「同じ絵本ばかり…他の絵本も読んであげるべき?」赤ちゃん絵本の専門家が解説!
0、1歳の赤ちゃんと過ごす新米ママたちがゆるく繋がれる場になれたら、との思いからスタートした「VERY児童館」。10月26日に開催された第23回目は、「みんなで楽しむおうちハロウィン♪【赤ちゃんへの絵本の読み方・選び方】」がテーマ!フリーアナウンサーで絵本専門士の野田英里さんをゲストにお迎えして、オススメの赤ちゃん絵本5冊を読み聞かせしていただきました。 ハロウィンのお化けや食べ物を題材にした絵本はどれも楽しく、「心地よいリズムで子どもが寝てしまいました!」「ニコニコ笑顔で聞いています」というママの声も。親子で癒しの時間になったという感想をたくさんいただきました。そして、児童館の後半ではママたちの読み聞かせについての疑問に、野田さんに答えていただきました。
■VERY児童館とは…
コロナ禍の中で出産されたママたちと繋がりたい!応援したい!とスタートした「VERY児童館」。おうち時間が長くなっている新米ママのみなさんの、ちょっとした息抜きや気分転換になれるようなオンラインでの集いを月に1回開催しています。
教えていただいたのは
絵本専門士・フリーアナウンサー・野田英里さん
元幼稚園教諭で現在はフリーアナウンサーとして、絵本に特化した活動。読み聞かせ、絵本講座(対象:親子・保育者・図書館ボランティア)、音読授業(対象:小学生)、絵本空間コンサルティングなどの活動を行っています。
質問①
「赤ちゃんへの絵本読み聞かせ、コツってありますか?」
「読み聞かせではなく、『読み合い』、『読む』より『話しかける』イメージで。」
0,1歳はママと赤ちゃんの絆を深める大事な時期。たくさん声をかけて、触れ合ってコミュニケーションをとるのに、『絵』と『ことば』がセットの絵本は最適なツールです。まだ物語は理解できないけど、赤ちゃんは大好きなママの声を聞くだけでうれしい気持ちに。つい、ストーリーを追うことに必死になりがちですが、声・言葉を届けることに意味があるんです。例えば、犬を指して“わんわんだね〜”、“かわいいね〜”だけでもOK。文としての意味を持たないオノマトペや擬音語の絵本は、最初読むのが難しいかもしれませんが、音や声を届ける気持ちでリズムや節をつけるのがオススメ。ママの楽しそうな声は赤ちゃんにちゃんと届いています。
質問②
「絵本を舐めたり、破いたいり…、ちゃんと読めません」。
「舐めたり破いたり、は興味があるしるし!お気に入りの一冊は購入して、いつでも手に取れるように」
赤ちゃんにとって、絵本はおもちゃと同じ。“読むもの”と理解する前に、まずは絵本を知る、身近に感じることからスタートします。絵本をぐちゃぐちゃにしちゃった赤ちゃんに、『ダメ!』と否定的な言葉をかけてしまうと、せっかく絵本に興味を持っていてもそこで関心を示さなくなってしまう可能性が。とはいっても、図書館で借りてきた絵本は汚さないかハラハラしますよね。お気に入りの一冊は購入して、心ゆくまで赤ちゃんが好きに触れて楽しめるようにしてあげましょう。
質問③
「同じ絵本ばかりを読みたがります。いろんな絵本を読んであげたほうがいいですか?」
「特に2,3歳頃はくりかえしの物語が大好物!子どもが読みたい本を飽きるまで読み続けてあげて」
大人は小説の結末を知っているとまたすぐに読みたい! とはなかなかならないけれど、子どもは展開を知っているからこそ、見たいんです。次の展開を予想しながら聞いていて、その想像が絵本の中で叶うことで『ほら、思った通り!』『すごいでしょ!』と誇らしい気持ちに。いろんな種類の絵本に触れさせてあげなきゃと焦る必要はありません。その大好きな絵本はこれから生きていく上でも我が子を支える大切な一冊になるはず。子どもが飽きるまで繰り返し読んであげてほしいです。
野田さんからは、児童文学作家・児童教育学者の村中李衣先生の「読み合い」という言葉も教えていただきました。一方的に読んで聞かせる「読み聞かせ」ではなく、絵本を親子で読み合うというスタンス。赤ちゃんに笑顔と優しい声で語りかけて、喜ぶ我が子の顔を見てママも癒されて子育てに自信が持てる。絵本の「読み合い」はママも赤ちゃんも豊かな気持ちになれるひとときになるはずです。
野田さん、VERYモデルの芹名さん、今尾編集長、児童館スタッフ北山のオススメ絵本は、VERY児童館のインスタグラムで公開しているのでそちらもぜひ、見ていただけたらうれしいです。
赤ちゃんと一緒に、読書の秋を楽しみましょう♪
取材・文/北山えいみ
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