中性脂肪は肥満のサイン!医師が教えるコレステロール値の正しい見方とは
だいたいの人は体の中の変調に気づきません。血液検査は負担が軽く、血液は体の症状によって常に変化するため、最新の結果がわかります。ただ受けるだけでなく、健康になるチャンスを摑むために、検査結果のポイントを知りましょう。今回脂質代謝の見方について説明します。
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血液検査の【脂質代謝】で何がわかる?
脂質代謝の要は、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)。この3つの血中濃度が異常になると動脈硬化を引き起こします。脂質異常、高血糖、高血圧、内臓脂肪型肥満のうち2つ以上が当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。
東京・銀座にあるAGE牧田クリニック院長。糖尿病専門医。医学博士。1979年北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学生化学講座で、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行い、高い評価を受ける。『医者が教える食事術 実践バイブル』(ダイヤモンド社)など著書多数。
\検査項目の意味をチェック/
総コレステロール:ホルモンの原料となる大切な脂質ですが、多いと動脈硬化の原因に。TG(中性脂肪):大事なエネルギー源ですが多いと肝臓や皮下脂肪に蓄えられ肥満に。
HDL-C(善玉コレステロール):血管の壁に付着して、余分なコレステロールを肝臓に運んでくれる。
LDL-C(悪玉コレステロール):コレステロールを末梢細胞に運搬。増加は動脈硬化の危険因子に。
血管ボロボロ?総コレステロールとLDL-Cの数値に注意
血液中の脂質は血管を傷つけます。増えて血液中にあふれたLDLコレステロールは血管の壁にたまり、炎症を引き起こします。それらの修復のために集まった血小板が剥がれて血栓になり動脈硬化の原因に。
TG(中性脂肪)は肥満のサイン
体脂肪のほとんどを占めるのが中性脂肪。肝臓で増えすぎると脂肪肝、皮下脂肪に蓄えられれば肥満の原因に。食生活、運動不足を改善すれば、この表のように数値は下がります。
HDL-CとLDL-Cの2つの違いって何?
悪玉のLDLコレステロール値が高いと動脈硬化の危険が増します。女性は閉経後にLDLコレステロールが高い数値に。善玉のHDLコレステロールは体の過剰なコレステロールを掃除し、取り除きます。
▶原因は?
中性脂肪は脂の摂取によるものではなく、炭水化物が変化して取り込まれたものです。コレステロールは、油脂や卵、乳製品の過剰摂取で上昇し、家族性や体質的に高い場合もあります。このように、コレステロール値と中性脂肪値の上がる原因は異なるので、それぞれ注意を。
▶こんな危険が迫ってる!だから次にやるべきことは?
脂質代謝に異常をきたし、血中の量が正常域を外れると脂肪肝、動脈硬化、糖尿病などさまざまな疾患の原因に。コレステロール値については、心臓の冠動脈にLDLコレステロールが溜まり、狭心症や心筋梗塞を起こすことも。動脈硬化が進行しているかは「冠動脈CT」という最新の検査機器で検査することができます。
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