女優・常盤貴子さん(50歳)「夫とは人生や仕事の価値観が一緒。だから無駄話も楽しい」
コロナ禍で再放送された名作ドラマ「愛していると言ってくれ」から27年、今なおトップ女優として走り続けている常盤貴子さん。40歳で美STの表紙を飾っていただいた時は、その美しさに驚愕。あれから10年が経っても、その美貌も艶やかさも透明感も死守されていて、完全に50代の美しさの基準が変わったことを実感。今回は湘南のビーチに繰り出し、大人の夏を思い切り楽しみながら50歳からの生き方について伺ってみました。
▼あわせて読みたい
可愛さ全開!常盤貴子さんの特別カット集はこちらから
かつての自分の姿を追い求めず、手放せるようになりました
「海って気持ちいいー。地球に触れていることを実感。ここ数年海に行けなかったから、今年の夏は『みんなで楽しもうぜ!』って気分かな」
ワンピース¥36,300(Devotion TWINS/NOUN CO.,LTD)帽子¥31,900(misaharada)
夏は海や砂浜に存分に触れてアーシングしています
毎年夏になると、意識的に1度は海に遊びに行きます。日光浴や砂浜に触れることが電磁波のデトックスになることをまことしやかに信じていて、単に遊ぶだけだけど、夏にしかできない大切なイベントになっています。海に入るから、全身日焼け止めを塗って完全防備。若い頃はそこまで気にしなかったけど、40代以降は年中日焼け止めは必須。マメに塗り直すため、メークの上から塗れるものも活用しています。 ベランダに出るときも油断ならないと、起床後洗顔したら、化粧水、美容液、乳液、日焼け止めから一気にメークまでを習慣化。すっぴんだと夫も実は「誰?」って思ってるんじゃないかとか、宅配便の方にも「そういう顔だった?」と見られてるんじゃないかと被害妄想も甚だしくて(笑)。温泉旅館でも朝食か朝風呂、どっちが先問題で長年悩んでますねぇ。今は、朝風呂前にメークして、顔は付けずにお湯に入ってから朝食で落ち着いてます。 ベースはUV機能つきファンデにお粉で仕上げますが、実はメークが苦手なんです。最近では仕方ないから自分でもするようになりましたけど。世の皆さんは本当にメーク上手ですよね。私は未だ首を傾げながらアイラインを引いてます。でもペンシルタイプのプリオールの美リフトアイライナーが絶妙な硬さで描きやすく、適当に描いてもそれなりに仕上がるので何本買ったかわからないほど。色は黒より馴染むブラウンで。その後ベネフィークのリキッドアイライナーを重ね、アイシャドウはベージュ系、眉はナチュラルに。最近はさらにチークもオン。昔はつけなかったのですが、どんどん足していかなきゃいけなくて。年齢を重ねると時間がかかりますね(笑)。
すっぴんが気になり始めた40代からは毎日メーク。シミもシワも、隠せばいいじゃない!
今春50歳になりました。肌に関しては気になるところだらけですね。40代は自分の衰えについて行けなくて、かつての自分の姿を追い求めて、そこに戻ろうとしていました。でも今は「じゃあ、ここからどうしていこう」の発想に切り変わり、シミもシワもあるけれど、それを根本的に消そうとするより、隠せばいいと思うように。だって化粧品もどんどん進化しているから。日々のスキンケアや美顔器でお手入れしつつ、メークでカバーすればいいと受け入れるようになりました。 ただ、50年間自分と向き合ってきて、肌に何が大切なのかを考えると、結局はデトックスだと確信。お通じが滞ると肌がくすむので、腸活は最重要です。食生活も、デトックスしにくい添加物をできるだけ摂らないように食品表示を確認しながら買い物するので、スーパーで時間がかかってしょうがない(笑)。知らないカタカナは最小限にして、あっても塩・胡椒にカタカナ1つだけなら良しとするとか、その都度ジャッジ。だから結局は自分で料理する機会が増えました。 仕事でホテル滞在が長い時は、ミニトースターを持参。パン好きなので地元のパン屋さんで好きなパンを買いたいし。先日、京都で1カ月滞在の撮影時には、とうとうお鍋を買い、便利な耐熱ポリ袋アイラップを使えばどんな物でも温められることを知ってしまいました。いつでも体調に応じて食生活を大切にするよう心がけています。
「夫が本好きで、家じゅう本に溢れ、最初は戸惑いましたが、インテリアの一部として捉え、その中からごそごそと読みたい本を探し出すのも楽しみになりました」。常盤さんオススメの大人が夏に読みたい本は、『もうひとつの空』(有元利夫著)『タマ、帰っておいで』(横尾忠則著)『ロルカ詩集』(長谷川四郎訳)など。
ドレス¥242,000(ykF)デニム¥42,900(PT TORINO DENIM WOMAN/TREMEZZO)バングル¥16,500(Crestare)
〝自分がどうありたいか〟が大事になった今、目指すのは、いつまでも可愛いと言ってもらえるひと
「50代からが面白いよ」と先輩がみんな仰るから、「50歳からだいぶ面白そう」と想像しています。すでにいい意味でも悪い意味でも図々しくラクになって。体の衰えは生きにくくなっても、精神は生きやすくなるのかな。以前は気を使いすぎて人に合わせるばかりでしたが、嫌なものは嫌だと言えるようになりました。それも含めて自分の生き様になり、ここからは「どうカッコよく生きるか」だなぁと。 どれだけ仕事ができても、お金持ちでも、綺麗でも、人として魅力的な人こそが、私の思うカッコいい人。そうなるにはカッコいい先輩を見つけて、その人が生きてこられたエッセンスを真似てみることが近道になるんじゃないかなと思うんです。そんな人が見つかると年を経ることが楽しみになります。だから自分の道だけでなく、人の影響をいっぱい受けて生きていきたい。 昨年大先輩の宮本信子さん、原田美枝子さんとプリオールの撮影でご一緒しました。テーマは「笑顔」で、お二人のためらいのない笑顔に圧倒。女優はいい笑顔を作ってしまいがちですが、顔が崩れてNGが出るほど本気で笑っていらして。大先輩二人を前に緊張感は半端なかったけど、チャーミングで大人の可愛さを目指したいと思いました。その年齢にしか出せない可愛らしさってあると思うから。 年齢を経ると見せる人も場所もないからと、笑顔もメークもしたくなくなる時もあるけど、綺麗にすることを自己満足にすれば一歩踏み出せて楽しくなるはず。大切なのは、自分がどうありたいかだから。年齢を経て必要なのは羞恥心。薄れていくからこそ意識してキープしたいです。
40代はいろんなことに手を出してよかった。点が線になり人生の厚みになっている
40代は、ラッキーなことに辛いことは少なかったですね。昔から、心は辛くてどん底でも冷静に自分を俯瞰で見て、「どうなっていくのか楽しみ」みたいな、ちょっとマゾっぽい部分があるんです。そのおかげかどん底から這い出せなくなることはなかったですね。逆に嬉しいことはいっぱいあって、再会も多く、出会いには恵まれました。 やりたいと思ったことをいろいろやってみたのも40代。芝居以外のお仕事、お習字、ジャイロトニックなど。失敗しても成功してもやってよかったって思います。いろんなところに首を突っ込んだことで、一つ一つの点が線になり、それが人生の厚みになっている気がします。その線がさらに続き、朗読の面白さが深まってきました。お能や落語にも興味を持ち始めたからか、朗読の、人の脳を動かして完成させる世界というのが楽しくて。 50歳の誕生日当日は女友達と夫(劇作家の長塚圭史さん)が出演する舞台を観に行きました。電車の乗り換えを間違えて約束の時間には遅れるし、久しぶりに行った大好きなカレー屋さんでは並び方を間違えて怒鳴られるし、とんだ50代の始まりだったけどこれこそが私の人生そのものだなぁと(笑)。 夫とは誕生日が近いので京都にお芝居を観に行きがてら、祇園のお料理屋さんでお祝いしました。私たちは空想や無駄な会話も多いけど、それが楽しくて、人生や仕事の価値観が一致してるんだと思います。仕事に関しては2人とも魂が求めているものをチョイスする方で、「私たち大丈夫?」って話しますが、夫婦ともども贅沢したいタイプでもないので、「まあ何とかなるか」と楽観的。一度しかない人生、楽しみたいですもんね。
裸足でゴールデンドゥードルのクレアちゃんとお散歩。「わが家も2匹の愛猫がいて、動物と遊ぶ時がいちばん幸せ。どんな疲れも癒されます」
ワンピース¥132,000(KEITA MARUYAMA)ネックレス¥16,500(Crestare)
こちらの記事もおすすめ
慶應義塾大学在学中にNHK朝の連続テレビ小説「虹を織る」のヒロインを演じて人気を博し、清純派女優として活躍した紺野美沙子さん。60歳を超えた今でも、当時の透明感はそのまま。頑張りすぎず、自分の心のおもむくままに。肩の力が抜けたナチュラルなオーラがありました。
2022年7月16日 06:30
透き通る透明肌、年齢不詳の美しさに、美STに登場するたびため息が漏れる女優・松雪泰子さんの美しさ。いつまでも綺麗でい続けるために松雪さんがしていることって?ご本人に伺いました。
2022年6月5日 07:00
ダイエットして痩せたのに凸凹肌や体型崩れで「理想と違う!」と思ったことはありませんか? 40代50代が体型美人を目指すなら、今、必要なのは、ダイエットでも脂肪を減らすことでもありません。全身の体型崩れを改善できる方法が必要です。ライフスタイルはそのままに、運動する余裕がなくったって体型美人になれる。そんなボディメイクサプリメント「AGシェイプ プロフェッショナル」をご紹介します。
2022年7月26日 12:00
2022年『美ST』9月号掲載 撮影/黒沼 諭(aosora) ヘア・メーク/千吉良恵子(cheek one) スタイリスト/吉村結子 取材/安田真里 編集/漢那美由紀