２月に上演される話題作、「舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語」。全4回でお届けしているスペシャルインタビューのラストはテレビドラマで共演したことで仲を深めている七海ひろきさんと瀬戸かずやさんに、宝塚時代の思い出、そしてCLASSY.が発信しているウェルビーイングな考え方についてお話いただきました。

――CLASSY.ではウェルビーイングなライフスタイルを発信しています。まず自分がハッピーになったり自分を高める行動をすることで、自分の周りや社会も一緒にハッピーにしていきたいというスタンスですが、メンタリティの面でお二人が意識している〝ウェルビーイングなこと〟を教えてください。
七海　うーん。何かな…。
瀬戸　うーん…。
瀬戸　カイさん（七海さんの愛称）が周りを気遣ってくださることで、場が和んでいます。
七海　え、私？　そう？
瀬戸　現場で「体調どう？」など声をかけてくださいますし、会っていないときもLINEで「お疲れ様！」と連絡をくださいます。気にかけてくれていると思うと嬉しくなりますね。それを自然にやっているカイさんはカッコいいです！
七海　私も初めての現場は緊張するけれど、ちょっとしたことでも声をかけたり連絡をすることで友好って深まるなと思ったんです。それぞれ違う活動をしていることが多いので、少しでも早く仲良くなれたらと思っています。
瀬戸　そうですね、今のお仕事の仲間とは一緒にいられる時間が短いですから。なので、カイさんが声をかけて皆の心の扉を開けてくださるのがありがたいです。
七海　私のウェルビーイングは、あきら（瀬戸さんの愛称）が見つけてくれました！（瀬戸さんに向き直って）ありがとうございます！
瀬戸　（七海さんに向き直って）こちらこそ、ありがとうございます(笑)！
七海　あきらはですね、今みたいに私が「………」となったときに、サッと気の効いた事を言ってくれるんです！　いい所をすぐに思いつくのは人のことをよく見ているからだと思いますし、自分の事より人を優先できる行動力がカッコいいです！
瀬戸　照れます！
七海　アンテナがすごいんです。アンテナを張り巡らせて、気分が落ちている人を見つけると助けてくれる！　これが、あきらのウェルビーイングです。
瀬戸　私のはカイさんが決めてくださいました(笑)！　宝塚時代は足音や荷物の置き方でその人の機嫌がわかるくらい、アンテナを張っていました。そうする前は失敗ばかりしていましたね。失敗が続くとマイナスに考えてしまい、前に進めなくなっていたんです。そんなときに「アンテナを増やしなさい」とアドバイスをいただきました。周りのことを感じるようにしたら、自分がどうすればいいかわかるようになったんです。そして、どうせやるなら皆で楽しくやりたいと思うようになってから、テンションが低い人を見つけるセンサーが敏感になりました。見つけたら引き上げて、一緒に楽しくやる！という感じです(笑)。
七海　私達のウェルビーイング、何か似ているね。
瀬戸　幸せな雰囲気に包まれているのが好きなんでしょうね！

――「これがあればハッピー！頑張れる！」という自分にとってのご褒美的なものは何ですか？
七海　私は甘い物があれは頑張れます！　なかでもチョコレートが大好きです！　お稽古中に糖分を急激に欲するときがあるんですが、チョコをパッと食べれば落ち着きます。チョコがどう作用しているの？と思いますが、脳までしっかり栄養が行き届く感じです。
瀬戸　チョコ味、チョコがけ、かたまり、どれが好きですか？
七海　かたまり！　純粋なチョコがいいです！
瀬戸　私はお酒です(笑)！　お酒と聞いただけでテンション上がるくらい好きです。今日頑張ったご褒美に、と一人で飲んでいます。血液はアルコールかもしれないです(笑)。
七海　強いんだ！　知らなかった。
瀬戸　強いと思いますがちゃんと酔っぱらいますし、記憶もなくします(笑)。皆で楽しく飲むのが大好きです！
七海　私は弱いので一杯で顔が真っ赤になりますが、皆でワイワイしている場は好き！
瀬戸　今は皆で集まれませんが。いつか飲みましょう！
七海　美味しいチョコ、持って行くね！

――宝塚OGとしての関係性についてお聞きします。七海さんは89期、瀬戸さんは90期と一期違いですが音楽学校でのお互いの印象を教えてください。
七海　ほぼ接点なかったよね？
瀬戸　お話ししたことはないと思います。
七海　でも、背が高くてこの声でカッコいいですからね、目立っていました！
瀬戸　(笑)。カイさんは当時から今と変わらぬおおらかなオーラが出ていました！
七海　おかしいなぁ。カッコいいオーラが出るように頑張っていたんだけど(笑)。
瀬戸　どちらのオーラも出ていました(笑)！

――七海さんは’09年に『Amourそれは…』で、瀬戸さんは’10年に『麗しのサブリナ』でそれぞれ新人公演主演を務めましたがお互いを意識していましたか？
瀬戸　あの頃は生きるのに精一杯で。他の組までアンテナを張れていませんでした。
七海　私も生きるのがやっとだった(笑)。でも『麗しのサブリナ』の新人公演の舞台稽古は観ました。
瀬戸　えーーっ！　今、冷や汗かきました！
七海　なんてスーツが似合う方なのだろうと思ったのを覚えています。とても落ち着いていて、凛と舞台に立っているなと思って観ていました。
瀬戸　それどころじゃないくらい大変でした！
七海　そうだよね、本人はそれどころじゃないんだよね(笑)。でも、かっこよかったよ！
瀬戸　すごい昔のことですが、誉めていただけて光栄です！

――七海さんは「お兄様」、瀬戸さんは「アニキ」と呼ばれていました。お互いにどんなところがお兄様っぽい、アニキっぽいと思いますか？
七海・瀬戸　(笑)！
瀬戸　お兄様はずっと「お兄様」って呼ばれていますけど、私は突然「アニキ」になったんですよ。退団発表の見出しに「花組のアニキ」と入り、それが定着していった感じです。
七海　頼りがいがあるアニキのイメージがぴったりなんだよ。私もドラマの現場であきらは頼りになるなって思ったよ。地図でさ…(笑)！
瀬戸　地図(笑)！
七海　私、スマホで地図を見ると矢印の方向にスマホを向けてグルグル回っちゃうタイプなんです (笑)。先日もグルグル回っていたら、あきらが「こっちですよ」とリードしてくれて！　キュンでしたね(笑)！　前回のインタビューでお話しした上野の美術館は「行こうよ！」と誘ったのは私なんですが、休館日や営業時間、道順を調べてくれるのはあきらなんです。あきらが美術館の前まで連れて行ってくれました！
瀬戸　カイさんがグルグル回らないように(笑)、アニキがすべてご案内します！　私からすると、誘ってくれる優しさが「お兄様だな」って思います。その優しさは現場でも溢れていて、スタッフの方にも気遣いの言葉をかけていらっしゃいます。転びそうになったスタッフさんを助けて手を差し伸べたときは、リアルなイケメンを前にして皆がキュンでした(笑)！

――では、「私だけが知っている『お兄様』『アニキ』の素顔」はありますか？
瀬戸　私はカイさんの「雨やめー」の晴れ乞いダンスが好きです(笑)。
七海　あれ、話すの(笑)？
瀬戸　ドラマのロケで雨が止んでほしい時に、一人で天に向かって両手を上げて「雨やめー、雨やめー」と踊っていて。あの素朴さはキラキラのお兄様からはイメージできなかったですね(笑)。本当に雨が止んだので「さすがお兄様！」と思いましたけど。
七海　私はあきらの歩き方が「アニキか？」と思いましたね(笑)。
瀬戸　歩き方ね(笑)！
七海　アニキだったらスッ、スッとか、ガッ、ガッと歩くと思いますよね？　でも、本当はテトテトゆっくり歩くんです(笑)！　私がゆっくり派なので「合わせてくれている？」とちょっと観察してみたら、あきらも本当にゆっくり派だったので(笑)。「アニキなのにかわいいー(笑)」って思いました。
瀬戸　仲良くさせていただいてからまだ日が浅いですが、ゆるいのバレましたね(笑)。
七海　お互いゆっくりだから合うんだと思います。この心地よさが舞台を楽しいものにしてくれそう！
瀬戸　雰囲気の良さは舞台に反映しますから！　お兄様について行きます！
七海　ゆっくりだから、皆ついて来られるはず(笑)！

撮影／木村 敦　ヘア／塩田勝樹（七海さん分）、LISA（瀬戸さん分）　メーク／武田サオリ（瀬戸さん分）　取材／よしだなお　構成／中畑有理(CLASSY.編集室)