元・宝塚スターが大集合! 「北翔海莉&愛月ひかる」CLASSY.スペシャル対談!

1992年大阪に誕生した劇場、シアター・ドラマシティ。開場と同時に多くの宝塚歌劇公演を上演してきました。この度、劇場30周年を記念して宝塚OGたちが懐かしい楽曲や定番ナンバーを歌うスペシャルなコンサートを開催! 出演者の北翔海莉さんと愛月ひかるさんの対談を2回にわたりお届けします。

――今回のコンサートが決まった

――今回のコンサートが決まった時のお気持ちを、シアター・ドラマシティの思い出とともにお聞かせください。
北翔海莉さん(以下北翔) 30周年という節目の記念公演に声をかけていただいたことを光栄に思っています。シアター・ドラマシティでの公演は私が月組に配属されてすぐの研2くらいで出演し、専科時代には単独主演もさせていただきました。他にも多くの作品で立たせていただきましたので、今回はたくさんの曲をメドレーで歌わせていただきます。「あの時は若かったな」とかいろんなことが頭を駆け巡りながら歌うのだろうな、と今からワクワクしています。
今回は錚々たる先輩方とご一緒できるのも嬉しいです。麻路さきさん、稔 幸さんは私と同じ星組のトップさんで、和央ようかさんは私の初舞台のとき宙組二番手スターさんでしたが、どなたともじっくり共演させていただいたことがないんです。先輩方との共演はとても緊張しますが、卒業した後も勉強できるのはありがたいことだと思っています。
愛月ひかるさん(以下愛月) 自分が宝塚に入りたいと思う気持ちにさせてくださった偉大な先輩方とご一緒できるのがとても幸せです。シアター・ドラマシティでの舞台は、本公演ではまだ台詞のない下級生時代でも台詞をいただくことができて芝居で上級生と関わらせていただけるので、とても勉強になりチャンスでもありました。学年が上がってくると、宝塚バウホールやシアター・ドラマシティで主演した者が東京の日本青年館ホールなどで主演できるという流れがあるので、まずはここで主演させていただくことが一つの目標にもなっていたと思います。
シアター・ドラマシティで思い入れの強い作品は、やはり主演させて頂いた『不滅の棘』です。まだ客席下りができたので、クライマックスに向かう場面で歌いながら一瞬ですけど客席を通るんです。その時のお客様が圧倒されている感じを今でも鮮明に覚えています。

―北翔さんと愛月さんが今回のコ

―北翔さんと愛月さんが今回のコンサートのメンバーに入っていると知った時のお気持ちを教えて下さい。
北翔 宝塚時代に私と愛ちゃんが一緒だったのは…愛ちゃんが宙組に配属された’07年『バレンシアの熱い花』から、私が専科に行く前の’12年『華やかなりし日々』までですよね? その後、二人とも専科から星組に行くけれど、時期が違うので重ならなかったんです。だから、こんなに立派になった愛ちゃんと共演できることが嬉しいです。

愛月 ありがとうございます! 恐れ多いです。私が宙組に配属された時、すでにみちこさん(北翔さんの愛称)はスターさんでしたから! 今回ご一緒できることが光栄です。私が研1だった『バレンシアの熱い花』ではみちこさんは役代わりをされていて、下級生ながらにスターさんは大変だなと思っていました。

北翔 あの時は役替わりに加えて、『宝塚舞踊会』も重なっていたのですごく忙しくて! お稽古がびっちり詰まっていたから大劇場公演の宴会に参加できなかったの! 「宴会に行けないなんてひどい!」って泣いたのを思い出しました(笑)。

―’10年にはシアター・ドラマ

―’10年にはシアター・ドラマシティ『シャングリラ―水之城―』にお二人とも出演されていますね。
北翔 ストーリーを思い出せない…。
愛月 え? みちこさんの最後のほうのお芝居で客席の皆さまが泣いていたじゃないですか!
北翔 水を探し求めるお話でしたよね? 私は目が見えない役で、見ていなかったから記憶があいまいなの(笑)。
愛月 そんなことあります(笑)!?
北翔 プロローグで→Pia-no-jaC←さんの曲を踊ったKAZUMI-BOYさんの振付は鮮明に覚えてる! 斬新で素敵だったよね!
愛月 カッコよかったです! 大空祐飛さんやみちこさんらスターさん4人が踊るんですが、私達下級生は毎公演、舞台袖で釘付けになって観ていました!
北翔 そうそう、いろいろ思い出してきた(笑)! いい舞台だったよね!
愛月 はい、いい舞台でした(笑)!

――今回のコンサートにむけて、個人的に楽しみにしていることや目標がありましたら教えてください。
北翔 自分が主演した作品を歌えることを私自身が楽しみにしていますが、私よりも私を応援してくださったファンの皆様が一番盛り上がってくださるのかなと思っています。私がシアター・ドラマシティで主演した『THE MERRY WIDOW』や『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』は専科時代で、あの時の皆さまの熱気というか熱意や情熱は本当にすごかったんです! あの熱い応援がなかったら私は星組のトップになれていない、といつも思っています。ですから、改めて皆さまに感謝しながら歌わせていただきたいんです。
愛月 麻路さきさん、稔 幸さん、みちこさんと私の4人でこれぞ星組!という感じで歌わせていただく場面が今から楽しみですし、和央ようかさんとデュエットさせていただくのでとても緊張しますが大好きな曲を歌えるのが嬉しいです。また、憧れていた娘役さんの風花舞さんとも歌わせていただきますが、時を経てデュエットすることで自分がどんな気持ちになるのだろうとワクワクしています。

――コンサートに来場するお客様

――コンサートに来場するお客様に一言お願いします。
北翔 2024年に宝塚歌劇団は110周年を迎えます。シアター・ドラマシティは今年で30周年、100年を超える歌劇団の歴史に比べたら短いかもしれませんが、シアター・ドラマシティは開場した年から宝塚歌劇公演を上演し続け、伝統を繋いできた大切な場所です。今回、いろいろな作品の名曲をメドレーで歌うことで、先輩方から引き継いだ思いをきちんとお見せできたらいいなと思っています。
愛月 お客様に懐かしいと思っていただける曲だけでなく、新しい曲にも挑戦します。みちこさんがおっしゃたように、シアター・ドラマシティの今までの30年と繋がっていくこれから先の未来を感じていただけるコンサートになると思いますので、是非観にいらしてください。

北翔海莉
‘98年宝塚歌劇団に84期として入団。月組に配属。のびやかな歌唱力とハートフルな演技が支持される。’12年専科へ異動。’13年『THE MERRY WIDOW』、’15年『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』でシアター・ドラマシティ主演。’15年、入団18年目に星組トップスターに就任。’16年退団。12月20日に北翔海莉ディナーショー「ブロードウェイの子守唄」を開催予定。

愛月ひかる
‘07年宝塚歌劇団に93期として入団。抜きんでた実力で注目を集め、新人公演主演を4度も果たす。’16年『エリザベート』ではルイジ・ルキーニ、’18年『不滅の棘』でシアター・ドラマシティ初主演、’21年『ロミオとジュリエット』ではティボルトと死の二役を演じる。昨年12月に退団。10月より退団後、初のミュージカル『ファンタスティックス』に出演予定。

シアター・ドラマシティ30周年記念コンサート『Dramatic City“夢”』
’92年大阪・梅田茶屋町に最先端技術を駆使した劇場として誕生したシアター・ドラマシティ。同年12月には初の宝塚歌劇公演を開催、以降さまざまなエンタテインメントを世に送り出してきた同劇場の開場30周年を記念し、所縁の深い宝塚歌劇OGを迎えて懐かしい楽曲から定番ナンバーまでバラエティ豊かでスペシャルなコンサートを開催! 9月9日(金)~10日(土)東京建物Brillia HALL /9月16日(金)~18日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

撮影/木村 敦 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)