【週末観たい映画案内】藤ヶ谷太輔のダメ男っぷりが徹底的!『そして僕は途方に暮れる』

映画そして僕は途方に暮れるの1シーン中尾明慶と藤ヶ谷太輔

『娼年』『愛の渦』など人間の心の深部をえぐる演劇や映画を世に出し続けている三浦大輔監督の舞台を映画化。「Kis-My-Ft2」の藤ヶ谷太輔が、自堕落な生活を送るどうしようもないフリーターを演じる。一緒に過ごす恋人、友人、先輩、家族から、都合が悪くなるとすぐに逃げ出し、逃げて逃げて逃げ続けた先に待っていたものとは?

『そして僕は途方に暮れる』あらすじ紹介

映画そして僕は途方に暮れるメインカット

フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は特にやりたいことや目標もなく、自堕落な日々を過ごしている。ある日、同棲して5年の恋人・鈴木里美(前田敦子)と些細なことで言い合いになり、話し合うことから逃げて家を飛び出してしまう。

その夜から幼なじみで親友の今井伸二(中尾明慶)、バイト先の先輩・田村修(毎熊克哉)、気が合わない姉・香(香里奈)の家を渡り歩くが、居心地が悪くなるとその場から逃げ出すことを繰り返し、ついには母・智子(原田美枝子)が1人暮らす故郷、北海道・苫小牧へ辿り着く。

だが結局母とも気まずくなり、雪降る街へ。行き場をなくして途方に暮れる裕一は、かつて家族から逃げて行った父・浩二(豊川悦司)と10年ぶりに再会する。「俺の家に来るか?」という父の誘いに、裕一はスマホの電源を切り、いっさいの人間関係を断つのだが……。(プレス資料参照)

【見どころ①】藤ヶ谷太輔さん演じる主人公のクズ男っぷりに途方に暮れる

映画そして僕は途方に暮れるの1シーンより前田敦子と藤ヶ谷太輔

藤ヶ谷太輔さん演じる主人公・裕一は、とにかく逃げグセがあるダメな男。恋人とは5年も同棲しているのに、生活すべてを会社員の彼女に任せて甘え、いまだにバイト生活で将来のことを考えている様子もありません。親友宅へ転がりこんでも何の遠慮もせず我が家のようにくつろぎ、温厚な親友をキレさせてしまう始末。母親や姉ですらそんな彼のすべてを受け止めきれないのですから、そのクズ男っぷりは徹底していて逆に清々しく、クスリと笑えてきてしまうから不思議です。

【見どころ②】エンドレスにテイクを重ねた過酷な撮影現場

映画そして僕は途方に暮れるより豊川悦司

三浦監督は、舞台の場合は稽古を、映画の場合はテイクを重ねることで有名。納得いくまでとことんこだわるタイプなのだとか。例えば主人公の裕一が振り返るシーンでだけでも50回も繰り返したと、藤ヶ谷さんがインタビューで語っていました。そのため、逃げて逃げて逃げまくって追い詰められる裕一の姿が自然と映像ににじみ出ています。

作品の完成披露試写会の舞台挨拶では作品に絡めて「逃げ出したかったこと」を聞かれ、どのキャストも「三浦組の撮影現場から逃げ出したかった」とボヤキが止まらず。その演出はベテラン俳優相手でも容赦なく、裕一の母親役を演じた原田美枝子さんは「正解がわからなかった」と終わりが見えない撮影現場に困惑した様子を見せていました。また、お菓子を食べながら親子で会話するシーンを撮影した父親役の豊川悦司さんは、テイクを重ね過ぎてあるお菓子を「100個くらい食べた」と、笑いながら話していました。

【見どころ③】物語の着地点はどこに? 主人公に反発しつつも共感も

映画そして僕は途方に暮れるより香里奈と原田美枝子

最終的に自分達家族を捨てた父親の元へ転がり込み、スマホの電源も切ってしまった主人公・裕一。あまりのクズ男っぷりに最初はイライラするのですが、だんだん、自分も完璧じゃないしな……逃げてきたこと、向き合うのを避けてきたこと、ないわけなじゃないしな……、むしろいっぱいあるかも?と、共感し始めてしまう自分に気がつきます。結局裕一は変わろうとするのか? 今までの報いを受けるのか? これからも逃げ続けるのか?ーーラストが気になる中、「ここですか!」という着地点を見つけた三浦監督、やっぱりすごいです。

作品情報

映画そして僕は途方に暮れるポスター

『そして僕は途方に暮れる』
1月13日(金)  TOHOシネマズ 日比谷ほかにてロードショー

  • 脚本・監督:三浦大輔
  • 原作:シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」(作・演出 三浦大輔)
  • 出演:藤ヶ谷太輔、前田敦子、中尾明慶、毎熊克哉、野村周平/香里奈、原田美枝子/豊川悦司
  • 音楽:内橋和久
  • エンディング曲:大澤誉志幸「そして僕は途方に暮れる」
  •  製作:映画「そして僕は途方に暮れる」製作委員会

©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

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