息子2人を東大に入れたシングルマザーが教える「大学受験勉強」で心がけたいこととは
【お母さんが変われば子供が変わる⑥】大学受験の勉強、根詰めず気分転換を
こんにちは。子育てスマイルナビゲーターのたかみほです。
前回の記事では、
長期間にわたる中学受験において良かったことは、
・「自学自習の力」が身に付いたこと
・その先の中学・高校・大学へと進む際にも、子どもにとって必要な「勉強の習慣」を作り上げていくことができたこと
をお伝えさせていただきました。今回は《大学受験の勉強》について、考えてみました。
● Tシャツの話 〜大学受験の勉強、根詰めないでほしい〜
「明日から頑張る。」このTシャツは、私の大好きな一枚です。今でも次男は、家で普段着に着ていますが、これは息子が高校生時代にクラス全員で作ったもので、男子校らしさがよく表されているように感じます。
「大人も子どももみんな、頑張らないといけないと思っている」
今日はできなかった。でも、明日から頑張る。「。」に必ずやるぞ、という決意が出ているなあと(笑)
先月、大学入学共通テストの試験会場だった東京大学の前で、受験生の高校生ら3人が刺された衝撃で悲しい事件が起こりました。大学受験の勉強中、毎日スムーズにいかないこともあると思います。
「明日から頑張る」くらいのゆるい気持ちを持っていることも必要なのではないか。集中力が出ない時は、これまで積み上げてきたものを信じて、根詰めず、気持ちをゆるめる日を作ることが大事だと思います。受験勉強は長丁場なので、自分の中で「まだ余力があるな」くらいにしておいた方が、長く続けていくことができます。
この緩急を上手に使う感覚は、我が息子たちを見ていて、見習うことが多かったです。ときには頭を休ませる時間を作って、上手に気分転換をするのが大事ですね。
●体育祭の話
鎌倉の中高一貫校に通学していた息子たちですが、年に1回、秋に体育祭が行われます。背丈も身体もまだ小さい中学1年生から身体つきも逞しくなった高校3年生まで、全校生徒が一堂に会して行われる体育祭は見ものです。最後の閉会式の前に、高校3年生が勢揃いして校長先生の前で「ここからは受験に向けて頑張っていきます。ありがとうございます。」という気持ちを込めて、体育祭委員メンバーが代表で挨拶をするシーンは、何回見てもジーンときます。高3になった我が子やクラスメイトが、実際に心も身体も成長したことを感じさせてくれる1シーンがこちらです🔽
栄光学園中学高等学校のfacebook
【高3から校長へのサプライズメッセージ】
https://www.facebook.com/watch/?v=1123785157770966
●区切りがあるのが良い
大学へ現役合格をすることは大変だと思いますが、体育祭を終え、いよいよ全員が「本格的に受験勉強に集中しよう」と気持ちが締まる。この静と動の区切りがあるようなイベントがあると、気持ちを切り替えやすいのだと思いました。
東京大学を目指す生徒や医学部を狙う生徒も多く、集団スクラムで目標に向かっていく男子校でしたが、長男が自分から東大を目指すと言い始めたときは「うそでしょ?」と私のほうが驚きました。
正直、最難関大学への進学は、私は期待していませんでしたが、周りの友人たちが目指す大学が、みんな東大だったので、高1までずっと平均点をウロウロしていた長男の第1志望が、いつの間にか東大になっていったのは、仲間たちの影響が大きかったのだと思います。
高2の1学期中間試験で、数学が学年最下位となり、さすがに本人も危機感を覚えたようで「ヤバい、ヤバい」と繰り返し言いながら、 翌日から学校で習った数学の復習をやり始めました。
同時に、青色の『チャート式 基礎からの数学』シリーズ(数研出版) 3冊も「夏休みまでにすべて復習する」と、私に宣言しました。
1冊がずっしりと太い本、『数学チャート式 基礎からの数学Ⅰ〜Ⅲ』を、高2で初めから解き直す。大量の数学の問題に取組んだことで、自力で考え、パターンを考察しながら、数学をマスターしていきました。
結果、夏までには終えられませんでしたが、やっと11月11日にチャート式を終え、気持ちの区切りがついたようで、「これから本当の意味で受験勉強に取り組める」と本気に火がついておりました。
その様子を見ていた私は「自分の弱点を自信に変えていくには、やはり努力しかないんだな」と、息子に教えられました。
●少ない選択肢から選ぶ
学校の先生がよく保護者会で「通塾は週3回は多い。2回くらいにしてほしい。なぜなら学校の勉強をしっかりやり、部活もあり、予習復習をこなしていくだけでも大変なことです。それに塾が加わると、お子さんは大変です」とおっしゃっていました。それを聞き、通塾は英語・数学を1日で受け、理科は、物理と化学両方を受講させることにしました。
時間にもお金にも余裕があれば選択肢は広がりますが、少ない選択肢の中から選んでいかなければならないこともあります。我が家は経済的余裕がなかったので、理系科目については、長男は化学、次男は物理をとそれぞれ1科目選択し、動画授業の塾で学びました。
その他、受験で必要な科目は自分で勉強することにしました。自分で勉強するものは、自ら参考書や問題集を買ってほしい、と頼んできました。
・選択肢が少ない中で、模索したり工夫したりすること
・自分でやっていくということは、自分でスケジュールを立てること
大学受験を通して、こういった技術も身に付いたのではないかと思います。
これだけ情報が多い世の中で、魅力ある商品もたくさんありますが、全てを選んだり、購入したりすることはできません。必要に迫られた中、取捨選択の訓練を若い頃から経験しておくことは、人生にとって必要なことだと感じます。
次回の連載も楽しみにしていただけたら嬉しいです。
たかみほ(たかせみほ)
子育てスマイルナビゲーター 1968年生まれ。共立女子大学文芸学部卒業後、航空会社のグランドスタッフに。結婚後、長男が小4、次男が小2の時に夫と別居。2年間の調停の後に離婚成立。シングルマザーとして働きながら、子供たちを中高一貫校へ。その後、2人ともに東京大学理科一類へ現役合格を果たす。著書に『シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』(徳間書店) Noteブログ https://note.com/takasemiho