【漢字】「ご静聴ありがとうございました」は間違い!実は知らなかった、間違えやすい漢字5選|CLASSY.

多くの人がパソコンで文章作成を

多くの人がパソコンで文章作成を行うようになった昨今、漢字変換機能によって、かつてのように自分で書こうとした言葉の漢字が思い出せないということはなくなりました。ところが、言葉には「発音が同じで意味が違う」、いわゆる「同音異義語」や「同訓異義語」が存在します。たとえば、「コウエン」という言葉を使いたくても、「後援・公園・講演・公演・好演……」といろいろ出てきます。もちろん、使い分けを間違いやすい言葉には簡単なガイドが表示されますが、自分で使い分けられることが大切なのは言うまでもありません。
今回は、変換の際につい間違えてしまいそうな「誤用例」を紹介します。正しく変換しなおせるでしょうか?

 

誤用例1.ご静聴ありがとうございました

多くの人がパソコンで文章作成を

誤変換:ご静聴ありがとうございました。

多くの人がパソコンで文章作成を

正解:ご清聴ありがとうございました。
「人が自分の話を聴いてくれることに対し、その人を高めて言う」場合は、「清聴」です。「静聴」は、単に「人の話を静かに聞く」場合(「ご静聴願います」など)に使います。

誤用例2.運賃を清算する

多くの人がパソコンで文章作成を

誤変換:窓口で乗り越し運賃を清算する

多くの人がパソコンで文章作成を

正解:乗り越し運賃を精算する。
「料金などを細かく計算をし直して、その過不足を正す」場合は、「精算」です。「清算」は、「これまで関係していた事柄にきまりをつける」場合(「過去の清算」など)に使います。

誤用例3.被害を保障する

多くの人がパソコンで文章作成を

誤変換:台風の被害を保障する。

多くの人がパソコンで文章作成を

正解:台風の被害を補償する。
「与えた損失をつぐなう」場合は、「補償」を使います。「保障」は、「ある地位や状態がそこなわれないように保護して守る」場合(「言論の自由を保障」)に使います。「ホショウ」には、もう一つ間違いやすい「保証」がありますが、こちらは「確かであると請け合う」場合(「品質を保証」など)に使います。

誤用例4.車両の侵入はご遠慮願います

多くの人がパソコンで文章作成を

誤変換:これより車両の侵入はご遠慮願います。

多くの人がパソコンで文章作成を

正解:これより車両の進入はご遠慮願います。
「人や乗り物がその場所に向かって進み入る」場合は、「進入」です。「侵入」は、「他の領分に不法に入り込む」場合(「家宅侵入罪」など)に使います。

誤用例5.体育館を解放する

多くの人がパソコンで文章作成を

誤変換:近隣住民に体育館を解放する。

多くの人がパソコンで文章作成を

正解:近隣住民に体育館を開放する。
「制限をなくして、だれでも自由に出入りできるようにする」場合は、「窓や門を開ける」のと同じく、「開放」を使います。「解放」は、「束縛や制限を解いて自由にする」場合(「人質の解放」など)に使います。

初めに間違いを含む問題文を見てしまうと、意外にできないものですよね。

《参考文献》
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)
・「漢字の読み書き完全マスター本」(K.Kロングセラーズ)
・「漢検ポケットでる順 2級」(旺文社)
・「頻出 入試漢字コア2800」(桐原書店)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)