。書いてあることを読むのとは違いますね。背景を知ると愛着がわき、ワインの味わいまで変わってきます。
曽我さんのワイナリーの近くでワイン生産されている方の中には、ラグビーをされる人もいて、「今度は一緒にやりましょう!」という約束もしました。旅に行くと、人の温かさを感じ、絆が深まりますね。
僕自身も、いつかはワイナリーを持ちたい! という夢があるのですが、本当に勉強になりました。行って良かった!
宮崎では、農家さんと一緒に家族で田植え&稲刈り体験をしました。
子どもたちも、田んぼで泥まみれになったり、稲刈りで腰が疲れることを実感したり、めちゃくちゃいい経験になりましたね。
熊本でも家族で乗馬を楽しんだことがあります。
大自然の中で動物と触れ合ったり、作物の収穫体験をしたりすることは、とても大事だと思います。実際に現地で頑張っている人たちの姿を見て、声を聞きながら、そういったことに取り組むのが教育のひとつだと思っています。
でもだからといって、僕が子どもたちに「稲刈りとはこういうことだよ」と言うつもりはありません。
わいわいと楽しそうにしゃべりながら体験して、〈なるほど、お米はこうやって作られて、最終的にはこうやって食卓に届くねんな〉とか、〈こんなに大変なことだったんだ〉というのを、子どもが自ら体感して気づいてほしいなと思っています。聞いたり読んだりするだけではなく、実体験から得られる経験・感覚を大事にしたいと思っています。
日本中を旅して、さまざまなことを肌で感じ取り、地域のことを深く知る。
僕も子どもたちと一緒に勉強しているんですよね。家族みんなで初めてのことを経験するのも楽しいし。
子どもが「行きたくない」と言う時もありますが、とりあえず行ってみたら、意外と楽しんでいるんですよね。その後は疲れてしまうけれど「疲れた」ということも含めて、いい勉強です。
まだまだ今は〈旅行に連れて行かされている〉と思っているかもしれませんが、将来そのうち〈家族で行ったあの場所は面白かったな……〉と気づいてくれたらいいですね。
改めて〈家族旅行って、いいな〉と感じました。
【廣瀬俊朗の「パパはオモロい!」】②僕が子どもの頃にはなかった価値観を日常の中で娘から学んでいます
撮影/西 あかり 取材/東 理恵
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