幸せな子連れ再婚って?「離婚した時、私は絶対再婚する!と思ったんです」

子供がいると離婚を留まってしまいがちですが、幸せな子連れ再婚をされている方もいるのです。今月は、出会いからのサクセスストーリィと現実的な悩み、そのリアルなところを語っていただきました。

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◯ 話してくれたのは...斉藤由紀さん(仮名)

東京都生まれ。大学卒業後医療関係の会社に就職。その後2度転職し、今は食品会社に勤務。人にやさしく、真面目な性格。斉藤由貴さん似の微笑み顔美人。26歳で初婚、37歳で再婚。長女16歳、次女14歳。

夫 東京都生まれ。メーカー勤務の会社員。穏やかで前向きな性格。趣味は映画鑑賞、読書。前妻との間に20歳の長女1人。現在はステップファミリーで神奈川県に暮らす。

子連れ再婚して5年。2度目で理想の夫に巡り合い、すごーく幸せな毎日。結婚は誰としても一緒だという人もいますが、私の場合は天国と地獄。考え方が似ている人を見つけたことが幸せになる近道でした。

最初の結婚は合コンで出会った2歳年下の元夫と26歳のとき。外見もタイプでしたし、性格も楽しくて明るく優しい人で、半年くらいお付き合いしたときにできちゃった婚で入籍しました。だから相手をまだ十分に知らない間に流れに任せて結婚してしまったのです。今思うとそれがいけなかったのだと思います。

事務の仕事を続けながら、長女を出産後、2年後には次女も生まれ、形だけはとても理想的な家族に見えていたと思います。でも根本的な考え方の違いが生活していくにつれ、浮き彫りになっていきました。

真面目で将来を見据え、リスク回避したい私に対して、元夫は将来よりも今が楽しければいいというタイプ。子育てに対してもたとえ口うるさくてもきちんと躾けたい私に対して、元夫はその場限りであやふやにしてしまう。経済観念も今が良ければいいと貯金すらするのを嫌がりました。友達だったらいい人ですが、夫としては問題あり。結婚後数年で離婚したい気持ちが芽生えていましたが、当時私は大学を卒業した直後から、うつっぽく精神的に不安定な状態で、楽しさや喜びよりも怒りや悲しみに耽ることが多く、気にしない性格の元夫はそんな私の状態を非難することもなく、いい意味で流してくれていました。だからこそ結婚が10年間も続いたのだと思います。

そんな中、決定的に離婚したいと思ったのは、夫の趣味のゲームが原因。朝起きたらゲーム、家に帰ってきて食事が終わったら自分の部屋にこもってゲーム、夜遅くまで睡眠時間を削ってまでやっていました。子供の相手も適当にするけれど、ゲームのほうが熱心。まるでゲームが夫の一部のような存在になっていました。「ゲームをやめて」と再三伝えましたが反応はなく、我慢していました。

それがエスカレートし、ゲームをやる度合いが私の許容範囲をすっかり超えてしまったとき、「もう好きにしたら?」と投げやりな気持ちになり、ひそかに離活をスタートしたのです。唯一子供たちのことが心配でしたが、夫婦喧嘩が絶えず、父親がいなくても家の中が平和なほうが子供にとっても良いはずだと前向きに考えていました。

離婚にまつわるさまざまな本を読んだり、メンタルをケアするセミナーに出席したり、着々と準備。恵まれたことに実家が近く、離婚後に住む家も心配なく、両親も説得しました。夫に離婚したい旨を伝えると、すぐに承諾しましたが、親権を欲しいと言われたのです。「一人で育てられるの? 子育てって大変なのよ」というと「できる」と言うので、「じゃあやってみたら」と私は家を出て様子を見ました。親権を譲る気は0%でしたが、夫の性格上やれるわけがないと思ったのです。

案の定1カ月もたたないうちに音を上げ、晴れて子供の親権も取って、36歳のときに協議離婚しました。本当にすっきりしました。何の未練もありませんでした。経済的に不安ではありましたが、子供たちもまだ小学生でお金もかからなかったし、実家の世話になりながら、私も仕事を続け、心機一転、新生活がスタートしました。

実は離婚前から継続して出席していた金融セミナーがあり、そこで出会ったのが今の主人。私は子供の保険について、そこで学んでいました。夫は私より10歳年上で、そのセミナーの中でリーダー的な存在となり、みんなにメールアドレスを教えて、相談を受けていました。最初はわからないところを聞くためにメールをし、その後もちょくちょくメールで会話をするように。そこで夫も離婚を考えていて、娘のための貯金について勉強するのが目的だと知りました。

やがて彼も私が離婚する少し前に無事離婚。その後はプライべートな会話もするようになり、お互い気心が知れると、あるとき彼が韓国ドラマを見ることを勧めてきたのです。面白いことは知っていましたが、私の性格上見始めると止まらなくなることがわかっていたので、うまく誤魔化していました。でも何度も勧めてくるので、インターネットで観賞。そうすると面白くて、夫との会話がもっと弾むようになりました。

「じゃあ、今こう言う心境ならこのドラマ」「泣きたいときはこれね」と、私の心の状態や欲していることをうまく把握しながら、次々と新しいドラマを勧めてくれ、結果それを見ると心が落ち着いて前向きになったり、夫との距離もどんどん近くなりました。でも、考え方の相違で結婚に失敗している私だけに慎重に夫と会話をしました。

夫の元妻は酷いうつ病で家事もできず、仕事・子育て・家事を夫一人でこなしてきました。結果的に離婚することになりましたが、どんなことが起こっても自分の成長のためだと捉えてきたと言います。私自身も離婚の経験を通して、自分に与えられた課題だと前向きに考えるようにしていたので、深く話をするようになると、物の捉え方とか考え方がとても似ていることに気づきました。お互い惹かれ合うようになり、自然に再婚することになったのです。離婚から1年後のことで、私37歳、夫47歳のときでした。

実は離婚したときから、私は絶対再婚すると決意し、白馬に乗った王子様が現れると確信していたんです。一点の迷いもなかったし、そう思い込んでいました。一人で生きていくイメージはなかったですね。なかなか再婚できないと悩んでいる友人が何人かいるのですが、みんな子連れに不安を抱えていたり、もう年だから敬遠される、とか起こってもいないことに悩んで躊躇してるんです。決定的にみんなと私が違ったところは、100%再婚できると信じていたことかもしれません。図々しいのですが(笑)。

とはいえ、もちろん子供には可哀そうな思いもさせてしまったし、今も大変なところはあります。再婚にあたり、夫は娘2人も含めた私を受け入れると言ってくれ、今も自分の子供のように可愛がってくれています。でも躾に口うるさく、私にとってはありがたいことなのですが、前夫が何も言わなかっただけに、子供たちにしてみれば義父は鬱陶しい存在。ハラハラすることも多く、夫には「言いすぎじゃない?」と牽制し、子供たちには「あなたたちのことを思ってくれているから」とフォロー。こういう悩みは生じるに違いないと覚悟を持って再婚しているので、喜んで仲裁に入ろうと日々過ごしています。でも、年に1度は家族で沖縄旅行に行ったり、子供たちが好きな焼き肉屋さんやイタリア料理を食べに行くときは和やかですよ。

再婚してわかったことですが、最初の結婚では相手に自分の気持ちを伝えることを怠っていたんですね。性格的に、喧嘩になると黙ってしまうほうでした。でも、それが気持ちのすれ違いになっていたなと今ならわかります。夫婦でも伝えないとわからない。夫もいいことも悪いことも言って、と受け入れてくれるので、意識して自分の気持ちを伝えるようになりました。もちろん、感謝の気持ち、ありがとうも忘れずに言えるように。

今は幸せだなあ、と心から思えます。一緒にいて安心していられるのが何よりですね。

取材/安田真里 イラスト/あずみ虫 ※情報は2016年掲載時のものです。

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