SHELLYさん「『性加害』にもっと注目が集まってほしい」

※このコラムはVERY2022年11月号(2022年10月6日発売)に掲載されたものです。

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VERY2022年10月号のステップファミリー特集、たくさんの反響をいただきました! 子連れ撮影は思うようにいかず、最終的には張り切っていた長女のほうが電池切れ(笑)。でも、いい記念になりました。この企画への登場を機にステップファミリーだということをオープンにされた方もいたそうで、「ステップファミリー」という言葉が広まることで、いろんな家族の形も受け入れられてほしいと思います。

一方で早く言葉が見つかってほしいのは「夫さん問題」。収録でもちょくちょく頭を悩ませています。子どもがいる夫妻の夫に話す場合「お父さんは」という呼称を使うことが多いのですが、そうでない場合とても呼称に困るんです。「ご主人は」という呼称は私が相手の関係に優劣をつけてしまっている気がして、できれば避けたいと思っていて。本当なら「夫さん」と呼びたいけどそれがしっくりこない場面も多いし…。「パートナーさんは」と言えば、「あ、結婚してます、主人です」と〝妻さん〟に返されたり。何かいい呼び方がないものでしょうか? 言葉が変われば認識が変わることって、たくさんあると思うんですよね。

その一つに、少し前まで耳慣れなかった「性加害」もあると思います。この言葉が使われ出したことで、その行為がなぜダメなのかもっと注目が集まってほしい。連日の性加害報道で納得がいかなかったのが「酒の席なんだから」「相手はホステスでしょ」という反応。性加害には違いないのに、日本では宴席の「失敗」にはとても甘いですよね。被害者がどんな人かばかりに注目するのはよくない風潮だと思うし、「今から、あなたと、これがしたいのですけどいいですか?」という同意は、全ての人・行為に対してとるべきもの。これはどんな職業だとしても同じです。「ホステスだから仕方ない」という雰囲気があったことは、とても危険だなと思いました。そして酔ったからといって初めから性加害行為ができる人は多分いないわけで、周りが「ダメですよ」と言えず愛想笑いをしている間に長年かけてエスカレートした結果なんですよね。

また、たとえば性加害をSNSで訴えた場合「Twitterなんかしてないで警察行け」と必ず言われますが、今の日本の法律では性加害を立証するのはとても難しい。被害者の証言だけでは証拠にならず、しかも「不同意だった」と加害者が認めても、被害者が恐怖ゆえフリーズしていたことで「嫌だと抗った証拠がない」と無罪になった事件がありましたが、本当に怒りを感じましたし、違和感を覚えます。刑法の性犯罪規定が2017年に改正されましたが、個人的にはもっと法改正が進み、欧米同様の「不同意性交等罪」が認められるようになってほしいなと思います。

そして、勇気を持って声を上げる人をみんなで守りたい。「16歳で浴びるほどお酒を飲まされた、混浴を強制された」などと告発Tweetした京都の舞妓さんの件がありましたが、次なる告発が出ないことに不安を感じます。告発の中身は児童労働だし、人権侵害だと思いました。伝統の名の下に、人権を蔑ろにされている女の子たちが他にもいるのではととても心配です。

日本の「伝統」はもちろん素晴らしい。ですが、アップデートが必要なのではと思う部分もあります。子育て世代はお宮参りなど伝統的な儀式やお祝いと縁が深くなる時期でもありますよね。伝統文化を子ども世代に伝えていく際に、今一度「伝統」の内容について考えてみたい。そしてすべての職業の女性たちが、等しく尊重される社会になってほしいなと思っています。

◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。6歳と4歳の娘の母。

VERY2022年10月号で家族写真を撮ってもらった時の様子です! プロのヘアメークさんに触ってもらってウキウキな長女♥ 次女はヘアメークのお手伝いしてくれました笑

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撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2022年11月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。