【宮沢氷魚さんインタビュー】「すべてが衝撃的だった」と話す最新映画の見どころとは?【映画『グッバイ・クルエル・ワールド』】
ファッションモデルとしての活躍はもちろん、俳優としても多くのドラマや映画で存在感を発揮している宮沢氷魚さん。この秋公開の新作映画『グッバイ・クルエル・ワールド』では、初のクライム作品に挑戦! 流血あり、銃撃戦ありの注目映画について、公開に先立って話を聞いてきました。
ジェットコースターのように、最初から最後までワクワクできる映画です
——一夜限りの強盗団が、ヤクザの資金洗浄現場へと向かう場面から始まる映画『グッバイ・クルエル・ワールド』。公開が9月9日に迫りましたが、撮影を振り返って印象に残っていることはありますか?
バイオレンスを含めた作品が今回初めてだったんです。銃を撃つとか、返り血が飛んでくるシーンも初体験だったのですべてが衝撃的でした。芝居じゃないと絶対にできないような非現実的な体験は、人間的にもいい経験になりました。今作は撮影の規模感もとても大きくて、ガソリンスタンドのシーンは実際にその場所を借りて、リアルに炎を上げて撮影していたんです。もちろんCGで作り上げる良さもあるけど、この現場は炎の熱さだったり、血糊の感触だったり、肌で感じるものがとても多くて。そういう意味でも、強烈にインパクトが残る作品になりました。
——作品の見どころを教えてください。
激しい銃撃戦や爆発のような派手な演出がありながらも、登場人物ひとりひとりの関係性はすごく繊細で。数カ月前に完成版を見ましたが、エンタメに近い激しいシーンと細やかで滑らかなシーンのメリハリがキレイに描かれていて、いち視聴者としてすごく引き込まれたんです。ジェットコースターのように、最初から最後までワクワク感を抱きながら楽しめる作品だなと思いました。
「2回見ても楽しめる作品だな」奥深さを感じた理由とは?
——本作を手がける大森立嗣監督の作品は、人間の血生臭い感情がいつも印象に残るのですが、この作品で宮沢さんのイチオシシーンを教えてください。
気に入っているシーンはいっぱいあるのですが……(少し考え込んで)やっぱり、ガソリンスタンドのシーンかな。絵としても派手で面白いけど、その短いシーンのなかに裏切りや若さゆえの間違った判断も織り込まれていて、いい意味でぐちゃっとしたシーンなんです。それぞれの複雑な想いを背景に炎が上がって。すごくいいシーンだなと思っています。
——この作品を観る方々に、どんなメッセージが伝わったらいいなと思いますか?
初めて完成版を見たのは数カ月前なんですが、実は数日前にも再び完成版を見たんです。その感想は「2回見ても楽しめる作品だな」なんですよ。今って日々世の中が激しく変わるから、そのときの自分の精神や身体の状態で、同じ作品を見ても自分に入ってくるものが違うんですよね。感情移入するキャラクターも変わるし、また別の角度から作品を見ることができて、新たな気づきもありました。
1回目に観たときはもちろん自分の役を中心に見ていたのですが、回を重ねると他のキャラクターの心情にも寄り添えるようになって。全員やっていることは本当にひどいし(笑)、自分のスタンスとは異なるんですけど、居場所を見失ったときの不安や過去の過ちから解放されずに苦しむ登場人物の姿は自分とリンクする部分もあったりして。いろいろな立場から見ることのできる、奥深い作品だなと感じました。
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9月9日(金)全国ロードショー
『グッバイ・クルエル・ワールド』
主演に西島秀俊を迎え、豪華キャスト共演で描くクライムエンタテインメント。年齢もファッションもバラバラ、互いに素性も知らない5人組の強盗組織が、ラブホテルで秘密裏に行われていたヤクザの資金洗浄現場を襲い、1億円近い大金の強奪に成功する。強盗たちは金を山分けし、何食わぬ顔でそれぞれの日常に戻っていった。しかし、金を奪われたヤクザが裏金で現役の刑事を雇い、強盗組織を本気で追い始めて—-。金に群がるクセ者たちの大波乱の物語。宮沢さんは、ラブホテルの従業員で事件に巻き込まれていく男・矢野を演じる。
撮影/永峰拓也 ヘアメーク/スガタクマ スタイリング/庄 将司 取材・文/坂本結香 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)