きれいな爪の伸ばし方|今日から実践できる対策&注意点を解説
縦に伸びた爪が美しく、憧れる人も多いでしょう。人それぞれ爪の形は異なりますが、きれいに伸ばすには、どうすればよいのでしょうか。
そこで今回は、きれいな爪の伸ばし方と日常で気をつけたいポイントを紹介します。
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爪が伸びるメカニズムとは?
爪とは、指先に見えている硬い板状の「爪甲(そうこう)」のことです。爪はおもに、「爪母(そうぼ)」と呼ばれる爪の根元部分にある皮膚からつくられます。
見えていない爪の根元部分は、ポケット状になっています。爪が伸びる仕組みは、ポケット付近から伸びてくる皮膚によるものです。
・ポケットの下にある爪母の細胞が角化して押し上げられる力
・ポケットの上にある皮膚「後爪郭(こうそうかく)」で押さえる力
このふたつの力が合わさると、爪が徐々に斜め上に進み、見えている爪の部分へと成長します。
爪が伸びるスピードは指により異なります。手の指であれば平均的に1日約0.1mm伸びて、おおよそ120日ほどで入れ替わるでしょう。また足の指は、1日約0.048mm伸びるといわれています。
爪が伸びない・きれいにならない原因
爪は体調や外部からの影響を受けやすく、日常の過ごし方に次第では、爪がきれいに伸びないケースがあるでしょう。
思うように爪が伸びない、伸びてもすぐに割れてしまう人は、以下のような原因が考えられます。
①体質・体調よって爪が伸びにくくなる
爪の質は、病気や体質により異なります。血液の循環により爪へ栄養を与えていることから、手先の冷えがある人は循環が悪く、爪の伸びにくい可能性があるでしょう。
心臓から遠く、体の先端にある爪は、循環が悪くなり体調の変化を受けやすいと考えられています。また、むくみも血液循環に悪影響を与え、爪の伸び方に影響します。
ほかにも、ウイルス感染症のあとは、爪が浮き剥がれるケースも少なくありません。
②爪を噛む・むしるなど外部からの刺激を受けている
爪は、噛む・むしるといった力の影響を受けやすいです。甘皮を押しすぎるとポケットが浅くなり、爪の厚みが変わり横溝ができやすくなります。
きつい靴や大きすぎる靴を履くと、慢性的に外から力がかかり、爪母や爪床が変形して巻き爪になったり分厚くなったりするでしょう。
爪を噛んだりむしったりして指の先より爪が短くなると、指先の皮膚が荒れやすくなり、指先がふくらむように見えます。これは、爪を伸ばすと改善が可能です。
また、ジェルネイルで爪を保護することもできます。しかし、自分の爪の弾力がジェルの硬さに負けて皮膚から浮く、大きなストーンをつけると皮膚から爪が浮くといったトラブルも起こるので注意しましょう。
③生活習慣が乱れている
爪は、おもにケラチンと呼ばれるタンパク質からできており、欠乏すると、爪の変形・変色が起こる可能性もあります。
タンパク質に加えて、ビタミンやミネラルも重要な栄養素であり、バランスよく摂取できていないと、爪が伸びにくくなるでしょう。
また、月経のある女性のなかには、慢性的な鉄不足の人もいます。鉄分が多いことに加えて、体内に吸収されやすい赤身の肉や魚、卵を摂取するなど、食事から栄養が不足しない対策が必要です。
④爪が乾燥している
爪の水分量が適切でなければ、透明で美しい爪にはなりません。爪の根元が乾燥すると、細かい炎症を起こして、爪母の働きを悪くします。また、水分量が多くても白くなることがあります。
また、指先の乾燥から爪先の下の皮膚「ハイポキニウム」が角化して、爪が伸びづらくなるのです。
■ハイポニキウムとは
ハイポニキウムは爪下皮(そうかひ)と呼ばれる爪の部位で、手のひらから指を見たとき、爪の裏側にある白く透明な部分のこと
ほかにも、手荒れによる爪の変形も考えられます。原因不明の爪の変形であれば、炎症を抑える外用薬で治療すると治るケースもあるため、皮膚科・形成外科への受診も検討してみてください。
⑤爪の切り方が間違っている
爪の形を正しく切ると、日常的に指先にかかる力を分散して受け止められます。
ただし、爪切りを使うと、爪を切りすぎて深爪の原因となりかねません。爪の長さや形を整える方法としては、ヤスリのみを使うことが理想的です。
ヤスリだけで爪を整えられない場合は、ある程度の長さは爪切りを使い、ヤスリで整える方法でも問題ありません。
爪の端を深く切りすぎると、反り上がり、爪の形がきれいに伸びないため注意が必要です。
爪のケアをするときは、こちらの記事でアイテムと方法をチェックしてみてくださいね♡
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きれいな爪の伸ばし方5つ
日常の中でちょっとしたことに気をつけたり、簡単なケアをし続けたりすることで、きれいに伸ばせるでしょう。
ここでは、今日から実践できるきれいな爪の伸ばし方を紹介します。
①ハイポニキウムを育てる
ハイポニキウムは、指先を使わないことにより伸びやすくなる傾向があります。
指の腹を手のひら側に押したときにかかる力は、ハイポニキウムが伸びなくなる原因のひとつです。たとえば、ジェルネイルをきれいに保つために、指先をあまり使わない人であれば、ハイポニキウムは伸びやすいでしょう。
そのため、ハイポニキウムを伸ばし爪をきれいに見せたいのであれば、指先に力を入れないこと(かく動作をしないこと)がおすすめです。
指先は、日常生活のなかであらゆる方向から力がかかっています。指先に一切力をかけないことは困難ですが、できるだけ指に負担をかけないよう心がけてみましょう。
②栄養バランスのとれた食事をとる
爪をきれいに伸ばすためには、爪のおもな成分であるタンパク質をはじめ、カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・セレン・ビオチンといった栄養素の摂取がおすすめです。
月経の出血量が多い人、髪や爪が伸びるのが早い人は、鉄や亜鉛の豊富な食事を摂る、またはサプリメントで補いましょう。髪や爪の伸びるスピードが早い人ほど、体内で鉄や亜鉛の消費量が多いと考えられています。
③適度に運動をする
爪が美しく正しい形に育つには、適度な外からかかる力が必要です。しかし、間違った方向から過度に力がかかると、爪は変な方向に曲がって生えたり反り返ったりします。
足の爪は正しい体重のかけ方で歩き、靴を正しく履くことにより巻き爪を防げます。足の爪にとってよい歩き方は、以下のとおりです。
1.つま先が正面に向くようにまっすぐ足を出す
2.かかとから着地して、重心は足裏全体にかける
3.上半身が前に出たら、小指に重心をのせる
4.反対側の足が地面につくときには、重心は親指側に移動する
5.最後は親指をしっかり押し出す
歩くときの靴は、紐のついたスニーカーがおすすめです。スニーカーを履くときは、紐をゆるめて足を入れて、かかとをコンコンと合わせて紐を締めるよう意識しましょう。
④ハンドクリームやオイルで保湿する
爪からの水分の蒸発、爪の根元にある皮膚の乾燥を防ぐには、ハンドクリームやオイルを使った保湿がおすすめです。
爪の水分量を増やすためには、爪や角質に水分を保持する力がある尿素などの保湿成分の入ったクリームがよいとされています。
最近では、爪の材料となるアミノ酸を配合した美容液なども売られています。美容液を塗る際は爪だけではなく、周辺まで塗るとしっかり保湿できるでしょう。
⑤新陳代謝を高める
新陳代謝を高める方法は、血液の循環をよくすることです。
血液の循環をよくするマッサージは、爪に栄養をいきわたらせ、爪を伸ばす効果が期待できます。
ただし、マッサージをする際はクリームやオイルをつけ、皮膚に摩擦が加わらないように工夫をしてください。
また、年齢が若く新陳代謝が高いほど、爪の伸びは早いといえるでしょう。
きれいな爪の伸ばし方には日常の動作が大切だった!
きれいな爪を伸ばすためには、ていねいな所作が大切です。指先にぐいぐいと力を込める、荒っぽくぶつけてばかりだと爪はきれいに育ちません。
たとえば、キーボードのタッチや物をつかむときも、優しい動作を心がけてみてください。
手荒れは放置せず、クリームやオイルを使ったケアをして、指先まで気を使っていれば自然と美しい爪は伸びてきます。
足の爪は、靴の選び方・履き方が影響しているため、足に合う靴を選びましょう。
また、対策やケアをしても形のおかしい爪が伸びてきたり、指や爪に痛みがあったりする場合は、早めに皮膚科・形成外科を受診してくださいね。
教えてくれたのは……逗子メディスタイルクリニック院長 徳永理恵さん
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。同大学病院を経て横須賀市立市民病院勤務。一般形成外科診療の中で糖尿病や高齢者のフットケアにも多く携わる一方で、褥創対策チーム・美容レーザー外来の立ち上げを行う。2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医である夫と共に開院。”医学の力でQOLを上げる”をモットーに、美容皮膚科診療と並行して、看護師らと共に正しいフットケアを湘南逗子葉山の地域の人たちに啓蒙中。乳がん・甲状腺がん経験者。3人の男の子の母。
所属学会
日本形成外科学会
日本美容皮膚科学会
日本靴医学会
日本がんサポーティブケア学会
Text_Ayumi