【SDGsを考える座談会】私たちがいま、できることって何?

SDGsもテーマに掲げたイベント「Martist upcycle fes.」を開催した、MartアンバサダーのMartistの片岡牧子さん(右)と吉田葵(左)さん。「開催してからさらに、SDGsについて考えるようになりました」と声を揃えます。そこでイベントの振り返りをしつつ、SDGsについてミセス目線で考えてみることに。イベントに来場者として参加した読者の紺田梨菜さん(中)と、3人でミニ座談会を開きました。

イベントを終えて思ったこと「エコバッグは必要だったかな?」

イベントを開催して、または参加して、SDGsについて何か考えたことはありますか?

吉田さん 「イベント自体は大盛況で本当によかったです。その一方で、SDGsをちゃんと理解できないまま進めてしまったかな、という反省もあります。当日のお買い物に役立てて欲しいとオリジナルのエコバッグを作り販売したのですが、ある出品者様の過去のブログで『エコバッグを新たに作ることより、今あるものを使うことがSDGsにつながる』と書かれていたのを読み。はっとしました。まだまだ理解していないことが多いなと。なので、あのエコバッグをこれから大切に使い続けようと思いました」。

片岡さん「今回のフリマは、不要なものをもう一度使ってもらい価値を出すことをアップサイクルととらえて開催しましたが、不要なものが必要な方のところへ渡っていく場を提供できたことは、嬉しかったですし、よかったです。これから何か物が必要になる場面で、すぐに新たに購入するのではなく、まずは使いまわせるものはないか考える。どうしても必要な時は、ずっと使えるものを選ぶとしっかり意識を持とうと、今まで以上に感じています」。

紺田さん「私は、これまでもちろんSDGsという言葉は聞いたことがありましたが、自分の毎日の生活と重ね合わせて考えることができていませんでした。でも、このイベントに参加したことで、いろいろなことに気づけました。身の回りで考えることはたくさんあるんだなと」。

 

賞味期限が先の商品を買うため、商品棚の奥に手を伸ばしていた自分が恥ずかしくなりました

紺田さん「これまで、スーパーで割と日持ちしない食品を買う時に、使いきれるかな…使い切れずに捨てるのはもったいないな…と、消費期限が近い手前のものではなく、消費期限がまだ先の、奥にあるものをわざと買ってしまったことがありました。SDGsって今一度どんなことだろうと、いろいろ調べて読んでみると、この行動が食品ロスを招く大きな要因になっているとわかり、自分の行動にとてもショックを感じました。全くの自分勝手な行動だったなと。使いきれないかもしれない、ではなく、使い切れる量を買うこと。また、今日食べるのであれば消費期限は今日の日付でよいと、しっかり判断できるようになりました」

※写真はイメージです。

吉田さん「紺田さんが言うように、食べきれる量を買うことは私も実践しています。買いだめはなるべくしないようにして、こまめに買い物をするように。雨や仕事で時間をつくるのが難しい場合は、当日頼める宅配を頼ったりして、ストレスはためないようにしています」

 

消費の問題だけではない、SDGsの目標を「自分ごと」にする大切さ

片岡さん「SDGsは17のゴール(目標)が掲げられていますよね。エコバッグやスーパーでの買い物は、12番目の〈つくる責任、つかう責任〉に関連していると思うのですが、そのほかの16の目標についても、自分には何ができるのかなと考えたいです」

吉田さん「私も同じことを考えていました。11番目の『住み続けられる街づくりを』。まもなく2025年問題と表現されているように、超高齢化社会が到来しますよね。お年寄りの方たちが住みよい暮らしを、私たち世代が考えていかねば変わらないと思います。例えばですが、信号が青から赤に変わる時間が早く、横断歩道を渡りきれない高齢者の方が多くいらっしゃり事故につながっているとニュースで見ました。様々な交通事情を考えねばとは思いますが、青信号の時間があと5秒長くなれば高齢者の方も渡り切れるようになるかもしれませんよね、という話を聞き、なるほどと。今まで当然と思っていた常識を、少し角度を変えて考え直すことも大切なのかなと」。

※写真はイメージです。

紺田さん 「高齢者の方が増えて医療の関係者の方たちはますます忙しくなりますよね。これから若者が少なくなると、医師の数も減っていき、今の状態を保ち続けることも大変と聞きました」

片岡さん 「SDGsを考えるのではあれば、まずはいろいろな情報や考え方を学ぶことが、知識がない今の私たちには必要なのかもしれませんね。企業の方たちの商品づくりや、日本だけでなく海外の状況にも目を向けるなど。私たちより、子どもたちのほうが学校でSDGsについて学んでいますよね。教えてもらう場面もあり、親としてもっと知識を付けたいなと」

紺田さん 「そうですよね。子どもたちに残す未来の地球のために、行動するSDGsですものね。ひとつずつ学んで行動できるようにしたいですね」

吉田さん「同じく! 日常でできることは少しずつでも実践しつつ、SDGsをもっと気軽にそして確実に進められるように、学びを深めていきましょうね!」

 

3人の答え「SDGsとこう向き合っていきたいです」

座談会の最後に、自分の考えをボードに書いてみることに。

吉田さん「身近にあるものをまずは知ることから」、紺田さんは「自ら学んで根拠をもって選択すること」、片岡さんは「自分のすぐ側で関われること」。お互いの言葉を読みあって共感。

背伸びをせず、等身大の言葉で「SDGs」について考えたことを話し合ってくれた3人。吉田さんが、雨の日に宅配を頼むというエピソードを話してくれた後「でもこれも、排気ガス・二酸化炭素を増やしSDGsの側面からはNGなことなのかもしれませんね…」と悩まれていました。SDGsにきちんと向き合うと、これはどうなのか?と判断に迷うことがたくさんあると思います。まずは、みなさんがおっしゃっていたように「情報を知り理解していく」。この言葉に応えるためにも、Martから楽しく身近なSDGsの情報を発信できたらと思います。

取材・文/新里陽子