大量の汗…それ更年期かも?【ホットフラッシュ】の解消法6つ

「急に顔が熱くなって汗が止まらなくなる」「頭がのぼせたようにぼーっとする」。 これらの症状は「ホットフラッシュ」と呼ばれていて、40代50代の代表的なお悩みの一つです。ホットフラッシュは体の負担になるだけでなく、大量の汗や顔のほてりなどが突然出てくるので人目も気になりますよね。今回は、症状を和らげる6つの方法をご紹介します。

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1:ホットフラッシュはなぜ起こるの?

ホットフラッシュが起こる原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が、発汗や血圧などを司る自律神経に影響するためです。女性ホルモンは、脳の視床下部と下垂体から指令を受けて卵巣から分泌されます。そして、自律神経をコントロールしているのも同じ視床下部です。更年期になると卵巣機能が衰え、視床下部から指令が出ていても女性ホルモンが分泌されにくくなります。指令通りに体が働かないので視床下部は混乱し、自律神経のコントロールも乱れてしまうのです。また女性ホルモンの減少以外でも、寝不足やストレス、運動不足など自律神経が乱れる原因があると症状が誘発されることがあります。

2:ホットフラッシュを和らげる6つの方法とは

以下では、ホットフラッシュを和らげる6つの方法をご紹介します。

①体温調整がしやすい服を着る

たとえ気温が低いときでも、突然暑くなるのがホットフラッシュの特徴です。暑さを我慢していると症状が悪化する可能性があるので、すぐに着脱できるパーカーやカーディガンなどで体温調整をしましょう。通気性や吸水性に優れる綿素材だと、より快適に過ごせます。

②半身浴やストレッチをする

ホットフラッシュの緩和には、自律神経の乱れを整えるのも有効です。38〜40℃のぬるめのお湯で半身浴をして睡眠の質を高めたり、軽いストレッチで血行を良くするなど、自律神経を整える生活を心がけましょう。

③刺激の強い食べ物を避ける

カフェインやアルコール、辛いものは、刺激が強いのでホットフラッシュのきっかけになることがあります。ホットフラッシュに悩んでいるときには、なるべく刺激が少ない食べ物や飲み物を選ぶのがおすすめです。

④大豆イソフラボンを摂取する

大豆製品に含まれる「大豆イソフラボン」は、分子構造が女性ホルモン(エストロゲン)と似ています。ホットフラッシュはエストロゲンの急激な減少が原因であるため、食事やサプリメントで大豆イソフラボンを摂ることで、症状が和らぐ可能性があります。

⑤ホルモン補充療法を受ける

ホルモン補充療法(HRT)は、ホットフラッシュのような更年期症状の改善のために一般的に使われている治療法です。原因である女性ホルモンの減少を直接的に補うことで、症状を緩和します。健康保険が適応される自己負担の少ない治療法です。

⑥漢方薬を飲む

漢方では「気」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスが崩れると、更年期症状のように体の不調が起こると考えられています。漢方薬で体のバランスを整えて体質改善を目指すことで、根本的にホットフラッシュが出にくい体作りを目指します。ホットフラッシュには、「原因のひとつである自律神経のバランスを整える」「血流を改善して血管の収縮を緩める」などの作用を含む漢方薬を選ぶとよいでしょう。血行を良くすることで、上半身にこもってしまった熱を流し、顔のほてりやのぼせ、発汗などの症状を改善に導きます。さらに、漢方薬は体質改善が目的なので、イライラや不眠などのホットフラッシュ以外の更年期症状にも同時にアプローチできる点がメリットです。以下では、症状の緩和におすすめの漢方薬を2つご紹介します。

ホットフラッシュでお悩みの方におすすめの漢方薬

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

比較的体力がなく、肩こりがあり疲れやすい人におすすめです。「気」「血」のバランスを整え過剰な熱を抑えるので、ホットフラッシュやイライラなどの更年期症状を和らげることができます(※1)。

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

体格がしっかりしていて赤ら顔の方におすすめです。滞った「血」の巡りを良くして、ホットフラッシュをはじめとした更年期症状を緩和します(※2)。

漢方薬は、自分の状態や体質に合う処方を選ぶことが重要です。うまく合っていない場合は、効果を感じられないだけでなく、副作用が生じることがあります。購入時には、必ず医師や薬剤師など、漢方薬に詳しい人に相談しましょう。

3:ホットフラッシュを和らげて、アクティブに過ごしましょう!

ホットフラッシュに悩まされると、人前に出づらくなったり、出かけることに不安を感じたりと、なかなかアクティブに活動しづらいですよね。症状の緩和には日々の工夫も大切ですが、専門家に相談して漢方薬を活用することもおすすめです。この症状の辛さから解放され、アクティブな毎日を過ごしましょう!

「あんしん漢方」(オンラインAI漢方)の薬剤師。お薬最適化薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。「生涯健康で楽しく」をスローガンに病気を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。また、「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーにお薬の選び方を広める活動や、ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート、TiktokやInstagramでファスティング・美腸の普及活動も行っている。Medicalhealthチャンネルに出演中。

教えてくれたのは……あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田早苗さん

[参考URL] (※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)」 https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8230 (※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)」 https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8232

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        美ST