衣類によってカスタムが正解!洗濯のプロに教わる賢い「コース洗い術」

洗濯物を洗濯機で洗うとき、ついつい「全自動コース」を選びがち。それでもしっかり洗えますが、衣類に適したコース洗いと洗剤をカスタムすることで、満足度の高い仕上がりを手に入れることができるんです。洗濯のプロ直伝の「コース洗い術」を活用することで、汚れ落ちが良くなり、さらに衣類も長持ちするなどいいことずくめ!今日からぜひ実践してみませんか?

まずは「分けて洗う」のがポイント!

教えてくれたのは

 

衣類のメンテナンス店
le Tact(ル タクト)経営 永井良房さん

水洗い専門クリーニング師として35年の経歴を持ち、2021年6月に独立。全国各地でさまざ まな講演や講習を行い、テレビや雑誌などでも活躍中。

衣類のメンテナンス店 le Tact(ル タクト)経営 永井良房さんの写真

永井さんによると、「タオルも余裕があれば白いものと濃い色を分けると効果的です」とのこと。ついつい衣類やタオルなど、すべてまとめて一度に洗濯機に入れてしまうところですが、「分けて洗う」だけで衣類にも優しく、汚れもしっかり落とせるんですね。

衣類の仕分け&オススメ洗濯洗剤

では、どう仕分けたらいいのでしょうか?衣類の耐性や汚れ落ちを考えると、「白」「色柄」「タオル」「汚れた白」「汚れた柄モノ」とに分けて洗濯するのが理想ですが、そんなに洗濯機を回していられないのが現実ですよね。まずは、衣類を色の濃淡で分けるだけでも、服の色がキープされ服に優しく洗えるのだそう。汚れのひどいものは先に予洗いをして、そのあとは白い衣類、タオルを一緒に洗いましょう。さらに、使う洗剤を分けるとよりGOOD!

【白い衣類の場合】真っ白の衣類は蛍光剤入り洗剤を使うと白さがアップ。ただしパステルカラーやベージュは白っぽくなるので蛍光剤なしの洗剤がおすすめです。コース内容は、洗い10~15分→すすぎ2回→脱水5分。白い衣類はしっかり洗いたいので、洗いの時間を長めに設定しましょう。すすぎ1回でOKの洗剤もありますが、しっかりすすげていないと洗剤残りの原因にもなるので、余裕があれば2回がおすすめ。漂白剤をプラスしても◎。また、しっかり脱水してから乾かすとニオイのもとまでシャットアウトできますが、シワが気になる素材ならば多少短めでもOKです。

【濃い色の衣類の場合】洗うほどに色が抜けてしまう濃い色は、色落ちを避けて汚れを落とすことが重要。合成洗剤を的確に使って汚れを落としましょう。コース洗いの内容は、洗い5分→すすぎ2回→脱水5分。水に触れる時間を短くしたいので、洗い時間は短めに。こちらの場合もしっかりすすげていないと菌の増殖につながるので、極力すすぎは2回に設定するのがおすすめです。脱水後にシワが気になる場合は、濡れている状態のときにスチームをあてるとさらにキレイに仕上がります。

【タオルや寝具の場合】タオルや寝具はたっぷりの水で洗うとフワフワになるそう。永井さん曰く、「吸水性のあるタオルは、実は洗濯機で感知される水量では足りない場合が。そこでタオルを一 度水につけて重くし、洗濯機をだますんです( 笑 )」とのこと。永井さんイチオシのコース内容は、洗い10~15分→すすぎ2~3回→脱水5分以上。柔軟剤を使いたい場合は、すすぎの3回目に投入してください。また、お風呂の残り湯を使用する場合は1回目に残り湯、2、3回目は水を使いましょう。

みんなの「コース洗い」Q&A

ここからは、読者の方から上がった「これって何コースで洗えばいいの?」の疑問について、引き続き、洗濯家の永井良房さんに回答してもらいました。色落ちや型崩れなど、物によって洗い方に迷ってしまうという方、必見です!

【Q1】デニムは何コース?→A:おしゃれ着コースへ
もしくは「早洗い」や「時短」コースを活用してください。裏返して、洗い3分、すすぎは2回、脱水は3分を目安に。

【Q2】スポーツウェアは?→A:ネットに入れて普通コースへ。さらに柔軟剤もプラス
「汗を吸わない」などの速乾性に優れたスポーツ衣類は、ヒモなどもあり、ネットに入れて色分けして普通に洗濯しましょう。さらに柔軟剤を使うと、速乾性も生かされますよ。

【Q3】高機能な化学繊維は?→A:通常洗いでOK。柔軟剤も効果あり!
色分けしてから通常洗いすればOK。化学繊維という素材を生かすためにも、さらに柔軟剤を使うことで、より機能効果が感じられます。

【Q4】学生服など制服は?→A:ネットに入れておしゃれ着コースへ。テカリはメラミンスポンジで
クッション性の高いネットにたたんで入れ、脱水は1分。干せば重みでシワなく乾きます。ズボンやスカートのテカリは、洗う前の乾いている状態のときにメラミンスポンジでこすると消えますよ。

【Q5】スニーカーは?→A:専用クリーナーで予洗いしてからすすぎ、ネットに入れて脱水
→上履きなどはブラシ洗いの方もいると思いますが、実は洗濯機の脱水機能は使うべき。乾きが早くなり細菌の繁殖も防げてオススメです。


ずっと疑問だったあの衣類の洗い方も、これでスッキリ解決できましたよね!でも、何回もキレイに洗濯しているのになかなか衣類のイヤな臭いが消えない……なんていうこと、ありませんか?実は大切なのが洗濯槽のケアなんです。

使ってる?洗濯槽クリーナー

一見キレイな洗濯機の中ですが、常に湿気にさらされていることや、洗濯槽に残った洗剤カスが栄養となり、洗濯槽の裏側はカビだらけかも……。洗濯槽をきちんと掃除すれば、洗濯後に少し放置していても衣類は匂わないんです!ずっと洗濯槽の掃除をしていない方も定期的に掃除している方も、ご家庭に合った洗濯槽クリーナーを使ってみませんか?

【塩素系】汚れやカビを分解して殺菌除菌するのが「塩素系」クリーナーです。こちらの商品は、ドラム型・タテ洗濯機共に対応しており、液剤を入れて通常運転するだけでOK。

【酵素系】こびりついた汚れをはがすなら「酵素系」クリーナー。こちらの商品は、A液B液と2段階で液剤を入れることで、洗濯槽を確実に洗浄。汚れ落ちが一目瞭然で、これまで実感しにくかった効果が。

今までは洗濯は洗濯機にまかせっきりだったという方も多いはず。ますます洗濯回数が増えるシーズンに突入する今こそ、洗濯のプロおすすめの「コース洗い術」を活用することで、いつもの衣類を気持ちよく洗濯してみませんか?

※本記事はMart2021年8月号「このワザで『洗濯』が絶対好きになる!おうち洗い最新テクニック」より再構成しました。

構成/Mart編集部 文/古賀美津恵