憧れの手作りパンのある生活へ!②パン生地の「伸ばしこね」は100均のまな板でトライ!【はまくま】

週末、手作りの焼きたてパンを囲んでのんびりブランチできたら素敵!でも自分でパン作りをするのはハードルが高い。そう感じている人は多いのではないでしょうか。おうちでパンを作ろうとして、大変だったことで、多く挙がるのがこの3つです。

おうちでパン作りを阻む3大問題

  1. パンを捏ねる場所がない
  2. パンの発酵が難しい
  3. パンの生地のべた付きが苦手

私はこれを「おうちパン作り3大ハードル」と呼んでいます! 今日はハードルその1「パンをこねる場所がない」を解決していこうと思います。

パン生地は、伸ばし・こね不要!混ざればOK

実はパン生地は必ずしも伸ばしてこねる必要はないのです。ボウルの中で混ぜてひとまとめにしても生地はできあがります。
ホームベーカリーをお持ちの方は、そっと蓋を開けてみるとパン生地がグルグル回ってこねられているのが見られますよね。同じことを自分の手で繰り返せば良いのです。

小麦粉に水分を加えて、さらに物理的な圧力が加わるとグルテンという弾力と粘りのある物質ができます。グルテンができることで、私たちの大好きなもっちりふんわりしたパンへと仕上がっていきます。

つまり、グルテンができてまとまればOKなので、ボウルの中で材料をしっかり力を加えて混ぜてあげて、材料のむらがなくもっちりして伸びがよくなるまでこね続ければ、「伸ばしこね」が不要なのです。

私も結婚当初小さなマンションに住んでいた時、パンを伸ばしてこねる場所がなくて、大きなボウルのへりで生地をぎゅうぎゅう押し付けながらこねて仕上げていました。でもやっぱり伸ばした方が早いし、生地の状態がわかりやすいので、こねる場所がないけど伸ばしこねする方法を考えてみました。

【1】水分以外の材料をざっと混ぜる。

【2】 水分を入れたらひとかたまりになるまで混ぜる

【3】押し付けてたたむを繰り返してしっとりするまでこねる。

リアルな声集めました!「こねる場所どうしている?」

私は、キッチンの台にアルコールスプレーをしてよく消毒して、こねています。私の教室の生徒さんでも同じようにしているという方が多かったです。

次に多かったのがペストリーボードを使っている方々。ペストリーボードはパンやクッキーを伸ばせる台で、木や大理石、シリコンなど色々な素材のものが市販されています。実際におうちで使っているボードの写真を送ってもらいました!

生徒さんの意見を総合すると、優勢なのは木とシリコン。大理石は憧れるけど重いのとしまう場所がネックで選ばれず。シリコンマットはクルクル丸めて収納できるのが利点だそうですよ。

キッチンの作業台にをルコールスプレーでよく消毒して、こねます。

『クオカ』の木製ペストリーボード。

クルクル丸めてコンパクトに収納しておけるシリコンマットも人気。

検証!バットとソフトまな板で「伸ばしこね」はできるの?

キッチン台を消毒してこねられるといっても、なんとなく衛生的に抵抗がある、かといっていきなりペストリーボードを買うのもためらわれる。そんな方のために身近なもので伸ばしこねできないか試してみました。

【1】大きなホーローバット(550円。約30×26センチくらい)

ナチュラルキッチンで買ったホーローのバットの下に滑り止めシートをしてこねてみました。平らでよい感じですが、もう少し伸ばしたいところで縁が来てしまいサイズがやや足りない気がします。悪くないけど、もう一声!という印象。

『ナチュラルキッチン』のホーローのバットと、滑り止めシート。

ホーローのバットこねてみましたが、もう少し伸ばしたいというところで縁が来てしまい、ややサイズが足りない印象。


【2】ソフトまな板(110円 33×23センチくらい)

100円ショップで買った薄いソフトまな板。こちらも滑り止めシートを敷いてこね始めました。これはなかなか良い感じです!ホーローバットだと縁が気になって思い切りこねられなかったのが、こちらは気持ちよく伸ばせます。

100円ショップで買った薄いソフトまな板と滑り止めシート。

バットでは気になった縁がないので気持ちよく伸ばせます。

しっかりこねることができました。

どちらも工夫次第ではパン作りのお助けグッズとして使える印象。ある程度ボウルでしっかりこねてから最後に仕上げでソフトまな板で”伸ばしこね”するなど、”ボウルこね”プラスお助けグッズのハイブリッド方式でもよいかもしれません。

ちなみにホーローもまな板も滑り止めをしていても結構動きますが、滑り止めがないとさらに安定せず生地を伸ばすことができません。木のペストリーボードを使っている生徒さんも置く場所によっては動いてしまうと言っていたので、何か置いてこね台代わりにする場合は、滑り止めシートは必須なようです。

【バットやまな板はこね台以外にも大活躍】

伸ばしこねに使う以外に、形をつくる前のパンを置くのにもぴったり。こうして載せておくとさっと移動させられ、手元が広くなるので便利です。

【伸ばし捏ね・結論】

  • 伸ばさなくてもパン生地は作れるけど、伸ばしてこねた方が早く仕上がる。
  • 滑り止めを敷いて、大きな面積のあるものを載せればこね台として代用可。

専用の道具を買わなくてもおうちにあるものでもパン作りは可能です。

この記事がヒントになって、手作りパンのある生活の一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです。

自宅の教室でも11年間パンを教え続けていますが、もっとたくさんの方にパン作りの楽しさを知って欲しくて、この度、「Mart Creative KITCHEN」で動画レッスンをスタートしました。基本の生地2つから、毎日食べたいシンプルパンからプレゼントしたくなるかわいい動物パンまで6つのパンが作れます。食卓を楽しくするサンドイッチ作りのコツや、テーブルコーデのコツもお伝えしているので、パン作りにすぐトライしない人にも楽しんで頂けますよ。

写真・文/はまくま

 【Profile】はまくま


2011年に「かわいいパンとたのしい暮らし」をテーマに横浜市の自宅でおうちパン教室をスタート。独自のレシピやクラフトを活かしたおもてなしテーブルが評判となり、開始1年でキャンセル待ちが100人を超える人気教室に。以来募集したレッスンはすべて満席、予約の取れない教室と呼ばれている。ハンドメイド商品の開発をしていた経験を活かした「型紙でパンのバランスを取る」という料理の常識に捉われない柔軟な発想も話題。パンムックのレシピ開発、パン型のレシピ監修なども手掛ける。レッスンメニューでは、ひとつの生地から「かわいいくまパン」と「毎日食べたいスタンダードなパン」を展開し、おうちでの復習のしやすさも心がけている。フードコーディネーター/パンシェルジュプロフェッショナル

教室  https://hamakuma.net/
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