もうダメだ、メンタルが…という大人向け「折れない心の持ち方」を専門家に聞きました
辛くても我慢して頑張るだけが困難を乗り越える方法ではありません。ストレスを華麗にスルーしながら、挫折を経験値に変えて、しなやかに令和の時代を生きていく心の強さが「レジリエンス」。ポキンと折れない柔軟な大人の心=レジリエンスについてご紹介します。
誰でも一つは経験してる?「これで心が折れました」エピソード
どうして「心が折れる」のか?元自衛隊メンタル教官が解説!
「心が折れそう」という言葉、よく使っていると思いますが、そもそもどうして心は折れてしまうのでしょうか?「私は大丈夫!」と頑張る人こそ実は心が折れやすいという傾向も。ぜひ一度セルフチェックを。
アラサー世代はメンタル面の負荷がかなり高いので注意が必要
「子どもの心の強さ」だけで乗り越えられるのは25歳くらいまでの話。30歳前後のCLASSY.世代は体力も低下して疲れやすくなり、今までの頑張り方が通用しなくなってきます。また、公私ともにタスクが増え人生においていろいろなストレスが増える時期。恋愛、結婚について、また出産のリミットを考えたり、仕事とプライベートの調整など心理的消耗も。心身の疲労のリスクが非常に高いので私は関係ないと思わず自分を労って。
疲れのレベルをセルフチェック!
心の疲労に自分で気づくために、まずは今の状態をセルフチェックして。3個以上当てはまる人は「プチうつゾーン」、7個以上だと「うつゾーン」となり、今すぐに休む必要があります。
レジリエンス=「折れない心」を身につける方法は?
レジリエンスを身につけるために重要なのは考え方の変換。でもその前に、体の疲れをとり良好な状態に整えることが大前提。フィジカル→メンタルの順で自分を整えていきましょう。
とにかく「疲れ」をとる!フィジカルの改善が大前提
何はなくとも寝る!できれば8時間以上が理想
心身の休養はうつの特効薬。まずは8時間以上の睡眠を毎日とることを心がけて。疲れがたまっているプチうつの人はできれば1週間、難しければ土日を含め3~4日、それも難しければ2日間の休みを「今すぐ」とってください。体の疲労を甘く見ないことが大切です。
いつもの考え方を変えることで「折れない心」に近づける
疲れている時は「うっすら楽しむ」ことが大切です
動画を見る、料理を作って食べる、少し部屋を片付ける、DIY、音楽を聴く、アロマ、マッサージに行く、近くの公園に行くなど、一人でできて緊張感が少ない「癒やし系」のストレス解消法が効果的です。旅行やスポーツなどの「はしゃぎ系」は余計に疲れるので今はやめておいて。
「心が折れそう」…CLASSY.読者の悩みに下園先生がアドバイス
下園先生によるとCLASSY.世代の女性の3人に2人は、本人の自覚がないけれどうつに近い状態になっているそう。そんな私たち世代の「心が折れそう」なお悩みを先生に相談してみました。
【お悩み】職場の同性の上司が理不尽すぎてそろそろ限界です
同じクラス担任として毎日一緒に仕事をしている上司から、急に怒鳴られたり強く当たったりされます。別の上司に相談したら「みんな同じ経験をしてきているから気にしないで」と言われるだけで何も解決せず。元々は前向きな性格でしたが、自分に自信がなくなってきて…。休日はひたすら寝て過ごしています。(Sさん/27歳・教育関係勤務)
advice▶︎▶︎▶︎すでにプチうつの状態 イライラしている上司もプチうつの可能性大です
自信がない性格への変化や、休日は寝ているなど、エネルギーが低下したプチうつの状態ですね。プチうつだと、普段なら受け流せることも何倍も辛く感じてしまいます。別の上司の発言を考えると、Sさんのエネルギーが低下しているために、上司のキツさが倍増して感じられ辛くなっている可能性もあるかもしれません。さらに、上司の態度がキツいのも本人がプチうつでイライラが強くなっているからかも。ダメージが大きくなる前にSOSを出して、休みをとってほしいですね。
答えてくれたのは...
下園壮太さん
陸上自衛隊初の心理幹部として自衛隊員のメンタルヘルス教育、カウンセリングを担当。退官後は心理カウンセラーとして講演や研修を行いメディアでも活躍。最新刊『とにかくメンタル強くしたいんですが、どうしたらいいですか?』も好評。
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イラスト/松元まり子 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc