2022年05月12日 20:00
/ 最終更新日 : 2022年05月12日 20:00
CLASSY.
「子どもを産む、産まない」どちらの大人女子も知らないとマズい、4つのこと
仕事が充実してきて、ライフイベントも多い30代は「選択」の連続です。そんなCLASSY.世代の「選択」を取り上げる不定期連載、第1回のテーマは「産む?産まない?」について考えてみましょう。
「産む」「産まない」どちらにしても知っておきたいこと
産みたい人も産むつもりがない人も、自分の体について知っておくことはマスト。おさえておきたい4つのポイントをドクターに伺いました。
[自分の体は自分で守る]おさえておくべき4つのポイント
1.婦人科検診を毎年受ける
子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮頸がんなどの病気は自覚症状がないことも多く、将来の妊娠に影響する場合も。自覚症状がなくても子宮と卵巣の状態は定期的にチェックしましょう。クラミジア、淋菌などに代表される性感染症も、症状がまったくないまま進行してしまうことで不妊症や早産のリスクとなる可能性があるので、パートナーが変わるたびに検査するのがお勧め。万が一感染してもきちんと治療すれば将来の妊娠への影響もなく、妊娠中の治療も可能です。
2.生理不順・生理痛などの不調を放置しない
子宮内膜を保護する意味でも最低でも3カ月に1回は生理があることが望ましいと言えます。生理痛もなく、特に困っていないからといって生理不順を数年単位で放置していると、子宮内膜症や子宮体がんのリスクが高まり、妊娠したい時に時間がかかることも。生理不順が不妊率を上げてしまうことを理解して早めに対策をとりましょう。生理痛も子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症などが原因の場合があるので、痛みを放置せずドクターに相談してください。
3.「妊娠適齢期」を知ってライフプランを立てる
今も昔も20代前半から30代前半が妊娠適齢期というのは変わっていません。妊娠適齢期とは、妊娠出産に関わるリスクが少ない時期。高齢になると子宮筋腫や子宮内膜症にかかる率も高くなり、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群をはじめとする妊娠中のトラブルも増加します。また、卵子は母親のお腹の中にいる胎児の時から加齢していくので質、数も低下します。出産時も陣痛が弱く分娩時間が長くなる、体力が続かず最終的に吸引、鉗子分娩、帝王切開となるケースもあるので、適齢期に出産する計画を立ててみることをお勧めします。
4.いま妊娠を望んでいないなら「確実な避妊法」=ピルがお勧め
日本の年間中絶件数は約16万件。望まない妊娠で困るのは女性です。人工妊娠中絶手術は体への負担も大きく、癒着による再手術、大量出血による輸血や子宮の摘出などによる合併症のリスクもゼロではありません。低用量ピルは確率99%以上とほぼ確実に避妊でき、卵巣の保護や初期の子宮内膜症の進行を防ぐ効果も。健康上の理由でピルが飲めない人は、ミレーナという子宮内部に装着するホルモン剤でも避妊が可能です。避妊に失敗した可能性がある場合は、72時間以内に内服して妊娠を成立させないアフターピルを服用してもいいでしょう。
お話を伺ったのは…
ママ女医ちえこ先生
現役産婦人科医として婦人科診療を行うかたわら、チャンネル登録者数13万人を超えるYouTubeチャンネルを運営。3児の母。著書に『子宮にいいこと大全産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)
イラスト/松元まり子 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc