【私の香り遍歴】美容エディター・松本千登世さんが“30年以上愛する”香りと纏い方とは?

香りはとてもエモーショナルで、パーソナルなもの。人それぞれの〝らしさ〟や雰囲気を醸し出すのも香りから。発売中のVERY NAVY12月号では、美容賢者たちにお気に入りの香りとの出合いについて語っていただいています。今回は、美容エディター&ライター・松本千登世さんの“香り遍歴”をピックアップしました。

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昔も今も、これからもきっと
変わらず好きなのは、青くて苦い香り
   Chitose Matsumoto

美容エディター&ライター
松本千登世さん

航空会社の客室乗務員、広告代理店勤務などを経て現職に。雑誌や著書で綴られる、ファッションとリンクした美容観に支持者多数。

ある男性にインタビューした時に、「表面的な美しさより、いい香りのする人に惹かれる。どんな暮らしをしているのだろうとか、その人の奥行きに想像を搔き立てられる」と言われて、すごく納得しました。ファッションやメイク以上に、香りは気分や感情を揺さぶり、豊かにしてくれる。思い返せば20代の頃から、いい香りのする女性への憧れがありました。キャビンアテンダントの先輩が当時流行りの主張の強いフレグランスを程よく香らせていて、素敵だなと。でもある時、憧れの人を真似して同じものを身につけたら、自分にはまったく似合わなくて。香りは自分らしさの象徴と悟ったんです。それから自分にフィットする香りを探し始め、たどり着いたのが〝青くて苦い〟香り。ファーストフレグランスである、シャネルのクリスタルでした。今も変わらず青くて苦い香りが好きで、自分にとってシグニチャー的なフレグランス。これからもずっと、自分の香りのベースであり続けると思います。一方で、香りの纏い方にはバリエーションが。ステイホームの期間に香りをあまり楽しめなくなった気がして、入浴前にフレグランスをつけることにしたんです。バスルームや湯上がりの肌からほんのり漂う残り香が思いのほかよくて、今もときどきやっています。香りとのつきあい方や解放度は時代とともに変わり、食事時にフレグランスをつけるのはNGといったタブーに縛られなくなりました。フレグランス選びも嫌われない心地よさではなく、自分にとって心地よくフィットすること重視でOK。その先に、シグネチャーとなる香りとの出合いが待っているはずです。

「出かける直前にフレグランスを纏う時は足首に。鼻をつく感じにしたくないので、足元からじっくり香り立たせます」ニットカーディガン¥49,500(デターム/ザ・ウォール PR)ジーンズ¥42,900(エージー/コロネット)サンダル¥214,500(セルジオ ロッシ/セルジオ ロッシ カスタマーサービス)リング¥616,000(ロイヤル・アッシャー/ロイヤル・アッシャー カスタマーサービス)タンクトップ(スタイリスト私物)

CHANEL
クリスタル オードゥ トワレット

20代半ばに、松本さんが初めて自分で選んだフレグランス。青くて苦い香りが好きなことを、気づかせてくれたフレグランスでもあります。「シチリア産のレモンが弾けるすっきりとした香り立ちをまず好きになり、どんどん深みを増していく香りの移ろいの虜に。出合ってから30年以上、フレグランスラインナップに必ずあって、ベースにしている香り。デニムなどのカジュアルな装いの時に、内ももやおなかにつけて香らせることが多いです」100㎖ ¥19,250(シャネル カスタマーケア)

a | loin.
オンシャンテ

「女優の井川遥さんが手がけた香水で、センスが素晴らしい! 和の要素があり、すっきりしているのにまろやか。カジュアルな夜のお出かけ時に纏います」50㎖ ¥13,200(ロワン)


b | HERMÈS
〈〈オー ドゥ シトロン ノワール〉〉オーデコロン

「ジェンダーニュートラルな感じが好きで、よく纏うのは仕事の外出時。香りで甘さを足そうとはせず、スタイル全体をマニッシュにまとめます」100㎖ ¥16,280(エルメスジャポン)

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撮影/嶌原佑矢 ヘアメーク/勝 健太郎 スタイリング/ギブソン三浦真紀子 モデル/ロリーナ 取材・文/江尻千穂 編集/本間万里子

VERY NaVY12月号『選んで纏うのには理由がある 大切なのはフィット感。「香りと肌」を極めたい』より。詳しくは2022年11/7発売VERY NaVY12月号に掲載しています。

*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。